修業編

第158話 修業編1




俺は異世界に英雄として転生することになった しかし 今回の英雄は4人 既に3人が王の元に転生した 3人でも多いのに4人も転生すると偽者だと疑われる可能性があると言われ 俺は王の元に転移することを諦めた 




楽しく旅をするために


魔物がいる世界でも1人で旅が出きるように


「では よい 人生を」


世界最強の人の元に転移してもらうことにした










転移の光が消えると 目の前に人が


おおおっ この方が


背が低く


ツインテール


丸顔


くりっとした大きな目に 大きな瞳


ぷりぷりして瑞々しい唇


平らな胴体


おおおっ 


キタッ~ ロリ師匠


し しかも か 可愛い~


この子が師匠 世界最強の師匠がこんな可愛いロリっ子だとは


俺は少女に駆け寄り


「師匠 弟子にしてください」


少女は戸惑いながら


「えっ えっ 君は どうしてここに」


「お願いします」


俺は深々と頭を下げる


そうだ この箱を渡せば


神から貰った おみあげを渡す 絶対に弟子にしてもらえるように神から貰ったおみあげだ


「どうぞ お受け取りください」


「えっ えっ くれるの 綺麗な箱」


「よろしくお願いします」


「えっ でも 何を教わりたいの」


えっ 何って う~ん そうだ ロリっ子だけど 最強なら見た目と違って もの凄く年上なのかも


「師匠のことを教えてください キスの仕方からお願いします」


「えっ えっ」


少女は真っ赤な顔で戸惑いながら後ずさる


その時 屋敷の中から男が出てきて 俺達の方へ


「何を騒いでいる んっ それは ユウ ちょっと それを見せてくれ」


男が少女から箱の中身を受け取ると


「この宝石はどうした ユウ これをどこで」


なんだ この男は


「すみません それは神から貰った 最強の人へのおみあげです 返してください」


「んっ 神が俺に」


えっ あれっ まさか この男が最強なのか


「それは 弟子にして貰うために 神から貰った物です」


男は俺を見ずに


「そうか 分かった それなら弟子にしてやる 貴様を最強の魔法使いにしてやろう それでいいな」


魔法使い


最強の魔法使い


いい響き


最強の魔法使い


モテるかな


最強の魔法使い


いい いいかも 最強の魔法使い


ロリっ子でなく むさくるしい おっさんなのは残念だが


ここは しっかりと約束をしておかなければ


「その宝石を受け取るなら責任持ってくださいよ 最低でも1年は衣食住の世話をお願いします 必ず俺を最強の魔法使いに育ててください ダメだった時は返却してもらいますからね」


「任せろ 俺が1年間も鍛えれば最強の魔法使いに必ずなれる」


よし 約束出来たぞ


「智王様 この箱は私が貰ってもいいの」


「んっ 箱か 俺はこの宝石があれば満足だ」


「じゃあ この箱は私が貰うね ふっふっ 何か困ったことがあれば お姉さんに相談するんだよ」


ユウは微笑みながら俺に言ってきた


お姉さん? そうか 生まれ変わったのか 俺は転生して10歳に


「うん よろしくね お姉ちゃん」


ユウは嬉しそうに


「一緒に修行頑張りましょね」


おっ 可愛い子と一緒なのか ユウも弟子なのかな






残念ながら ユウは師匠の弟子ではなかった 両親と一緒に智王の里に住んでいて 時々 師匠に稽古をつけてもらうことはあるみたいだが 基本は1人で稽古をしているのだそうだ


