第87話 虎の獣族01
俺達は北へと進んでいく
目的地は獣族の領域との国境付近にあるペルシの街
街までの街道は屈強な冒険者達が多く 魔物の気配はまったく感じない
歩いて18日ほど掛かると言われていたが 走って進んだので4日目の昼前には街の外壁が見えてきた
「ちゃちゃ ばにら ちょこ せっかくだから お昼は街で食べよう もう少しだけ頑張ろうね」
3人はコクリと頷き 俺達は街まで走る
ペルシの街に入ると 男ばかり それも鋼の戦士と呼ばれるレベル50以上の冒険者が多い
門を守る兵士に聞いて見ると 虎族はとても強いので ギルドの獣族狩りに参加出来るのはレベル50以上だと教えてくれた
ってことは俺達は参加することが出来ないってことなのか
まあ 元々個人で参加するつもりだったけどね
それよりも食事だね
メイン通りを歩いていると あちらこちらから いい匂いが
肉串が売っていたので とりあえず4本買って 味見をしてみると
美味しい
まあ 値段も高いけど ちゃちゃ達も ニコニコして食べていた
とりあえず 焼けていた100本を買って 収納して次の店に
おおっ ここも美味しい
次々に買いながら食べ歩いているが どの店も美味しい
不思議に思い店員さんに聞いてみると 笑いながら
この街の冒険者はレベルが高いので金払いがいいし アイテムボックスが大きいので 大量に買ってくれると それで いい店が集まっているそうだ
ギルドも人集めのために 美味しい店を集めていると教えてくれた
う~ん 人集めなら・・・
店員さんに 人集めなら可愛い女の子はいないのって聞くと
笑いながら 街の南に行ってみなと教えてくれた
女性は街の南側の高い壁に囲まれた安全なエリアにいるそうだ
俺達は食べ物をなるべく沢山買ってから 南のエリアを見学しに向かった
街の南側に着くと 大きな門があり ギルド職員が2人 門番をしていた
俺が中に入れてくれと言うと 500ポイント以上ないと入れないよと言われてしまった
そのポイントとは何かと聞くと北の森の魔物の倒してギルドに持ち込むとポイントがもらえると教えてくれた
C級の魔物10ポイント B級の魔物20ポイント A級の魔物100ポイントで D級以下の魔物のポイントは0だそうだ
1人なら500ポイントだが 4人で入るなら2000ポイントいるそうだ
中にはポイントに応じて無料で利用出来る施設が沢山あると教えてくれた
う~ん 男ばかりいる宿には泊まりたくないよね
まだ 昼過ぎたばかりだから・・・
ちゃちゃ達も男ばかりいる宿に泊まるのは危険だろう
ちゃちゃ達のために魔物を倒しに行きますか
街を出て北に進むと 魔物と戦っている冒険者があちらこちらに見える
魔物は北の森から次々にやってきているようだが それ以上に冒険者が多くて俺達の出番はなさそうだ
う~ん 森の中に入らないとまともに戦えそうにないようだね
「ちゃちゃ ばにら ちょこ 走って森まで行くよ 夜までには街に戻るからね」
3人はコクリと頷き 走ってついてくる
街から森までは歩いて1時間程度なので 俺達が走れば10分ちょっとくらいで着いた
森の中に入ると 冒険者達が魔物と戦っていた
高級そうな装備をしていたので 鑑定すると 6人ともレベル100を超えていた
聖戦士とよばれるA級の冒険者のようだ
俺達はその冒険者達から離れて森の奥へと進む
おおっ 黒色の魔物発見
鑑定すると黒猪の魔物と出た
たしか C級だったかな
ちゃちゃ ばにら ちょこに弓と矢を渡して黒猪の方を指差し位置を教える
次々に放たれる矢に黒猪達はこちらに たどり着く前に倒れていった
