第5話 魔法ってややこしい。
異世界に転送されてから3日が経過した。
俺は相変わらず労働を強いられている。
「蓮!!起きてください!今日は魔法の練習をしますよ!!」
ーーーーーーーーーーー
…地獄のような建築作業を無事に終えて、やっと自堕落な日々を送れると思っていたのに。
だが、今日は別だ。なんせ魔法の訓練だ。
「…その顔つきはなんですか、はっきり言ってキモいです。あ、元々でしたか。」
「…朝の挨拶じゃなくて朝の悪口になってますけど。」
「まぁそんな今まで食べたパンの枚数ほどどうでもいいことは置いておいてですね。」
うん。一体どこでそんな言葉覚えたんだろうね。
「今日はこの世界の魔術基礎について学んでみましょうか。」
「魔法とは6つの属性で構成されています。」
『火を司る、
『水を司る、
『風を司る、
『自然を司る、
『光を司る、
「そして、闇を司る、
「最後に無能を司る、
「いや、待てよ。属性7つあるし、しかも最後のやつは単純に俺の悪口だよね!?ねぇ!?」
「…何言ってるのかよくわかんないです。」
「そんなことより、蓮の属性、聞きたくないですか?」
「はやく聞かせてくれ、ポンコツ。」
「えぇーっと、第8の属性、無能ですね。」
「平気で嘘をつくな嘘を!!」
ツムギは少し悔しそうな顔でため息をついた。
「……魔力が微量すぎて測定不可でした。」
「多分昨日私が大量に吸収したからかと。」
「ごめんなさい。」
初めてツムギが俺に謝ったのかもしれない。
「……でもよ、俺の魔力を吸収したならさ、いつもより調子がいい属性とかがあったんじゃないか?」
「残念ながら他人の魔力を得たからといえど属性の力には関係ないんです。」
「…つまり、威力に変動はなく、魔法が使える時間が増えただけか。」
ツムギはとても驚いた表情でこちらを見ている。
「……なに?」
「いえ。こんな
「ねぇ、それ褒めてるの?馬鹿にしてるの?」
「もちろん後者に決まってるじゃないですか。」
ツムギは清々しいほどの笑顔でこういった。
……このポンコツ…。
「まぁ、魔力に関しては今日の訓練で使う分には問題ないと思います。」
「そっか、なら早くやろう。うん。」
「…いつにも増してやる気ですね。何なんですか、とても不快です。」
ほんとに失礼なやつだ。肉体を破壊したあとは精神も壊しにくるのか。
「…別に、興味があるだけだし。」
「まぁいいです。えー、魔法というのは魔力を消費して放つ遠距離技です。」
「魔法の強さは
「ですが、もちろんなんのデメリットなしで使える訳ではありません。」
「魔法は想像力に対して同等の魔力を使用します。」
……?よく聞いていないと取り残されてしまう。
「あー、つまり、等価交換ってやつだろ。」
「そうですそうです。」
理解していることに喜んでいるのか彼女の口角は僅かに上昇している気がする。
「あと、詠唱と無詠唱がありまして………」
ーーーーーーーーーー
あー、これはダメだ。このままでは寝てしまう。
あれから10分ほど経過したが未だに話が終わっていない。
「百聞は一見にしかずって言うよ?ツムギさん。」もちろん、これは建前。
本音は早く魔法を使ってみたいだけだ。
「……分かりました。では好きにどうぞ。」
「イメージは血液と同じです。身体に巡る魔力を感じ取ってください。」
俺の得意分野の想像。
…血液の如く流れる魔力を指先に集中させる。
とりあえず、お試し感覚でメラミを……。
「よっ、と……!!」
銃の引き金を引くイメージをし、小さな火球を水辺に放つ。
すると、飴玉サイズの火球が出た。
「やったぞ!魔法がでた……ぞ……」
成功の
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