第24話 お腹がチクリと痛い



森の中を進むと民家があった 床の絨毯を捲ると地下室への入り口があり 中には装備や美術品等があった

どう分けるか聞かれたので 俺達はボスの金を頂いたのでいらないと正直にこたえた

ここにあるものは 盗賊には すぐに売れないものらしい

別の街で盗賊登録されてない者が売るか 街の外で売るしかないそうだ


他の民家には盗賊に捕まり奴隷にされていた女性が11人もいた 街のギルドまで連れていくそうだ


連れて行くことは善意だけではなくお金が出る 身内がいて拐われたことが証明出来れば身内から奴隷の相場の5分の1が貰える 身内が支払いを拒否すれば奴隷として売られるので 2分の1が貰える

身内がいない場合も奴隷として売られるので2分の1が貰えるそうだ

かなり酷いルールに思えるけど……アリアに聞くと助けたのだからお金を受け取るのは当然だと言われた

それに身内がいない者が奴隷の首輪を外すだけの金が用意出来るはずがないと 外せないなら誰かの奴隷になってしまうのだからと


まあ ちゃちゃを無理矢理拐って自分の奴隷にした俺が文句等言えないよなぁ 更に亜人を手に入れようとしているんだよなぁ


身内がいない者や身内がいても支払いを拒否された者が欲しいなら 助けてた人ならギルドに連れて行き奴隷の相場の3分の1を払えば そのまま引き取ることが出来るそうだ



俺とちゃちゃは先に2人で街に戻ることにした

街まで数時間で着くのだが……

居心地が悪かったからだ


俺は奴隷にされた少女にお願いされたのだ

あなたの奴隷にして下さいと

少女はまだ12歳

可愛いが 可愛いのだが

この世界のルールでは良くても流石にだめだよね

獣族ならいいのかって 猫は1歳から出来るのだから問題ないよね 亜人は知らないけど

差別?  区別?  う~ん

人の奴隷は手に入れないと決めたんだ そうだ それでいい


彼女達もこのままでは知らない人に買われてしまうので必死でアピールしてきた 具体的にね

せめて12歳の少女だけでも買って欲しいとお願いされた

アリア達も反対せずに薦めてきた

この少女はまだ若いからって断ると 君のほうが年下だと言われた 

俺がアリアに小声で俺は転生者って知っているだろと言うと

人は誰でも転生する 君は前世の記憶があるだけで11歳だよと

俺が11歳ならアリアはいいのと聞くと 冒険者は大人だよって 何そのルール

魔物の多いこの世界では平均寿命が短いので 子供を作れる歳になれば大人として認められるのはわかるけど……


俺の旅は危険な旅なので連れて行くことが出来ないと言って 俺は逃げるようにその場を離れてしまったよ



入街税を払ってポワールの街に入った

すぐにギルドに行き 盗賊に襲われたことを話す

アイテムボックスに入れていた 盗賊の頭を出し 懸賞金の500万エンと装備の買取100万エンが貰えた

ついでに魔物の買取もお願いした


俺とちゃちゃはギルドのバーでアリア達の到着を待った

1時間くらいでアリア達はギルドに入ってきた

奴隷にされてしまった女性達は門で兵士に預かってもらってるそうだ 今からギルド職員が引き取りに行くのだろう

リリがキマイラを討伐したと言ってキマイラを出した

ギルド内は大騒ぎになり リリ達に拍手喝采


アリア達の手続きが終わり皆で宿に行き部屋をとった

宿代は俺が出すよっと言って

大きいベットがある部屋を7部屋頼んだ


皆で食事をして 後は部屋でのんびり過ごすことに

俺は1人づつお別れの挨拶をしに各部屋に行った

……

……

……

……

……

……




う~ まだ眠い 流石に疲れた

俺が目を覚ますとちゃちゃは真剣な顔で剣を振っていた

昨日 奴隷にされてしまった少女に 俺の旅は危険な旅なので連れて行けないと言ったのを聞いていたのかな ちゃちゃを置いていくはずがないのにな


俺はちゃちゃを抱きしめてキスをして

ずっと一緒だからな

と言って またキスをした


俺もちゃちゃと一緒に稽古をして 終わってから一緒に風呂に入った


宿を出る準備が出来たので受付に行くと アリア達が俺達を待っていた

昨日の夜 それぞれに お別れをしたのだが

挨拶をすると いきなりアリアにお腹をつねられた

また みんな 知ってたわよって言いながら



昨日の夜 アリアに一緒に旅に連れて行ってくれと頼まれた 俺は即答で断った

アリアのことは 好きだけど 連れて行けないと 危険な旅だからと


本音は違うけど……アリアは英雄の俺と旅をしたいのだろう 俺は英雄として旅をするつもりはない

英雄の役にたちたい 人々のために役にたちたいと思っているアリアを俺の旅には連れて行けないのだ


俺はそんな立派な人ではない 英雄の力を自分だけのために 自分がこの世界で楽しむためだけに使うと決めている 正義感なんて俺にはない


英雄の使命なら3人も英雄がいるので彼らがやってくれるだろう


俺は2人だけの秘密だよと言って 

毎日 俺がやっていたように稽古をするようにと言った

レベルが絶対視されているこの世界ではレベルを上げても レベルにみあった強い魔物と強制依頼等で戦わなくてはならない レベルを上げても安全にはならないのだと

それなら 筋トレや素振り等で体を鍛えたほうが同じレベルでも強くなれると教えた 

レベルが上がって強くなるのと比べたら わからないくらい微々たるものでも確実に強くなっていると


この話は秘密だが アリアの仲間達にも死んでほしくない なので秘密を守ってくれるなら仲間に教えてもいいよって言っておいた


もちろん 全員に旅に連れて行って欲しいと頼まれ そして アリアに話した内容と同じことを全員に話した


アリアは呆れた顔をしていたが 俺はアリアを引き寄せてキスをした


「元気でね 必ずまた会えるから無理はしないように」


アリアは顔を赤らめ こくりと頷いた


その後 俺は他の5人にもキスをして 同じセリフを言うと 再び アリアがお腹をつねってきた



俺達は宿でアリア達と別れて 隣の国 リベルテ王国の街 パタトの街を目指す

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