第86話 消えた名前が



おはよう


おはよう フィリダ


何してるの


んっ ああ 朝の稽古だよ 強くなるためのね


へぇ~ じゃあ 私も強くなれるのかな


俺でもなれるんだから フィリダもきっと強くなれるよ


ふっふっ 努力しているのね 私は今まで口先だけだったね


いつからでも 遅くはないよ でも 無理はダメだからね 魔物から人を守ってもフィリダが怪我をすれば意味がないからね


うん 


戦う前に魔物より強くなること 強い魔物とは戦わずに逃げること それが基本だからね


でも 困っている人がいたら


それなら 努力すればいい その時に助けられなくれも 強くなって 他の人を助ければいい 死んだら終わりだからね


う~ん でも英雄なら助けるんじゃないのかな


1人目を助けられなくても 2人目 3人目を助けた人が英雄だと俺は思うけどね


よくわからないわ


まあ 俺はフィリダに また会いたいってことかな


ふっふっ それならわかる うん 無理しない 何かある前までに強くなってみせるわ


俺はフィリダを抱きしめ


キスを


そして


・・・













「もう行くの」


「フィリダともっと一緒にいたいけどね」


「一つ聞いていいかな」


「何でも聞いてよ」


「君は本当の英雄なんでしょ そして その子達が英雄に仕える5人眷属の内の3人なのね」


「んっ 眷属」


「この予言書に書いてあったの 百英雄の中で一番年下の子に仕える5人の眷属の話が」


「え~と 俺は百英雄じゃないと思うけど」


「でも書いてたわよ 5人の可愛い眷属と旅する百英雄の話が 赤 青 茶 白 黒の5人の眷属って」


「う~ん 茶 ちゃちゃ 白 ばにら 黒 ちょこ で 後は 赤と青が仲間ってこと」


「じゃないの」


「もっと多いなら信じるけどね」


「ふっふっ そうね 君ならもっと多いかもね

この本には えっ」


フィリダが本を開けて驚いた


「どうした」


「私の名前がまた書かれているわ」


「へぇ~ フィリダが百英雄ってこと」


「違う 百英雄と旅をすると 2人の百英雄と私とメリッサの4人で」


「そうなんだ 凄いね でも無理はダメだからね」


「うん うん 今の内に強くなってみせるよ 毎日 そうだ メリッサと2人で毎日稽古するね」


フィリダの目から涙が


しかし その顔は微笑んでいた


「それがいいよ」


「そうだ 最後に覚えておいて 英雄がいなくなり 百英雄が活躍する前の話がのっていたの

百英雄の一番年下の子のことが

洞窟の中で 可愛い5人の眷属とずっと抱き合ってたって」


「えっ それって 重要なのかな」


「ふっふっ わからないけど その1行から話が始まるの 全ての百英雄の活躍はそこから始まるみたいなのよ」


「う~ん まあ 覚えておくよ」


「これを」


「んっ これは」


「ふっふっ 私とメリッサが昔 一緒に作ったアクセサリーよ 英雄様のために作ったの 英雄伝説に憧れていたからね」


「へぇ~ 腕輪か でも俺には装備出来ないから 本物の英雄がいたらプレゼントしておくよ」


「ふっふっ お願いね」


俺はフィリダを抱きしめ


キスを


ちゃちゃとキスを


ばにらとキスを


ちょことキスを


そして


俺達は仲間を求めて北へと向かって旅立った






運命は変わる 

それがいい方に転ぶか 悪いほうに転ぶのかは誰にも分からない

メリッサとフィリダは強くなり 百英雄と共に 砂漠にある天魔の塔を攻略することになる

伝説のアウラの装備を求めて

そして 塔を守る守護獣を倒し

宝部屋で見つけたものは・・・

メリッサとフィリダは笑いながら いつまでも空を見上げていたと






百英雄と共に旅をするメリッサとフィリダの物語が始まった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る