第145話 人魚




帰りは早かった


ノルンが緑竜に乗ってみたいと言ったので


「出でよ ドラゴン」 っと叫ぶと


大きな緑色のドラゴンが


赤竜を見たことがあったけど ちょっと怖い


しかし ノルンは可愛いと言って平気な顔をして緑竜の背中に


大きな翼の生えたドラゴン 風の竜と言われる緑竜 空を飛ぶのが得意でドラゴンの中ではダントツに早い


S級の緑竜召喚の指輪は緑竜が1匹召喚出来る指輪で緑竜が死ぬと指輪が壊れるそうだ


俺が背中に乗ると緑竜は飛び立ち 勝手にどこかへと進んでいく


「で 名前は何にしますか」


名前?それより どこに進んでいるんだろう


「ドラゴンの名前は別にいいんじゃないか それより どこに行ってるの」


「たぶん 私達の行きたい方向に進んでくれていますよ」


「へぇ~ そうなんだ で どこ」


「ふっふっふっ もう すぐ着きますよ」


緑竜が下降して地面に


あっ なるほど


破壊された街 そして 巨大スライムの群れが


「緑竜さん ありがとうございます」 っとノルンが言うと 緑竜は無視したように俺の方をじーぃっと見つめている


まだ慣れてないから怖いんだけど・・・お礼を言ったほうがいいのか


「緑竜ありがとう」っと俺が言うと 緑竜から可愛い笑顔が そして指輪の中に消えていった


あれっ 可愛い? いや 恐ろしいだけだったのに あれっ?


「どうしましたか」


「いや 緑竜が可愛く感じたんだけど う~ん」


「ふっふっ だったら可愛い女の子なんですね」


「だったらいいんだけどね」


「ふっふっふっ」


俺とノルンがキスをしていると巨大スライムの群れが街から出てきて こちらに


「では ここは私が」 っと言ってノルンが剣を出した


いや 接近戦はダメだろ まったく


「ほら せっかくだから 弓を使ったら」


俺がノルンに矢を渡すと


「ありがとうございます ではいきます」


ノルンが弓を出し矢を放つ


赤い光を帯びた矢は真っ直ぐに飛んでいき 巨大スライムを貫通


そして お金を出した


「やりました 一撃で あの巨大スライムを」


「さすが ノルンだね どんどん放っていいからね 矢はいっぱいあるから」


街の壊れた外壁の隙間から次々に巨大スライムが出てきたが


巨大スライムはノルンの矢で一撃で倒れてお金を出していく


ノルンの額から汗が


「ノルン そろそろ 終わりにしようか ほら 疲れただろ これを」


俺はノルンに水を渡し 休ませることに


「ありがとうございます 嬉しくて この巨大スライムは普通の巨大スライムよりも強いとの報告があったのに1撃で倒せるなんて」


嬉しそうに微笑むノルンに ちゅっ キスを


俺の手が伸びると


「ダメですよ さすがに ここは危険過ぎます」


「残念 ノルンが可愛すぎるから すぐに街に戻ろうか 俺がおぶろうか」


「ふっふっ 戻りは転移で一瞬ですよ それより 倒さなくていいんですか」


そうか 屋敷に転移出来るのか う~ん


「じゃあ ちょっと 偵察に行ってくるからね 念のために矢は沢山おいていくけど 危ないと思ったら転移で先に逃げるようにね」


「分かりました 足手まといになりそうでしたら 先に逃げますね 気をつけてくださいね 聖騎士様達のパーティーでもダメな魔物ですからね」


「もちろん 危険そうなら戦わないから大丈夫だよ」


手を振るノルンに見送られながら 俺はジャンプ 岩を出しながら 上空から街に向かう






破壊尽くされた街の中には沢山の巨大スライムが そして超巨大スライムが


巨大盾


やばい


巨大盾


超巨大スライムが液体を俺の方に連続して飛ばしてきている


ドラゴンと言うより ただの超巨大な黒いスライムだな


俺は外壁の上に降り そして投石紐で石を放つ


超巨大スライムも液体を飛ばしてくるが 避けながら次々に投石紐で石を


石は命中しているのだが・・・ う~ん 効いているのか?


