第25話 盗賊ほいほい



街を出ると……つけられている


う~ん やっぱり ちゃちゃは目立つかぁ~


帽子で何度も猫耳を隠すように言われたけど……


この猫耳がいいんだよね 隠すなんて もったいない 隠すくらいなら 襲ってくる盗賊を倒したほうがましだよね


俺は気にせずに歩いているとどんどん集まってきた

30人くらい集まると動きがあわただしくなってきた

来るかな~ そろそろかな


俺は叫ぶ   「神速」  

俺はちゃちゃをおぶって走った

まずはランニングからだね

ちゃちゃが戦いやすいように盗賊の体力を奪うのだ

それと数の把握 俺達を襲うのが目的なのかを確めるために 盗賊と一緒に俺達を走って追手くれば盗賊の仲間に間違いはないだろう

疲れてバラバラに追いかけて来るまで走った


そろそろかな 人を倒しても経験値を出さないが 実戦経験は沢山積んでいたほうがいいだろう


「ちゃちゃ1人で大丈夫か」


こくりと頷いたので鋼の剣を渡した

ちゃちゃは元々背が低いが 更に体勢を低くし走りながら横斬りで 防具の付いてない足や手 そして首を攻撃している 時々 下から上に斬り上げて顎の下から顔を斬りつけている

疲れて1人や2人で向かってくる盗賊など ちゃちゃの敵ではない

俺は念のために向かってくる盗賊のレベルを確認している ちゃちゃよりレベルの高い盗賊が来たり 複数なら すぐに俺が援護する

しかし ちゃちゃよりもレベルの高い盗賊は来なかった 30人くらい倒したら誰も来なくなったので回収することにした

回収が終わった時 こちらに向かってくる5人の盗賊が見えた

ようやくボスの登場かな

1人だけレベルの高い盗賊がいた

ジョイコブ 31歳 レベル53


ちゃちゃにはまだきついかな


「他の奴等は何処に行ったんだ 間抜けな奴等め」


ボスが叫び 5人で歩きながら近付いてくる

20メートルくらいまで来たので 俺は石を投げつけていった


「石投げだと ふざけやがって ぐっ なんだ この威力は お前ら なっ」


ボスが回りの仲間を見ると4人とも既にうずくまっていた


「ちゃちゃ 後は頑張ってね」


ちゃちゃは頷き向かって行った

俺も石で援護する

ちゃちゃは左のほうに走り横斬りを好んで使っている 俺からボスの姿がよく見えるので投げやすい

俺が本気で投げると勝負は決まってしまうので 威力を落として援護だ

しかし 威力を落としたといっても 衝撃は凄く 石の衝撃を受けながら ちゃちゃの剣を受けることが出来なかった

ボスは一瞬でちゃちゃに斬られて倒れ 鑑定すると表示されなくなった う~ん 手加減って難しいよね それとも ちゃちゃが強いのかな


俺は朱殷の杖を持ってうずくまっている4人の盗賊に近づき 杖で盗賊の腕を思いっきり叩いた

アジトを聞く前に脅しとして もう1発づつ叩こうかと思ったら 何も聞いてないのにな 盗賊達はアジトの場所を喋りだした

今回はアジトを発見する 理由はアリア達に怒られたからだ もし盗賊を全滅させて発見出来なかったら 捕まっている人達が飢え死にすると

その通りだよなぁ 飢え死になんて 可哀想だよね

死んだ盗賊を回収して 4人の生きた盗賊は縛り上げて アジトに案内させる

子供だとなめた口を聞いてきたので 無言で盗賊の腕を潰した

すると 4人とも素直に進み出した

2時間くらいで一軒の民家についたが中に入ると美術品が8つだけあった

舐められているようなので1人の盗賊の片方の足を杖で思いっきり叩いて潰した


「ちゃちゃ 歩けないみたいだから 始末して」


「うっ 待った 話す すぐ近くだ」


俺はもう片方の足も杖で叩いて潰して 他の3人に案内しろと言うと 青ざめた顔をして進み出した 足を潰した盗賊は俺が引きずって連れて行く


5軒の民家が見えた 元は村だったのか 盗賊が村を占拠したのか 捨てられた村なのか


考えながら 見ていたら 男達が5人出てきたので鑑定すると 2人は盗賊だった 3人も仲間のようだ 首輪もついていないので安心して石を全力で投げつけた 俺は1秒間で1発放てるので 盗賊達は近づくことも出来ずに倒れた

