結婚ってなによ。

@kakukakushikajika123

ナーバスに飛び込む婚活パーティ

るりは少し楽しみのような、少し諦めたような、または投げやりのような、不思議な気持ちでビルの入り口に立っていた。婚活パーティーの世界に足を踏みいれるのは初めてである。


婚活と言う言葉を耳にするようになってから、何年か経った。そのワードが流行っている間はるりは既婚者であったので婚活と言うものを経験したことがないし興味さえなかった。


ところが、8年間の結婚生活に終止符を打つことになるとは思ってもいなかった。それはそうだ、誰だって離婚を前提に結婚する人などいない。離婚を想定しながら結婚する人などいない。誰だって幸せを想定しながら結婚する。


考えてみよう。日本の離婚率はおかしくないか。この離婚率がありながらも、男性も女性も何かに焦りながら、何かに追われるように、ある程度の年齢になると結婚を意識するようになる。まずは周囲の結婚である。友達が結婚しだすと、突然連鎖するように次々と同級生が結婚していく。そしてSNSに誰が聞いたわけでもないのに、「このたび、私どもは結婚をすることとなりました。まだまだ未熟な2人ですがどうぞよろしくお願いいたします」。


思えばこの報告って何か意味あったっけ。

私も結婚をした時は皆に向けて結婚をしましたと報告をしたが、小学校中学校高校大学、結婚をしたことを言わなきゃいけない恩義がある相手なんてゼロに近いかもしれない。


離婚をしたともなるとこのように結婚の制度が、結婚式が、上司のスピーチが、SNSに乗せられる幸せな家族の写真が、すべてうさん臭くまた嘘臭く見えてしまうのだ。


家族の幸せって誰かに見せる必要があったっけ。昔はそんなことなかっただろう、SNSがあることによって家族は幸せであると言うコマーシャルをしていかなければならないと言う強迫観念があらゆる人に根付いたように思う。

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