仕方ない 倒さないとノルンが苦労しそうだし


俺はジャンプして 超巨大スライムの上空に


食らえ~ 大量の巨大岩を落としていく


げっ まずい


液体だけなら 落とす巨大岩が防いでくれていたのだが 霧状の液体が


「ぐっ がっ」


痛い 痛い 逃げないと


俺は岩を出しジャンプして距離を


離れないと いや 逃げないと


自動回復の指輪のおかげで すぐに回復したのだが


逃げる間に13個のB級ポーションが消費されていた


あれは無理だ 目がやられたらアウトだね 近距離からでは倒せない 聖騎士達が勝てないわけだ 倒せるとしたら 賢者の魔法か 勇者の魔法か はぁ~ 2人ともいないんだよな~


街の外に出て 走ってノルンに駆け寄り


抱きしめてキスを


「どうですか まさか もう倒したのですか」


「残念 無理みたいだね」


「では どうしますか」


「そうだね ボスは諦めるしかないかもね」


「そうですか 分かりました 巨大スライムが街に向かってきたら 私が倒します この街に超巨大スライムが住み着いているのなら 誰も近づかないように指示をしますね」


「無理はダメだからね」


「もちろんです 無理はしません」


「じゃあ 戦わない日は 矢に魔力を込めて強化してアイテムボックスに収納しておくように そうするだけで 戦闘中の魔力の消費を抑えられるからね」


「分かりました 魔力で強化した矢 霊魂力で強化した矢をアイテムボックスに常に沢山入れておくようにします」


んっ 何だ


「え~っと 2番目は何て言った」


「えっ 2番目ですか」


「ほら 魔力の他に」


「霊魂力ですか 剣技や槍技や弓技等の必殺技に使う力のことですよ」


「霊魂力っていうんだ」


「はい 使いすぎると動けなくなります それに霊魂力の回復は魔力よりも時間がかかります」


「そうなんだ」


「生命力 そして 魔力も 霊魂力の一部と言う人もいますが魔力が減った状態でも霊魂力は使えるので別の力だと言う説のほうが有力ですね」


「なるほどね 霊魂力か 鍛える方法はあるの」


「レベルが上がれば強くなりますが 英雄様がいつも言っているように稽古すれば上がる方法があるのかもしれませんね」


「う~ん 分からないか まあ 何度も使えばいいかもね」


「英雄様は普段は鍛えてないんですか」


「俺は霊魂力で肉体を強化して普段持ち上げることの出来ない巨大な岩等を収納するために使っているよ それから石に霊魂力を込めて収納しているくらいかな」




「緑竜ちゃん 召喚」


緑竜は空高く舞い上がる


「じゃあ ちょっと 旋回しててね」


街のはるか上空から巨大な岩を落としていく 下はまったく見えないが関係ない 倒せるのかも分からないが 痛かったので 仕返しくらいしたいからね


そして緑竜は巨大スライムに奪われたもう1つの街に向かっていく


「倒せたか見なくてよかったんですか」


「無理だろうからね それに元気だったらムカつくし近づいて反撃されても嫌だろ 見なければ 少しくらいダメージをあたえたかもって思えるしね」


「ふっふっふっ そうですね きっとダメージを受けて弱ってますね」


「おっ 見えた ストレス発散に俺が倒すから ノルンは この子に乗って待機してて」


空から見ると破壊された街の中に巨大スライムが1000匹以上蠢いていた


街から少し離れた場所に降りて 街から出てくる巨大スライムを石を投げて倒していく


これくらい楽な敵ならいいんだけどね


超巨大スライムかぁ~ どうやって う~ん




「お待たせ ほら おみあげ」


「えっ 指輪 B級のスライム召喚の指輪ですか」


「珍しいだろ 今もC級は2つ出たんだけど B級は初めてだから ノルンにプレゼントするよ」


「ふっふっ ありがとうございます 新人の訓練に使わせていただきます」





緑竜を指輪に戻し 俺とノルンはノルンの屋敷の魔法陣に転移した







助けにきてくれてありがとうございました 後はお任せください


ほら 礼は態度でしめさないと


ふっふっふっ


ノルンは俺をぎゅっと抱きしめ


何度も愛を囁く


そして 俺の全てにキスを


涙を流しながら微笑みながら何度もキスを


大丈夫っと聞くと


私は弱い女なんです 泣かせてくださいと


微笑みながら 涙を流す


明日からは また巫女として頑張るので 今は泣かせてくださいと


笑顔で涙を


俺とノルンは何度も何度も


・・・












ありがとうございました 今日から また巫女としてがんばります


う~ん もう一泊していくから いいよね


ふっふっふっ はい

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