第155話 偽智王と5人の仲間03




「これから どうするの」


「そうだね 仲間がいるんだろ 1人だけ」


「うん 呪術魔法使いの男よ 恐ろしい魔法を使うの それに魔法封じも得意としているのよ 魔法使いの英雄を倒すために来たの 君をね」


「なるほど 確かに 魔法を封じられれば やっかいかな でも 俺の魔法は封じられないよ」


「うぬぼれないで ニールの魔法は本当に恐ろしいのよ 特殊魔法だから 普通の魔法使いには絶対に勝てないの 逃げた方がいいわよ」


「危ないやつなら 倒さないと サブル王国に手を出したことを後悔させてやらないとね」


アネットは逃げたほうがいいと何度も言ってくるが 俺はテントに向かうことにした


こっそり倒そうと思っていたんだけど ニールと呼ばれている魔法使いは戦闘体勢で待ち構えていた


「使い魔がいるのよ ほら あそこ」


アネットが指差す方向を見ると 一羽の鳩のような鳥が


アネットを監視していたのだろうか それとも あ~ そうに違いない


「覗きやろうめ 死ね 魔那よ 我に力を 強石弾」


「全ての攻撃を防げ オーガシールド」


俺の投げた石が黒い魔法の盾に当たり「ドガーン」っと大きな音をたて 石と盾が粉々に


俺はすぐに「強石弾」と叫び 2発目を投げる が男も「オーガシールド」っと叫び防ぐ


「覗きやろうのくせに なかなか強いね 強石弾」


「オーガシールド 何のことを言っている」


「アネットの裸を使い魔を通して覗いていたんだろ ヘンタイめ 強石弾」


アネットは はっとした顔をして 冷たい目で男を見る


「なっ オーガシールド 使い魔にそんな能力はない 敵が来たら知らせてくれるだけだ」


「強石弾」 「くっ しつこい オーガシールド」


その内 魔力が切れるだろうと 何度も石投げていると


男がアイテムボックスから2つの玉を取り出し 「魔法封じ」っと叫びながら 俺の左右に投げてきた


「貴様の魔法は封じた そろそろ 死ね」っと叫ぶが 俺は「強石弾」と叫び 石を投げつける


「馬鹿な オーガシールド ならば これだ くっ オーガシールド これでどうだ 呪術縛り 俺と貴様の魔力の動きを封じる どうだ 体に流れる魔力が止まり 俺も動けなくなるが貴様も アネット やつは動けない 今なら殺せる やれ」 


男は禍々しい杖を取り出し 俺の方に向けている


へぇ~ 魔力の流れを封じる魔法があるのか まあ 俺には魔力がないけどね


アネットは「分かったわ」っと言って剣を取り出し 男に向かって振り下ろす


「ぐはっ なぜ まさか 呪い返しか アネットを操るとは」


男は術を解き 後ろに下がるが動きが遅い アネットは更に剣で追撃を


そして 男の胸に剣を突き刺した


「ぐはっ まさか 貴様も呪術が使えるとは 仲間を操られるとは不覚 だが 次も勝てると思うなよ この戦いの情報を仲間に送ったぞ 必ず仲間が貴様を」


男は力尽き どさっと倒れた


「大丈夫 あの呪術縛りをされると1時間はまともに動くことが出来なくなるのよ」


「俺は問題ないよ ほら この通り 俺に呪術は効かないからね」


アネットは驚き 俺の体をぺたぺたっと触ってきた


誘っているのかな


俺はアネットを抱きしめキスを


「確かめてみる 心配ないって 分かってもらうために ねぇ」


「もう 心配してんのよ」


アネットは呆れながらも 俺を受け入れ


キスを


・・・










「どうするの あと3人いるけど」


「どんなやつらなの 可愛い女性はいるの」


「残念 3人とも男よ 私と同じ魔法族の男が2人と弓使いが1人 弓使いのことはよく知らないけど 2人の魔法族の内 1人は呪術魔法使いで もう1人は召喚魔法使いよ」


んっ 魔法族 え~っと 初めて聞くような 海人族のように 戦いに参加してない種族なのかな


「魔法族って 邪神族なの たしか 悪魔族 鬼族 闇族の3種族が取り残されたって聞いたことあるけど」


「前回の戦争については どれくらい知っているの」


んっ 前回?


