第156話 のんびり旅をする



「次はどこにいくんですか」っとサリアが聞いてきた


「特に何も考えてないけど 6人揃ったから 知らない場所の観光かな」


「楽しそうですね 私も行きたいですが しばらく 忙しいからなぁ~」


「さすがに女王様が国を抜け出すのはね 美味しそうな食べ物や珍しい物があれば おみあげに買ってくるよ」


「ふっふっ 約束ですよ」



あおいが杖をかかげると 俺達6人は転移の光に包まれた



滅びた3つの国の領土はサブル王国の領土となった 3つの国以外にも偽智王に騙されそうになった国はいくつもあった 3国をサポートするために密かに資金や兵を送り出していた国も 調べはついているのだが サリアは気づかなかったふりをした 主犯の弓使いの指名手配だけを徹底させ この戦争を終わらせたのだった








転移の光が消えると 周りには木々が 森の中だろうか


あおいには どこでもいいので 面白そうな場所に転移してくれ って頼んだけど


・・・


特に珍しそうな物は何もない ただの森


俺達は稽古もかねて 森の中を走ることにした


・・・


しばらく 走っていると あかりが 真横を指差した


「あかり 何かあるのか」


あかりがコクリと頷いたので 俺達は そちらに走ることに


・・・


特に何もないが


・・・


んっ 森を抜けるのか


森が途切れた っと思ったら 花が一面に咲き乱れている場所に出る


へぇ~ 綺麗だね


ばにらとちょこは嬉しそうに 走り回る


あおいとあかりは周りをキョロキョロっと


何かあるのかな


ちゃちゃが不思議そうな顔をしていたので 目線の先を見ると


魔物が いや 違うのか 羽の生えた 人 羽の生えた小さな人かな


あおいを見ると コクリと頷く


今回の観光の目的地についたようだ


先に進むと


20~30cmの羽の生えた小さな人が飛び回る 美しい村 いや 国なのかな


俺の言葉は通じないが ちゃちゃ達 獣族の言葉は通じているようだ


敵意もなく 笑顔で俺達の周りを飛び回り 俺の肩に座ったりと楽しそう


案内人の空を飛んでいる小さな人についていくと 城が


しかし 入り口が小さすぎて中には入れない 全ての扉の高さは50cm以下しかないのだ


どうしようかと思っていると 中から可愛いお姫様のような小さな人が


小さな人達は俺達を広場に誘導してくれて テーブルや椅子を


しかし 全てが小さいので 俺がテーブルと椅子を出した 小さな人が出したテーブルや椅子を俺が出したテーブルの上においた


テーブルの上には沢山の料理やデザート等が並ぶ 歓迎の宴を開いてくれているのだろうか


料理は全てが小さいが どれも美味しい 特にデザートのケーキ等は今までで一番美味しいかも


俺もテーブルの上にアイテムボックスから取り出した料理を並べることにした


すると出したとたんに 小さな人が沢山飛んできて ついばんでいく


小さな人達は空を飛びながら踊る 楽しそうに踊る


歓迎の踊りなのだろうか


言葉は通じないが歓迎されているのは分かる


お姫様のような子が俺の唇に小さな唇を ちゅっと


可愛いけど


大きくなれないのかな ちゃちゃに聞いてみると


くすくすっと笑い 抱きついてきた


代わりをしてくれるようだ


ちゃちゃを抱きしめ テントの中にベットを


俺とちゃちゃの周りを小さな人達が飛び回る


俺とちゃちゃは見られながら


楽しむことにした


・・・






ここがどこだか 分からなかったが楽しかった


まだまだ世界には知らない場所が沢山あるようだ


俺達6人は旅を続けた


楽しい旅を


楽しい楽しい旅を


だが


俺は忘れていた


終わりは突然訪れることを


突然に


そう あの時のように


・・・


俺は忘れていた


死んだ時のことを


ただ 歩いていただけ


歩道を歩いていただけなのに


車が


・・・


原因は


そんなの知らない


なぜなら


死んだから


即死だったから


その後 家族が 友人が クラスメート達がどうなったのか


そんなの分からない


なぜなら


死んだから


突然 終わりが来たのだ


まあ 俺には夢も やりたいことも特になかったが


どうして死んだくらいは教えて欲しかったよ


葬式くらい見たかったかな


あの日も またね っと教室を出た


それだけで 俺は嬉しかった


片思いだった


告白も出来ない


告白くらいしていれば


まあ そんな勇気は俺にはなかったけどね


自分に自身がなかったからなぁ~


はは 何で こんなこと思い出しているんだろう


・・・


終わりは突然訪れる


前触れもなく


突然に


・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る