第10話 そんなこと言われましても…
いらっしゃいませ、こんにちは!
セルフサービス店の話が主になりつつありますね。
店員が作業を全て行うフルサービス店はお客様はお車の中にいるため、作業をお客様が行うセルフサービス店の方が色々と起こるのです。
さて、お客様は「クレーム」と聞いたら、どんなイメージが浮かびますか?
あまり良い印象は感じませんよね。
今回はそんな中でも「それ、こっちは悪くないよね?」というお話を致します。
GSにいらっしゃるお客様は様々な方が、様々な給油の仕方をされています。
毎回二千円で入れる方、毎回二十リットルで入れる方、お給料後は必ず満タンにする方、原付きで小銭を使って入れる方。
セルフサービス店で監視業務をしていると、お客様の給油の仕方がそれぞれ違うことが分かります。
あ、電話がかかってきましたね。
「はい、お電話ありがとうございます。○○会社○○店、早瀬と申します」
「あの、そちらのお店でさっき給油したんですけどね、何だかガス欠みたいで停まっちゃったのよ」
給油したばかりでガス欠?
「先ほどの給油はおいくら入れられましたか?」
「一万円で入れたわ」
一万も使えば大体の車は満タンになります。
ハイオクを入れるスポーツカーや高級車の類でも、かなり給油出来ます。
……うーん?(´・∀︎・)
「お車は新車でしょうか?」
「そうよ、買ったばかり。さっき給油したのも買ってから初めてだったの」
「大変失礼な質問だと重々承知しておりますが、お車の燃料メーターに不備があるといったことは?」
「買ったばかりって言ったでしょ! あるわけないじゃない、失礼しちゃうわね!!」
「申し訳ございません」
んん? 問題はどこにあるんだろう?
新車でも一万も使って給油したのなら、すぐにガス欠なんてありえません。
「一万円で給油なさったとおっしゃられていましたよね? お車にはいくら分、入りましたか?」
まさか計量機の故障か?!
故障なら急いで購入した設備会社に連絡をして修理しないと!
「五百円」
「…………ご、ごひゃくえん?」
「ええ、一万円入れて、五百円分給油して、九千五百円のお釣りが出たわ」
ああ、あのお客様か!
五百円しか給油しないから、ほぼ使わなかった代車を返す前に給油したのかなって不思議に思ってたお車だ!
確かに一万円入れて設定で五百円でした。
入れていたのはレギュラーでしたね。
「お、お客様、ちなみに給油時に燃料メーターのメモリはどの辺りを示しておりましたか……?」
「一番下よ。赤いランプも点いてたわ。でも給油したのにメモリ一つ分も上がってないのよ」
「…………」
お客様のお車は原付きですか?(;゚∀゚︎)
軽自動車だって燃料メーターのメモリは一つで五リットルくらいなんです。
時価ですけど、レギュラーを五百円って三リットルあるかないかですよね。
下手すると原付きでも満タンにならないです。
「お客様、五百円では三リットルほどしか入りません。新車で給油ランプが点灯した状態で三リットルでは、メモリも上がらないと思います。その、自動車で三リットルでは大して走れないかと……」
ここでお客様も気付かれたのか、一瞬静かになりました。
まあ、そうなりますよね……。
「じゃあ、どうしたらいいの?」
「JAFに加入していらっしゃるのでしたら、そちらへ連絡をしてお車に給油していただくのはいかがでしょうか? 当店でも配達サービスを行っておりますので、お急ぎでなければこちらの者が給油に参りますが」
「……JAFを呼ぶわ」
という、もはやクレームなのかすら判然としない電話もございます。
値段を聞くためのお電話なら大歓迎です。
でも、このような時は対応に迷います。
店側に過失はありませんから(苦笑)
どのようなお電話でも、今回のようにお客様のお話を聞いて、納得していただけるまで根気強く説明を心がけております。
時々フッとこのようなお電話があるので、監視業務をしている間は来店されるお客様の様子を出来る限り覚えておりました。
給油する前に、ご自分のお車はどのくらい給油が必要か考えてみてくださいね。
いかがでしたでしょうか?
次回はアテンダント中のお話をしたいと思います。
ご利用ありがとうございました!(*´∇︎`)ノシ
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