第119話 生贄



「おはよう」


「おはよう アニス もう出かけるの」


「ええ 仕事ですよ」


「そうなんだ それは残念」


「ふっふっ また 会いに来てくださいね この後 どこかに行くんですか」


「そうだった アニスが可愛いから すっかり忘れていたよ ここに」


「えっ これは ノルン様の手紙」


「巫女さんに呼ばれてね」


「えっ あなたが第4の英雄様」


「あっ 内緒だよ 2人の秘密だからね」


「えっ あ はい 分かりました」


「今まで通りでいいからね」


俺はアニスを抱きしめて


キスを


「うん」






「ここが ノルン様の住むお屋敷です」


「ありがとう アニス じゃあ 仕事頑張ってね」


俺はアニスと分かれて 屋敷に


門の所にいた信者に手紙を見せると すぐに中に案内をされた




奥の部屋に入ると


おおっ たしかに


鑑定すると ノルン 26歳 レベル78


銀髪で水色の瞳の可愛い女性 巫女というよりも 戦士のように感じるが


まあ サリアを信じて来て よかったよ


サリアは完全に俺の好みの女性を把握してくれているようだね


「英雄様 こちらが生贄の女性です 名前はルアンナといいます」


えっ 挨拶もなしに いきなり何を


「え~と 手紙を貰ってきたんだけど まずは説明してくれるかな」


「すみません 私の名前はノルン フラテール教団の巫女をしています」


「ノルン よろしくね で 生贄って何 まさか 女性を食べる魔物でもいるの」


「えっ いえ 英雄様に」


んっ ルアンナを見ると怯えている 可愛いんだけどね


「俺にって どういうことかな」


「女性を捧げれば どんな願いでも聞き入れてくれると聞きました

サリア様から英雄様の好みは細かく教えて頂きましたので」


はぁ 犯人はサリアか


「俺は女性を無理やり抱くつもりはないよ それより 困っていることがあるなら説明してくれるかな」


「えっ」


ノルンもルアンナも驚いているようだが


まったく 


「ニケという女性を救って頂きたいのです 今のままだと 数週間後には」


「病気か何かなの」


「いえ サモトラケ山に住む盗賊のリーダーをしています もうすぐ 国が軍を出して討伐に向かうそうです」


「教団が盗賊を助ける目的は何」


「ニケは私の親友です 今は盗賊ですが 昔はラフテール教団の信者でした」


「俺は犯罪者を助けるつもりはないよ 他を当たってくれないかな」


「お願いします ニケ様を助けてください 私に出来ることなら何でもします」


ルアンナが俺の側に寄ってきて頭を下げてきた


何でも それは 嬉しいけど 犯罪者を救うのは・・・


俺が首を横に振ると


ノルンが


「私も何でもします ニケのためなら 何でも」


そう言って 俺に抱きついて来て


キスを


いいのかな って ダメだろ


とりあえず 俺もノルンを抱きしめ


そして


キスを


「ノルンのことは好きだけど 犯罪者を救うつもりはないよ」


「あっ そうでした ニケは可愛いですよ」


「そうなの じゃあ 俺が助けに行くよ」


「えっ」


ノルンから言ってきたのに 驚いている


「どうして 驚いているの」


「いえ サリア様から断られた時は こう言えばいいと教えてもらっていましたが」


あ~ また サリアの余計な情報か


「嘘なんだ」


「いえ ニケは可愛いです 映像もあります」


そう言って ノルンが記録の玉を取り出した


おっ 若い


そこには 10代の時のノルンと その横にクリーム色の長い髪で赤い瞳の可愛い女の子が


「その子がニケです」


「分かった 俺が必ず救ってみせるよ でも どうして ニケは盗賊に」


「原因は 盗賊退治です 今の映像はその時の物です」


盗賊退治に行って盗賊に・・・


「盗賊退治をして 奴隷にされていた女性達を救い出したのですが 救い出した女性達は ギルドで売られて また奴隷に

助けた女性達が貴族に買われて苦しんでいると知り ニケは貴族を斬って女性を助け出してしまいました」


あ~ そういうことね


「私は問題になるのを阻止するために 貴族の不正を徹底的に調べ上げて公表して 罪にならないように

しかし ニケは止まりませんでした

次々に奴隷達を開放して

・・・

奴隷を使っている人達が全員悪人ということではなく すぐに大問題に」


まあ そうなるよね



ニケは助け出した奴隷達と一緒に盗賊となったと

ニケを支持している人も多かったので見逃されていたところもあったが

盗賊の規模が大きくなり 国も見逃せなくなったと

国が軍を率いて盗賊退治に

俺がニケを助けるということは 国と戦うということになると

ニケには何度もこの国を離れるように言ったが 奴隷達を見捨てて逃げるなんて出来ないと




はぁ~ 国と揉めるのは嫌なんだけどなぁ~


でも ノルンもニケも可愛いんだよ


ニケを無理やり攫って 違う国に


いや そんなことで助かることを望んでいないか 


命が助かったとしても


う~ん 仕方ないか



「ノルン 覚悟は出来ているの 俺がニケを助けると どういうことになるのか分かっているのか」


「英雄様の名誉に傷が それどころか 犯罪者に」


「俺のことは気にしなくていいんだよ この国が滅びるかもってことだよ」


「えっ どうして」


「俺の女に手を出すなら 敵ってことだろ それが王であろうと」


「そんな」


「ノルンには頑張ってもらうことになるけど 本当にいいんだよね 何でもするって言ってたけど」


「えっ 私は何を」


俺はノルンを抱きしめ


キスを


「えっ」


「ダメかな」


っと 俺が言うと


ルアンナが私が っと


ノルンが いえ 私が っと言って


俺にキスを


そして


・・・

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