「前回って 何度かあるってこと」


「そうよ 何度も起こっているのよ また必ず起こると予言されているのよ」


必ずなのか 封印が解けるのは


「それって 次は2千年以上先の話なのかな」


「そうよ 門の封印が解けると同時に始まると予言されているわ 前回の戦争は邪神様もこの世界の神も参加しなかったから長期間続いたの 2つの世界を繋ぐ門は封印されたけど 長い戦争で取り残された種族は多いいと思うわ 私達魔法族には4人しか会ったことがないけどね」


2千年後の世界か それなら 俺にはまったく関係ない話だよね


「アネットの寿命は長いの 2千年以上とか」


「ふっふっ まさか 魔法族の寿命は長くても100年くらいよ 女性は私だけだから この世界から魔法族はいなくなると思うわよ」


「俺とアネットの子供が出来るんじゃないの」


「邪神族と人族の間には子供が出来ないでしょ 人族なら子供が出来るのは人族とだけでしょ」


「え~と 悪魔族 鬼族とは出来たよ」


「えっ そうなの それじゃあ 私も君の子供を」


「じゃあ さっそく」


「もう ニールが君のことを仲間に知らせたのよ 3人がここにやってくるかもしれないのよ」


{逃げなさい}


えっ 誰


{いますぐ 逃げるのよ}


誰だ うっ 指が痛い これは 幻影の指輪 どうして


「どうしたの」


「誰かが 逃げろって 敵が来たのかもね」


どうする 無理はしたくない 命のやり取りなんてごめんだけど


「う~ん ねぇ 来るとしたら 向こうからだから あの小山に登れば アルコン王国から向かってくる人達が見れて こっちは隠れられそうよ 待ち伏せに適しているんじゃないの」


そうなのか しかし 危険は冒したくはない 小山から投石紐で攻撃をすれば


幻影の指輪か 俺専用の 俺にしか装備出来ない指輪 無敵の指輪 なのになぜ逃げろと


強い相手なら サブル王国に向かわせたくない サリア達に そんなことはさせない ここで俺が


俺とアネットは小山に登り 身を隠し アルコン王国から向かってくる人がいないか 様子をうかがう


ひゃぁっ って ちょこ


俺が緊張しながら アルコン王国の方を見ていると ちょこが背中から抱きついてきた


ちゃちゃ ばにら ちょこ あおい あかりも一緒に


う~ん そうだ


「あかり これから 3人の敵が来るから 強そうな2人の魔法使いが見えたら ここから石を投げて倒してくれないか」


あかりはこくりと頷き 俺に抱きつく


俺が倒す必要はない 危険な敵なら仲間に頼ればいいんだよね


{違う その2人じゃない}


えっ また 声が 違うって 魔法使いじゃないのか だとしたら 弓使いってことなのか


俺が考えていると あかりが立ち上がり


振りかぶり 石を投げる


飛んでいく石の方向には3人の男が 遠いが


命中


1人の男に当たり 男は倒れる


2人目にも石が そして男が倒れた


あかりは俺の方を見て にっこりと微笑む


「あかり ありがとう もう1人いいかな 魔法使いだけじゃなく 残りの弓使いも頼むよ」


あかりはこくりと頷き 残りの1人めがけて石を投げる


男めがけて物凄い速度で飛んでいく



避けた


あかりはムッとした顔をして 更に石を


しかし


また


次々に石を投げるが


おっ


ちゃちゃが弓で


しかし ちゃちゃの放った矢も


魔法で軌道を変えているはずなのに


あの男は危険だ


距離があるとはいえ あかりの ちゃちゃの 攻撃を避けるなんて


あおいがくすくすっと笑い 杖を男の方に向ける


男の上空に巨大な炎が現れ


そして 落下し 途中で大爆発を


おおっ さすが あおい


「あおい ありがとう」っと抱きしめたが


あおいは首を横にぶんぶんと


あれっ 倒せなかったのか


男の方を見るが何もない 大きな穴が開いているだけ あれで生き残れるはずがないのに


「どうしたの」


「いまので 倒せなかったみたいなんだけど」


「転移の玉で逃げたって言っているわよ」


あっ そうか 魔法を使えなくても転移の玉があれば逃げれるのか くっ 失敗した 先に 狙うべきだったか







女性達の元に戻り 帰り支度を済ませ あおいの転移で王都サブルへ


アネットに似顔絵を作成してもらい サリアに頼み 偽智王が起こした戦争の主犯として各国に指名手配して貰うことにした


実際の主犯は偽智王だったようだが 弓使いが危険な相手なら戦わずに倒しておきたい


アネットは牢に入れられることになったのだが 悪魔族のリリトと一緒の牢だと 鍵の掛かっていない高級な部屋 出入り自由で形だけの牢獄生活




アネットの取調べをするために 今夜はここに泊まることにした

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