第93話 虎の獣族07




「ちゃちゃ おはよう」


俺の上で寝ていた ちゃちゃはコクリと頷き 俺にキスを



朝食を食べて稽古をしてから 北東に走って進むことにした


虎の獣人達は先に走って進んでいるのか見当たらない


歩いて3日なら 走って進めば 今日の夕方くらいには

たどり着けるだろう







んっ 虎の獣人か 向こうにも


そろそろ着くのか・・・


そして 前方に20人くらいの獣人が


「ちゃちゃ ばにら ちょこ 歩いて進もうか」


3人はコクリと頷き立ち止まった


走って進めば 襲い掛かってきたと勘違いされるかもしれないからね


手ぶらで歩いて進めば 敵意がないと思ってくれるだろう


まあ 可愛い亜人がいれば・・・



俺達が歩いて20人の獣人の所にたどり着いた時には


俺達の周りを50人くらいの獣人が囲んでいた


剣は構えてないからいいけど 睨むのも止めて欲しいよ



1人の獣人が武器も持たずに俺の方へ そして俺の前に来て


ジェスチャーで かかってこいみたいなポーズを


え~と 殴っていいのかな


「ばにら 殴ってこいってことでいいのかな」


ばにらがコクリと頷いたので


「はあっ」


虎の獣人に近づき 踏み込んでお腹に本気で正拳突き


あれっ


ドタッと獣人が気を失い倒れてしまった


あ~ やり過ぎたかな


他の獣人達が俺を睨み 更に殺気を放ってきた


ばにらを見ると


クスクスと笑っているよ


この状況で笑ったら・・・


また獣人が俺の方に歩いて来て かかってこいのジェスチャーを


う~ん さっきの獣人より強いのかな 俺の攻撃を見ていただろうから・・・


「はあっ」


今度も獣人のお腹に本気の正拳突きを


あ~


また ドタッと獣人が気を失い倒れてしまった


見ていて自信があったのかと思ったのに・・・


クスクスとばにら そして ちょことちゃちゃまで笑い始めた


虎の獣人がまた1人


ドタッ


そして また


ドタッ



う~ こいつらは馬鹿なのか


自分なら大丈夫と思っているのか


虎の獣人達の身長は2mくらいで 俺が1.45m


油断するのは分かるけど 既に15人も一撃で気絶しているのに・・・




はぁ~


結局30人を殴り 気絶させてしまったよ



虎の獣人達は北東の方に歩き出す


その後をばにらとちょこが


俺とちゃちゃはその後ろからついて行く



30分くらい歩くと石で出来た遺跡のような建物が見えてきた


遺跡ってことは 目的地に着いたのかな


って言うか ばにらとちょこは俺の目的が分かっているはずだよね


聞いといたほうがいいのかな・・・


「ばにら ちょこ 俺の目的は知っているよね」


2人はコクリと頷く


それならいいけど・・・



進んでいると


壊れた石の宮殿の前に虎の獣人達が集まっていた


どうやら 目的地についたようだ


虎の獣族は100人くらいで住んでいると聞いていたけど・・・


どう数えても周りには300人以上がいる


その多くの虎の獣人達が俺の方を見て殺気を放っているのだが・・・




ばにら ちょこが前に出て 一番偉そうな虎の獣人と話を・・・




しばらく すると 虎の獣人は笑いだした そして周りの虎の獣人達も笑い出す


何がどうなってるのか


さっきまでは 殺気に満ちていたのに


ばにら ちょこが 虎の獣人にうけるギャクでも言ったのか


う~ん


ばにらとちょこが俺の前に来て


殴りあうポーズを 


そして ばにらが俺を指差し ちょこが一番偉そうな獣人を指差す


ばにらが ちょこを殴るふりをすると ちょこは倒れこんだ


あっ これは 素手で戦えってことかな 前にもあったよね


「素手で あの獣人と戦えば そして 勝てってことでいいのかな」


ばにら ちょこがにっこりと微笑み頷いた


はぁ~ 俺が負けるって まったく 考えてないんだね 信用されているのは嬉しいけどね


仕方ない


じゃあ やりますか


俺は マントとローブを収納したように見せて 幻影を消した


「ばにら ちょこ この戦い 受けると伝えてくれるかな」


俺が前に出ると 2メートル以上ある一番偉そうな獣人が前に出てきた



では 本気で一気にいきましょうか

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