さすがだね 10匹だから 100ポイント 残り1900ポイントかな
次に発見したのは巨大鼠の魔物の群れだったが・・・
D級の魔物なので 戦わずに別の方向に進むことにした
おおっ 熊の魔物だね
俺が指差すとちゃちゃ達は次々に矢を放っていく
俺は投石紐を使って石を放っていく
しかし 熊の魔物は1匹も倒れずに こちらに向かってきた
数は30頭くらいか
「ちゃちゃ ばにら ちょこは距離をとって このまま弓で攻撃」
俺は熊の魔物に走っていく
一瞬で終わらせてやろう
ジャンプして 普段は持てない巨大な岩を熊の魔物の上から次々と落とす
32匹の熊の上に巨大な岩を落として 着地
熊のほうを見ると
あれっ
熊の魔物の多くは まだ生きていた
倒せたのは10匹くらいか・・・
何でだ 貴重な巨大岩を使ったのに
向かってくる熊の魔物の前に幻影の俺を複数だして 惑わしながら 朱殷の杖でぶん殴る
しかし なかなか倒すことが出来ない
鑑定 黒大熊の魔物
あ~ 熊の魔物じゃなかったのか
不思議に思い 鑑定してみたのだが どうやら熊の魔物より強い魔物らしい
俺はとにかく 全ての魔物に攻撃しながら ちゃちゃ達の居場所を知られないように引きつける
幻影の炎を放ちながら その中を移動して 杖で殴る 殴る 殴る
そして 殴る
んっ あれは 虎の・・・
俺の戦いを見ている虎の獣人が見えた
う~ん ずっと見られていたのかな
今更だが 杖に幻影の炎を纏わせて戦うことにした
「止めだ 焔の杖」
最後の一匹を杖で殴り倒す
そして持ち上げて回収していく
さて 次は
えっ
虎の獣人が手を振ってきた
え~と 俺も手を振ったほうがいいのか・・・
考えていると ちゃちゃ ばにら ちょこが俺の側に
そして ばにらとちょこが獣人に手を振っていた
俺にじゃなかったのか
「ばにら ちょこ 知り合いなのか」
2人はこくりと頷く
「危険がないなら話をしてもいいよ」
俺がそう言うと2人はニコリと微笑み 獣人の元へ走って行った
う~ん 犬の獣族と虎の獣族は交流があるのか やっかいなことにならなければいいけど・・・
しばらく すると 虎の獣人が走って森の奥に消えていった
「ばにら ちょこ 問題はない」
2人はこくりと頷く
う~ん 2人が問題ないと思うなら大丈夫かな
まあ 考えても仕方ないか
俺達が黒猪の魔物を倒していると・・・
冒険者達が森の奥から走って いや 逃げてきているのか
「逃げろ A級の魔物が来るぞ」
冒険者達はそう叫びながら俺の横を通り抜けて行った
へぇ~ 100ポイントか いいね
「ちゃちゃ ばにら ちょこは 俺の後ろから弓で」
とりあえず 俺は黒猪の魔物を倒し A級の魔物を迎え撃つことにした
すると
えっ
さっきの黒大熊の魔物が1匹だけ向かってきた
こいつがA級だったのか でも1匹って
とりあえず
俺は石を投げつけて俺に引きつける
木の後ろに移動しながらかわしていると
矢が黒大熊の魔物の目に刺さる
そして 更に反対の目にも矢が
視界を奪われた黒大熊の魔物は木をなぎ倒しながら暴れだす
おおっ ちゃちゃかな それなら後は
俺は大きな岩を次々に投げていく
黒大熊は力尽き倒れてお金を出した
ちゃちゃなら A級の魔物でも倒せそうだね まあ 危険だから無理はさせないけどね
ちゃちゃが嬉しそうな顔で抱きついてきたので
「凄かったね ちゃちゃ」
と言うと ちゃちゃはにこりと微笑み俺にキスを
すぐに ばにらとちょこも抱きついてきたので
2人にもキスを
黒大熊の魔物がA級だったので 俺達は街に戻ることにした
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