第4話 油種の違いとは?

 



いらっしゃいませ、こんにちは!


今日はどちらまでお出かけですか?




「ちょっと遠出するのよ〜。軽油満タンで!」




満タンですね、畏まりました。


……ところで、




「失礼ですが、お客様のお車はレギュラー車ではございませんか?」


「? 軽自動車だから軽油でしょ?」


「……いえ、違います(・ω・`;)」




お車の油種(ゆしゅ)は確認しておきましょう。


油種とは文字通りのことです。


お客様、燃料は三種類あります。きちんと油種をおっしゃっていただけないと大変困ります。


「満タン!」で通じるお客様もいます(´・∀︎・)


それはお車の給油口の内側にシールが貼ってあるからです。


このシールに「レギュラー」「ハイオク」「軽油」と書いてあるお蔭で店員も安心して給油出来るため、見つけても剥がさないでいただけたら嬉しいです。


店員がお車を見て「この車種はレギュラーだな( ー`дー´)」と見当をつける時もあります。


しかしお客様からハッキリと油種を伝えてもらえることが一番の入れ間違い防止になりますので、今一度お車の油種を確認してください。


GSではレギュラーは赤色、ハイオクは黄色、軽油は緑色で表示されているかと思います。灯油は青色。


さて、灯油以外の上記三つの燃料。


当然それぞれに違いがあります。


でも一から十まで細かく説明しても、正直ちんぷんかんぷん分かりませんってなりますよね。


と、いうことで三種類の燃料の基礎知識をお伝えします。


これだけでも違いは分かります。


第1話でも触れましたが、液体そのものは燃えません。


液体から気化したものが燃えています。


そしてこれらには【引火点】と『発火点(または着火点)』という二種類の温度があります。


レギュラーとハイオクは説明上、二つ併せてガソリンと表記します。


今後もガソリンと表記されていたらレギュラーとハイオクのことだと思ってください。


軽油は分けて書きますね。


【引火点】と『発火点』の違いは以下です。



【引火点】火を近付けた時に燃える温度。

『発火点』自然に火がつく温度。



【引火点】は「火種があれば燃える温度」、『発火点』は「火種がなくても自然に火がついて燃える温度」となります。


ここを勘違いすると危険です。


ではガソリンと軽油、ついでに灯油の【引火点】と『発火点』を見てみましょう。



・ガソリン

【引火点】−40〜45℃

『発火点』300℃


・軽油

【引火点】40〜70℃

『発火点』250℃


・灯油

【引火点】40〜60℃

『発火点』250〜255℃



注目すべきは【引火点】。


ガソリンは軽油や灯油よりも【引火点】がずっと低く、かなり寒い環境でも火種があれば燃えるということです。


これだけでもガソリンと軽油に違いがあるのは分かりますね。


とりあえず、先にレギュラーとハイオクの違いを説明します。


この二つは「燃えにくさ」が違います。


そして燃えにくさの単位をオクタン価といいます。


ハイオクはレギュラーよりもこのオクタン価が高いのでハイオクと呼ばれています。


エンジンルームでガソリンを燃やした時に、ノッキングという異常な燃焼が大なり小なり起こるのですが、オクタン価の高いハイオクは燃えにくいためノッキングも少ないのです。


無駄な燃焼が少ないので効率的なガソリンと言えますね(◍︎ ´꒳` ◍︎)b


そうして軽油とガソリンですが、実はどちらも元は同じ液体から作られているんですよ。


元の液体を蒸留する過程で特定の低い温度で気化したものがガソリン、特定の高い温度で気化したものが軽油になります。


この違いがガソリンは常温常圧の環境でもよく燃える、軽油は高温高圧の環境でよく燃えるという性質に現れています。


ディーゼルエンジンは高温高圧で軽油を燃焼させているのです。


常温常圧でもよく燃えるガソリンをディーゼルエンジンで燃焼させたらどうなるか……。


言うまでもなく危険ですよね。


こうしてそれぞれに違いがあるため、車種に設定されたものをきちんと選ぶ必要があるんです。


設定された油種でなければ、せっかくのお車も本来の力で走れません。




「入れ間違えた時はどうしたらいいの?」




レギュラー車にハイオクを入れてしまっても、逆にハイオク車にレギュラーを入れてしまっても、すぐさま壊れるようなことはありません。


しかしエンジンの仕様とは異なるガソリンなので、エンジンがかかりにくくなったり走りが悪くなったりします。


ギリギリまで使い切ってから、また車種の設定通りのものを給油してください。


ガソリン車に軽油を入れてしまった場合、またディーゼル車にガソリンを入れてしまった場合は絶対にエンジンをかけないで!


車の修理屋さんやディーラーに連絡を入れてJAFなどに取りに来てもらいましょう。


タンクに入っただけならば、中のガソリンを全て捨てて洗浄してもらえば大丈夫です。


修理同様お金はかかりますが新車を購入するよりかは断然安く済みます。


エンジンをかけるとエンジンルームにまでガソリンや軽油が行き渡ってしまい、壊れた場合はエンジンの交換やお車の買い替えといった事態になります。




「軽油入れて!」




と、おっしゃるお客様の話をお聞きしてみると「軽自動車=軽油」「軽油の方が安いから」という理由が多いのです。


油種の違いを知っていかがでしたか?


目先の数十円数百円の安さを求めた結果、より高い代償を支払うことになるんです(●︎`^´●︎)


もう軽油を入れたいなんて思いませんよね?


GSの店員がお車の油種について口を挟むのは商売云々以前にお客様のお車を壊さないために、その車種に合った油種をご提示しているんです。


恐らくガソリン車に軽油を入れて欲しいと言っても、どこのGSでも入れてくれません。


セルフスタンドは自己責任です。


ないとは思いますが、ガソリン車やディーゼル車に灯油を入れるのもダメです。


もしもディーゼル車に灯油を入れたり混ぜたりして走行したら、それは違法行為です。


これは本来使用する軽油にかけられている税金を納めなかった、脱税という理由で警察のお世話になります。


確実にエンジンの寿命が縮みますし、壊れるのでやらないでください。


今回は油種についてでした。


次回はGS施設についてのお話を致します。


ご利用ありがとうございました!(*´∇︎`)ノシ





 

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