師匠が俺の顔をじっと見ながら


「まさか お前は魔力と魔法防御が0なのか」


んっ 言ってなかったかな


「そうですが 何か問題がありますか」


「問題だらけだろ 魔力と魔法防御の成長率も0とは はぁ~」


あれっ ダメなのか


「最強の魔法使いになれますよね」


「そうだな まあいいだろう これを使おう」


師匠が綺麗な剣を俺に渡してくれた


へぇ~ なんだか 凄そうな剣だなぁ~


「貴様には魔法剣を覚えてもらう この世界には魔道具と呼ばれるものとエン道具と呼ばれる2種類の道具が存在している 魔道具は魔力のエネルギーを消費して使う道具 エン道具はエンのエネルギーを消費して使う道具のことだ 安い魔道具のほとんどは魔力を注ぎ込むことで使用するのだが その魔道具の魔法剣には大地の魔力と呼ばれる魔那を自ら取り込む魔石が組み込まれている 誰でも魔法を使うことが出来るからな とりあえず素振りからだな」


おおっ この凄そうな剣は魔道具なのか エンってなんだろ まあ 今はそれより


「やあっ」


俺が剣を振ると


「あっ」


剣が手からすっぽ抜けて 師匠の方に真っ直ぐに飛んでいく


「あぶなっ 狙ってないだろうな」


「すみません ちゃんと 握っていたんですけど」


俺は頭を下げ 剣を再び 「やあっ」 っと振ると


「げぇ」


剣は再び 師匠の方に飛んでいく


「うわっ 貴様 わざとか んっ まさか そうか 貴様は装備力が低いのか じゃあ 装備力が上がるまで鉄の剣を振って稽古しろ」


しかし


「ぬわっ」


鉄の剣も すっぽ抜けて 師匠の方に飛んで行く


「まさか 鉄の剣もダメなのか 信じられん う~ん」


「あっ 師匠 そういえば 神様が言ってましたけど 俺は装備が出来ないみたいですよ 武器は木の武器のみで防具は防御力0の装備のみって言ってました 指輪等は装備可能だそうです」