家の中には奴隷の首輪を付けられた綺麗な女性達がいた 全員綺麗なのは 奴隷の首輪が1つ200万エンもするので無駄に使えないからだろう

家の中に隠されていた装備品やアイテム 美術品等を全て回収して 奴隷にされてしまった女性達を一旦 家の中に入るように言った

他にないかと 1人ずつ杖で殴りつけて確認して 無さそうなので ちゃちゃに全員始末してもらった

そして収納

奴隷にされてしまった女性達に食事を与えて 全員街のギルドに連れて行く

女性が18人で年齢は6歳~34歳

せめて6歳の子だけでも俺の奴隷にしてほしいと全員から頼まれたが無理だと断った


街まで2時間程度で着くだろうと思いながら歩いていると 前方に盗賊がいた 

23人もいるがさっきの盗賊団の生き残りはほとんどいないと言っていたが……

と言うことは別の盗賊なのか ちゃちゃの噂を聞きつけてきたのかな


「ちゃちゃ 俺が魔法で倒すから この人達を守ってね」


「魔那よ 我に力を」


俺は幻影で作った直径2メートルの光の玉で身を包む


「氷魔弾」


魔法で氷を次々に放っていく

盗賊は走って近づこうとしたが 近づいた者から 俺の氷の魔法が当たり倒れていった

俺は魔法を連続で放つことが出来る そう1秒間で1発


3人の盗賊が逃げ出したが


「神速」


と叫び 全力で走って追いかけて


「飛翔」


盗賊達を飛び越える


「土人形の鉄槌」


巨大なゴーレムを召喚し ゴーレムの拳が盗賊達の上空から振り落とされた


ゴーレムの幻影に合わせて朱殷の杖で殴り倒しただけだが 18人も女性が見ているので魔法ぽくしてみた


今回は女性達に見られているので 盗賊達23人全員を生かして捕らえた 紐で縛り街に向かう

抵抗する盗賊もいたが重症にならない程度に杖で殴って進んだ


街まで1時間ってところで……ちゃちゃの可愛さを思い知らされた

街まで68人の盗賊を引っ張りながら進む

盗賊に聞くと やはり ちゃちゃのことが噂になっていたようだ

国境が近く獣族の領域も近いので 盗賊達の身を隠す場所が多く 他にも3つの盗賊団が街の近くにいるそうだ


もう出てこないよな



しかし ちゃちゃは可愛かった



111人の盗賊を連れて街の門に向かうと 沢山の兵士と冒険者が出てきた

その中にいたギルドマスターが俺のところに来て話を聞いてくれた


3つの盗賊のアジトを襲撃する権利は俺にあるそうなので 今から行ってくると言って女性達と盗賊を預けた

アリア達がいたら頼みたかったが 既に旅だったそうだ

まあ これも経験になるだろう


俺とちゃちゃが道案内の3人の盗賊を引っ張って アジトに向かっていると 街から10人のギルド職員がやってきた 盗賊退治はギルドにとってもありがたいということで 無償で10人を派遣してくれたのだ レベルは10人とも30以上で 9人がD級 1人がC級だった 3つの盗賊団ともボスは捕らえていて残りもほとんどいないそうだ 短時間で……拷問でもして聞き出したのかな

それとギルドから 魔力ポーションを1個提供された 鑑定すると D級の下級魔力ポーションだった それでも10万エンするので お礼を言って受け取った


1つ目のアジトに着いたが 盗賊はいなかった

家の中に13人の女性がいたので俺は食事を与え 食べている間に価値のありそうなものを収納した


街には戻らずに2つ目のアジトに向かう

そこには3人の盗賊がいたが ギルド職員があっという間に捕らえた 盗賊が持っていた金も装備も全て俺にくれた 家の中には18人の女性がいたので 同様に食事を与え その間に価値のありそうなものを収納した 俺が見落としていた装備や美術品をギルド職員が渡してくれた 更にどこをどのように探すのかも丁寧に教えてくれた

日が暮れたので ギルド職員10人に盗賊5人と31人の女性を街まで送ってもらうことにした


俺とちゃちゃは盗賊1人を連れて3つ目のアジトに向かった

3つ目のアジトには8人の盗賊がいたがレベルが低くかったので ちゃちゃにお願いした

しかしレベルが低くても剣を持ち防具を着けている盗賊にちゃちゃは苦戦していた

1対1なら楽勝だが 弱くても複数は厳しいのか

仕方ないので 俺は氷魔法を放ち援護した


「雪達磨」


幻影で大きな雪達磨を俺に重ねて姿を隠し


「雪合戦」


石の入った雪玉を次々に投げつけた

修行中に師匠に魔法の種類を増やしたいと言ったら 雪山に連れていかれて1日中 雪玉を作らされたのは辛かった


盗賊を縛り上げて女性4人を救出 食事を与え 価値のありそうなものを回収

真っ暗だったが ここから2時間程で街に着くそうなので 暗闇の中を進み街に戻る


街に着き ギルド職員に女性達と盗賊達を渡して 手続きは明日すると言って宿で休むことにした


何度も女性達に奴隷にして欲しいとお願いされて悶々としていたので 


 今夜はちゃちゃと一緒に遅くまで起きていた


……

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