第2話 セルフサービス店について

 


いらっしゃいませ、こんにちは!


何故今回はセルフサービス店を掘り下げるのか、そこからお話ししたいと思います。


フルサービス店ではお客様はお待ちいただくだけ。


しかし、セルフサービス店はお客様ご自身が行うために何気なくやってしまったことが実は違法だったり危険だったりするのです!


お客様に安心してご利用いただきたい。


従業員も安心して仕事をしたい(ㆁωㆁ*)


だから今回はちょっと制約のあるセルフサービス店について、ということです。


制約と言っても難しいものではありません。


何故ダメなのかもご説明致します!


あ、さっそくお客様がいらっしゃいました。




「いらっしゃいませー!」




昼間でも店員(操作説明やお得なキャンペーンなどのご案内をするアテンダント)がおります。


これは前回でも言いましたね。


分からないことがある時はお気軽に声をおかけください。


来店されたお客様は計量機の前にお車を止めたらエンジンを切り、給油口を開けます。


計量機にて設定をします。ここで数量や金額設定も細かく出来ます。


静電気除去パネルに触ってから給油キャップを開けて給油ノズルを差し込み、レバーを握って給油が開始されます。


ある程度満タンになるか、設定の数量や金額になると自動的に止まります。


ノズルを抜いて計量機に戻してください。


給油キャップを締めて、給油口を閉じてからお会計をします。


計量機と釣銭機が一緒の場合は最初にお金を投入しているので、ここでお釣りとレシートを受け取ります。


これで給油完了です!


もしガソリンが吹きこぼれてしまっても、慌てずに置いてあるタオルで給油口や車体を拭きます。


タオルは窓拭きだけでなく、吹きこぼれ時の清掃用でもあるので気にせず使ってお車を綺麗にしてくださいね。


さて、稀にお客様の中には徒歩で来られる方が年に数回、片手ほどですがいます。




「いやあ、ガス欠しちゃって。車はすぐそこだから、ここに来れる分だけ少し欲しいんです」




大体の方はこうおっしゃられます。


ギリギリいけるかな、と思ったらダメだったパターンですね。


恐らく、まず店員にこう聞かれます。




「携行缶(けいこうかん)はお持ちでしょうか?」




携行缶とは金属製のガソリンを入れておく容器のこと。


給油口と空気抜き用のネジ部分がついた、赤い金属缶が多いです。


農家さんや趣味で畑をされる方は耕運機や草刈機でガソリンが必要になるので、よくお持ちです。


これがないとフルサービスでもセルフサービスでもレギュラーやハイオクはお売り出来ません!




「ペットボトルに入れて持って行くのは?」


「ダメ、それ違法ですよ!ヾ(・ω・`;)ノ」




レギュラーやハイオクはプラスチック製のペットボトルやポリタンクなどに入れてはいけません。


容器が溶けてこぼれたり、中でガソリンが気化して突然フタが吹き飛んだりといった事故が起きます。


金属製の携行缶なら溶けないし、空気抜き用のネジ部分があるので安心!


携行缶はネジを緩めて空気抜きをしてから開けてくださいね。使用後にネジを締めるのを忘れずに!


親切なお店だと小さな携行缶を置いていて、従業員がついて行ってお車へ入れてくれることもあります。


ちなみに軽油はポリタンクでもOK。


これは油の特徴故ですが、詳しくは次々回の油種についてでお話しします。


軽油を買うお客様は緑色のポリタンクに入れます。色が違うので灯油と間違えなくて安心ですね。


ここでセルフサービスでの禁止事項!


ガソリンの携行缶への給油は、お客様が行なってはいけません!




「え、セルフサービスなのに?」




はい、セルフサービスなのにダメなんです。


セルフサービス店でお客様が出来るのはお車の給油と灯油の購入のみ。


携行缶での販売は実は店員の仕事なのです。


これはレギュラー、ハイオク、軽油共に禁止されています。灯油はお客様でOK。


ただ近年はガソリンを使った事件が多く、セルフサービス店での携行缶販売自体をしない場所も多くなりました。


勝手に給油せず、店員にお聞きください。


こっそり入れようとしてもバレますよ?


セルフサービス店も常に店員がいますから。




「でも夜は見たことないよ?」




はい、セルフサービス店では非常時以外に屋内担当の店員が外に出ることはまずありません。


建物の中にいるから見かけないだけです。




「何で出てこないの?」




それは主な仕事が監視業務だからです。


GS内の各給油機に設置された監視カメラを見ながら、お客様の給油に許可を出したり設定を間違えていることをご連絡したり、場合によっては給油機の緊急停止を行うこともあります。


お客様のいない時間帯に清掃をするお店も。


こう書くと監視業務って簡単そうですよね?


でも監視業務には資格が必須なんです。


危険物第四類取扱。通称、乙4(おつよん)といいます。


この資格があれば自身の危険物第四類の取り扱いと、他者の取り合いの監督を行えます。


フルサービスもセルフサービスもこの資格を持つ人間が責任者として絶対にいます。


乙4については後ほど番外で説明致します。


とにかく、セルフサービス店も目には見えないけれど店員がおりますので迷惑行為や違法行為はおやめください。


監視カメラにお車のナンバーまでバッチリ映ってます。従業員にマークされますよ!


この従業員がカメラと設定内容を確認して、問題がなければ給油許可を出し、ガソリンが出てくる仕組みです。


設定を間違えているなと判断したら許可を出しません。


給油機のインターフォンで声をかけられるので、その場合は給油ノズルを計量機に戻して設定をやり直してください。


注意というほどではありませんが、給油ノズルを強く引っ張ったりお車で踏んだりしないでください。ノズルの収納が出来なくなり、最悪重さに耐えかねて裂けます。


セルフサービス店は面倒臭い( ̄^ ̄)


そう思われたかもしれません。


でもセルフサービスにも利点はあります。


前回述べた価格の安さ、人と接する少なさ、二十四時間経営、小銭単位の金額設定が出来る、そして待ち時間が短い!


セルフサービス店をご利用するお客様は給油だけか、旦那様が給油して奥様が窓を拭くと分担されるケースが多く、一台にかかる時間がフルサービスより短いのです。


今の大手企業のフルサービス店は大体計量器につき店員が一人がつき、作業も一人で行うため時間がかかります。


ですが、セルフサービス店ではお客様は基本的に給油のみなので回転率が高いのです。


いつでも開いていて、安くて早い。


系列店ではポイントカードのご利用でポイントが貯まるところもあります。


セルフサービスも良いお店ですよ!


ご高齢の方や自分でやるのはやっぱり不安という方はフルサービス、自分でやった方が早いし安くて良いという方はセルフサービスに来店されます。


使い分けされる方も勿論いらっしゃいます。


ご自分の生活やその日の予定、お財布事情に併せてどうぞ。


あ、元店員として最後に一言。


代行運転の会社様、セルフサービス店を両替機代わりに使わないでください。


機械によっては小銭を大量に入れて設定をした後にキャンセルすると、返金が紙幣になって出てくるものもありますが、結局両替するのはGSの店員なんです。


小銭が多い時に抜くのも大変なのです。


計量機の説明書は電話帳並みに分厚いんですよ。図解もそうですが手順が多いんです。


今回はセルフサービス店についてでした。


次回はフルサービス店についてのお話をします。


ご利用ありがとうございました!(*´∇︎`)ノシ




 

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