第154話 偽智王と5人の仲間02



ちゃちゃ達と朝のジョギングをしていると


おおっ


「ちゃちゃ達は先に戻っていてね 俺は用事が出来たから」


ちゃちゃ達はクスリっと笑い 先に走っていった




小さな湖で泳いでいる可愛い女性


こんなところで1人で危ないだろう 何かあるといけないので見守っていてやらなくては


女性の荷物と脱いだ洋服の横で座って見守ることにした


白の下着か くんくん ちゃんとたたんであげよう


しばらくすると 「きゃ~っ」っと悲鳴を


俺の方を見ながら悲鳴を上げているが 後ろにも近くにも魔物はいない


俺は周りをきょろきょろと見渡した後に「魔物でもいるんですか」っと女性に聞くと


もちろん女性は「君だよ 君 裸の私をそんなにまじまじと見て」


「1人でこんなところで危ないと思ってね 1人旅なんですか」


「いや もう1人仲間がいるが 近くでテントを張っている それより 着替えたいので そこを離れてくれないか」


「じゃあ 着替える間は危ないので 俺が見張っていてやるよ」


「見張りなら私を見ないで周りを見るべきでしょ まったく」


「君が可愛いから仕方ないだろ 名前は何て言うの もしかして 偽者の智王の仲間かな」


鑑定できない人なんて 滅多にいないからね


「なっ 貴様は 13歳 まさか 英雄なのか」


「そうだよ 君は邪神族なの 偽者の智王も邪神族なの」


「こんなところで待ち伏せしているなんて まさか デリックを倒したのか」


仲間の名前なのか


「いや そんな名前の人は知らないよ ジョギングをしていたら たまたま可愛い君を見かけただけだよ」


「私の名前はアネットよ 君の言う通り邪神族 邪魔な英雄とサブル王国を滅ぼすために」


んっ サブル王国を 獣族と同盟を結んだからなのか なら


俺は 下着を 全てをアイテムボックスに収納した


「もう1人も女性なの」


「むっ 違うわ 男よ それより」


裸のアネットはもじもじと 水で体が冷えているのか


「俺を狙うのは仕方ないけど サリアに サブル王国に手を出すなら容赦はしないよ」


「私を殺すの 武器も防具も取られては」


「可愛いアネットを殺したりしないよ そうだね まずは 手の3つの指輪を外して 渡してくれるかな」


アネットは手から3つのA級の指輪を外し 俺の足元に投げてきた


俺が拾っていると


「炎よ 我が敵を 焼き尽くせ 炎弾」っと杖を俺の方に向けて叫んだ


アイテムボックスから杖を取り出したのか 偽智王の仲間なら強いのかも


「巨大盾」


「黒虎 白虎 青虎 召喚」


おおっ いつの間に指輪まで 虎か その指輪欲しいけど 仕方ない


「飛翔」


飛び掛ってきた 3匹の虎の魔物をジャンプしてかわし


上空から「魔那よ 我に力を 白銀の世界の守り神の氷龍 3氷龍の牙」


「龍を召喚するなんて 化け物なの」


幻影の3匹の氷の龍が大きな口を開け 虎に向かっていく


幻影の龍に紛れ 虎に向かって2本の巨大な氷柱を 計6本投げ落とす


「ぐさっ ぐさっ」っと虎に巨大な氷柱が刺さり 3匹の虎は倒れお金を出した


「さすが 英雄ね 油断していると思ったのに」


いつもアイテムボックスから出して戦ってるからね レベルが高いならアイテムボックスの中身も多いはず


「今度は俺から行くよ 魔那よ 我に力を 氷魔法 雪合戦」


俺はアネットに向かって雪玉を


アネットに ぱすっ ぱすっ ぱすっ っと雪玉が当たると


「きゃっ 何 冷たい えっ きゃっ あれっ 痛くないよっ きゃっ 冷たい」


可愛い悲鳴を上げる


俺は雪玉を投げながら素早く近づき アネットから杖を奪い アイテムボックスの中に


「で まだ 戦う まあ アイテムボックスの中には沢山の武器があると思うけどね」


「う~ 私では勝てないんでしょ 私をどうするつもり」


「そうだね 逃がしてあげたいけど 偽智王のせいで3つの国が滅んだからね サブル王国に連れて行って取調べを受けてもらうことになると思うよ」


「えっ どういうこと 3つの国って アルコン王国」


「そういうこと 偽智王に騙されてサブル王国に攻め込んだからね」


「作戦は失敗したのね 殺しなさい」


「だから可愛いアネットに酷いことをする訳がないだろ それよりアネットも俺の仲間になってよ 邪神族とこの世界の人々が争っていた原因は昔のことだろ そんなのに縛られないで 楽しく仲良く生きた方がよくないかな」


「君に何が分かるの 私達はこの世界を滅ぼすために生まれて来たのよ」


「海人族は争わないで生きているよ 俺の仲間の悪魔族と鬼族の女性も楽しく過ごしているけど アネットには無理なのかな」


「私達はこれまでに沢山の人達を 今更」


「本当にそれでいいの 楽しいの 何だか辛そうだけど アネットはそれで幸せになれるの」


俺は涙を流すアネットを優しく抱きしめ キスを


私はゆるされないだろ


どうして


沢山の人族を 獣族を


俺だって沢山の人族を 邪神族を 俺の仲間も沢山の国を滅ぼしているけど楽しく生きているよ


そんなことして ゆるされるのか


え~と 誰に


誰にって


他の人がどう思うか分からないけど 俺はアネットを許すよ 俺はアネットが好きだから アネットの味方だよ


でも あっ んんっ


いいよね


えっ でも あっ


ダメかな


ダメ  じゃないかも


んんっ


ぷはっ さっきまで 君を殺そうとしていたのよ


それは どうかな 手加減してくれていたんだろ そんなことより ねぇ


私は本気だったのに


俺だって本気さ 本気でアネットを愛しているよ


もう そうじゃないでしょ 何だか馬鹿らしくなってきたわ


じゃあ 復讐なんて止めてね


ふっふっ 私を守ってくれるの


全力で アネットの敵は俺の敵だよ


アネットは微笑み 俺にキスを


そして


・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る