Q.10どうしているはーとは人気がでないのかな

「どうしているはーとは人気がでないのかな」

「竹内緋色の小説よりは閲覧数が多いだろ。はい、論破」

「意地悪」


 少年の吐息は空の青には溶け込んでいく。


「人気があるとかないとかどうだっていいだろ」


 少女は少年の横顔を見つめる。


「人気になったってそれが幸せとは限らねーし俺は人気になんてなりたくない。どこまでも広い空を見上げることも忘れて地面を睨んで歩くなんて俺はできなかった」

「そうなんだ」


 少女はくすりと笑った。


「もしも…わたしが人気者になっちゃったらどうする?どこか遠くに行っちゃったら」

「勝手にどこにでも行けよ。お前のやりたいことならな」


 二人に間には今日も冷たい風が吹く。


「今日はするのか?」

「ううん。今日しない」


 少女は去り、少年だけが1人残される。


「変わらないものなんて何一つないんだ。変わらないままでいていいものなんて、何一つ、ない」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る