Q.3どうして守れない約束なんてするのかな
空と最も近い場所に一人の少年と一人の少女がいた。
二人は寝転がりながらただ、空の青を見つめている。
「ねえ、どうして人って守れない約束をするのかな」
「知るかよ」
「意地悪」
少年には少女が頬を膨らませているのが分かっていた。
「そんなもの、約束なんてするからだろ。約束なんてするから破られる」
「そうなんだ」
少年には少女が納得していないのが分かった。
「約束ってのはどちらかが信じてれば成立するんだよ。片方が絶対に守れないと分かってていてもな」
少年はため息混じりに尋ねた。
「今日はするのか?」
「ううん。今日もしない」
少女は立ち上がり、屋上から去っていく。
空の青には少年ただ一人が取り残される。
「信じるから裏切られる。それでも人は信じることを止められない」
その言葉は空の青に合わさり、消えていく。
「でも、約束ってのはたった一人ではできないんだぜ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます