第94話 虎の獣族08





俺が構えをとると


虎の獣人が笑い 殴ってこいのジェスチャーをしてきた


一発殴らせてくれるようだ


よし


「はあっ」


俺は本気で獣人のお腹に正拳突きを


しかし 獣人は にやりと笑い


もう一発殴ってこいとジェスチャーしてきた


まじか まったく 効いてないのか


んっ 力を感じるような


もしかして必殺技なのか・・・


防御に必殺技を使っているのか


それなら 俺も


獣人に近づき


拳に力を込め


そして


「はあっ」


獣人のお腹に正拳突きを


「ぐぅわっ」


獣人が膝をつく


よし 効いたか


獣人は立ち上がり 構えをとった


本気になったのかな


俺は後ろに飛んで そして 勢いをつけて


「ジャンプ キック」


獣人は手をクロスして受け 俺の蹴りを防ぐ


俺は着地し すぐに横に飛び


そして右足で蹴り 


体をひねり左足で蹴り


そして 後ろにジャンプして 距離をとる


獣人の様子からは まったく 効いてないように感じるが・・・


必殺技でガードされているのだろうか


俺も必殺技を使えば効くだろうが あまり使いたくはないんだよなぁ


正直言って まだコントロールが上手く出来ないので 体力の消費量が多いのだ


普段は全身に纏って 巨大な岩を持ち上げて収納するために使っているのだが・・・


よし 必殺技なしで いくか


俺は獣人に走って近づく


獣人が俺に蹴りを放ってきたので


後ろに飛んで かわし そして 前に飛んで蹴りを


着地し 右に飛んで 蹴り 蹴り


獣人の攻撃が来る前に 後ろに飛ぶ


う~ん やはり ほとんど効いてないのか


いや 必殺技を使って防御しているなら 体力を消費しているはず


時間を掛ければ・・・


俺は更に後ろに飛んで距離をとる


そして 構える


獣人が構えをとき 俺の方に走って向かってきたので


俺も走り


そして直前で左に飛ぶ


素早さなら 負けない自身がある


猫科の虎なら 跳躍が凄そうだが・・・


それよりも 腕の筋肉が凄いので殴られたら やばそうだ


殴り合い 蹴り合いなので 爪での攻撃はしてこなさそうだが・・・



やはり 長期戦の方がいいだろう


俺は接近しつつも 左右にジャンプしながら 獣人の攻撃を避けて距離をとる


低く低くジャンプして かわして 蹴り


俺の身長が低いのは欠点でもあり長所でもある


相手に攻撃を当てにくいが 相手の攻撃は避けやすい


獣人が必殺技を使って防御を続けるかぎり 獣人の体力は減っていくだろう


時間が経てば 俺が勝つ




俺は獣人の攻撃を避け続ける


獣人はいらいらと 攻撃が大振りになってきた


俺は隙をついて 正面から腹に正拳突きを


「ぐっがっ」


よし 効いている


左蹴り 右蹴り


「ぐはっ」


くそぉ 


獣人は俺の蹴りを受けながらも 踏み込んできて 上から拳で俺の顔面に


俺は痛みを我慢して 再び 正拳突き


蹴り 蹴り


ぐっ 我慢だ 痛みを我慢すれば 俺は無敵・・・風だ


ここは一気に攻撃を


獣人は必殺技で防御出来なくなっている


今が攻め時なのだ


「はあっ やあっ」


もっと 力を


「はあっ やあっ」


俺は負けない


力を


「ぐっ はあっ ぐはっ やあっ」


力を


もっと 力を


俺と獣人は 何度も何度も殴り合い


何度も何度も蹴り合う


獣人は必殺技を使って防御していたので 体力を消耗しているのだろう


だんだん 攻撃力も落ちてきている


逆に 俺の力は




「はあっ やあっ」


獣人はふらつき


そして


「はあっ」


獣人のお腹に正拳突きを


ふぅ


獣人は膝をつき 


そして


倒れた

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