「はあ 装備が出来ないだと 神が言ったのか それならレベルが上がったとしても」


師匠の顔が曇る


あれっ まずいのか


「よし まずは勉学を優先するぞ 来い」


俺は師匠の後に続き屋敷の中に




部屋に入ると中にはユウがいて 本を読んでいた


「どうしたの もしかして一緒に勉強」


おっ ユウと一緒に机を並べてなのか


「一緒に頑張ろうね」


か 可愛い~



師匠が話を


「まず初めに魔物を倒すと手に入る2つのエネルギーの説明からだ

1つ目は経験値 魔物との戦闘に参加した者達の体内に入り蓄積するエネルギー 経験値が溜まることで肉体はレベルアップする

経験値50でレベル2 810でレベル10 55310でレベル30 350310でレベル50 7150310でレベル100 経験値の必要量は誰でも共通だ

2つ目はエン 直径3cmくらいの丸い玉のエネルギーでエネルギーが大きくなっても大きさも重さも変化しない

好きな量に分けることも出来る エンはいろんな分野でエネルギーとして使うことが出来る

エンは便利で価値があるので 世界共通通貨として使われている」


師匠がエンを取り出し 2つに分けたり 1つまとめたり 実際のエンで見せてくれた


電子マネーのように便利で使い勝手がいいのかもしれない


「次はアイテムボックスの説明をする 

本人の意思で特殊な空間に物を収納したり取り出すことが出来る

アイテムボックスの中は時間経過がないので食べ物等を入れても腐ることはない 熱い物は熱いまま 冷たい物は冷たいままで取り出すことが出来る

普通の人はレベル×1cmの立方体の空間がレベル×2だけ使える レベル3なら3cmの立方体の空間が6つ使用することが出来る

まれにレベルに関係なく大きな空間を使える者もいるが その中でも特別なのが転生者だ

転生者はアイテムボックスの空間に何でも無限に収納することが出来る

ただし 無限と言っても収納するためには条件があるので覚えておくように

条件は収納する物を手に持ち把握する必要がある

一瞬持ち上げただけでは収納することが出来ない 自分で持ち上げて重さ 形等を把握する必要がある

力の能力を鍛えることで大きく重い物を収納することが出来るので 魔法使いを目指すとしても力は鍛えるようにな

日頃から アイテムボックスには食べ物 飲み物 生活用品等をとにかく収納するように 腐らないので一生分を収納しても問題ないだろう

石や岩等 重い物を持ち上げて収納して力をつけていくといい 毎日欠かさずに稽古するように

向こうの部屋に使っていない生活用品があるから 全て収納しておくように」


アイテムボックスか 確かに便利そうだね ここは世界最強の師匠の屋敷 凄いお宝が沢山ありそうだよね 貰える物は全て収納しておけば役に立つかもね


「次は肉体についての説明をする

肉体は鍛えれば鍛えるだけ成長する

この世界の人達はレベルアップをすることでしか鍛えることが出来ないと勘違いしているが

筋トレ 走りこみ 素振り等をすることでも鍛えることは出来る

レベルアップをすれば剣の腕も 肉体も強化されるので 稽古や訓練と言えば魔物退治だというのが常識になってしまっているがな

肉体を強化すれば強くなっても 弱くなることはないので どんどん鍛えるように 年齢による衰えなども一切ないからな」


へぇ~ それは凄い さぼっていても 筋肉が落ちることはないのか


師匠の話は延々に続く


眠い~


・・・


ユウの横顔


ドキドキと胸が高鳴る


真面目なユウも可愛い


どうしたんだ 俺はこんな幼い子に


目が合うとユウはにっこりと微笑んでくれる


胸がキュンキュンと締め付けられるような感覚


生まれ変わって初めての恋


これは初恋ってことになるのかな


・・・


「おい 聞いているのか おい 貴様 聞いてないだろ おい おい」


「えっ すみません ちょっと 考えごとを」


ユウはクスクスと笑いながら


「この世界に来たばかりなんだから不安なんだよね お姉ちゃんがついてるからね」


「はぁ~ ちょっと 気になったんだが 貴様の知力が その なんだ う~ん」


あっ 


「師匠 そうです 俺の知力は低いですよ 神様から知力を下げてもらいました」


「はあ 上げてもらったんじゃなく 下げてもらっただと 魔力0 魔法防御0 装備が出来なくて 知力も低くいのに 最強の魔法使いになるつもりか」


「いや 最強の魔法使いは師匠が言いだしたことですよ 責任持ってくださいよ」


「うっ そうだが う~ん 一度に詰め込むのは無理か よし まずは体力からだ 最強の魔法使いになる方法ならいくらでもある 外に出ろ ユウは本を読んでろ いいな」


「ふっふっ 頑張ってね 応援してるよ」


ユウは俺に近づき 小声で「私も君のこと好きだよ」 っと


「えっ えっ」


ユウも なぜ 俺の気持ちを


まあ 真横で真っ赤な顔で見つめていたら気づかれるかぁ


・・・


【愛情の呪法】

オーディンの18の魔術の1つには愛情の呪法と呼ばれるものがある

後世の記録には こう書かれている

この英雄は出会った可愛い女性を全て自分の女にしたと


「おい さっさと外に出ろ」


ユウはにっこりと微笑み 手を振りながら俺を送り出してくれた




「俺が必ず貴様を最強の魔法使いにしてやるから俺の指示に従うように」


「えっ 厳しいのはダメですよ パワハラ禁止ですからね 神様から天罰が下りますよ」


「はあ くだらないこと言わずに 従え まずは屋敷の周りを走れ とにかく走れ 休みながらでもいいから走ること いいな」


「はい」


休んでもいいなら まあ 走るのは基本か 最強になれるのなら頑張るか


屋敷の窓から手を振るユウの笑顔を見るとやる気がわいてきた


「そうだ 師匠 質問いいですか」


「ほう やる気が出てきたようだな 何だ」


「師匠 ユウに手を出しましたか」


「馬鹿か くだらないこと考えずに さっさと走れ」 


「は~い」




こうして 最強の魔法使いになるための修行が始まった

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