第19話 カヤハの森03
「おはよう ちゃちゃ」
目を覚ますとちゃちゃと目があった ちゃちゃは俺の腕枕で寝ていた ちゃちゃとキスをして起きると既に皆 起きていて野宿の後片付けをしていた
朝食を食べて東に進む 今日も俺達の出番はなく アリア達が魔物を全て倒していく 俺とちゃちゃは 4人が戦っている間は素振りをしていた 護衛に付いてくれていたリリがちゃちゃに剣の振り方を教えてくれた それ以降 ちゃちゃの護衛に付いた人は剣での戦いかたや魔物に対しての攻撃しかた 人に対しての攻撃のしかた等を教えてくれている
昼前くらいに前方にライオンみたいな魔物が……
「ライオンの魔物って珍しいですね」
俺がアリアに言うと アリアが目を細目ながら前方を見て
「ほんと 目がいいわよね よくあんな遠くまで 私はようやく姿が少し……え~と えっ キマイラ」
そう言ってアリアの顔が険しくなった キマイラって聞いたことがあるけど……あの伝説のキマイラ?
アリアが小声で
「皆 前方にキマイラが どうする」
レアが嬉しそうな顔をして
「戦ってみたいな まあ 無理そうなら逃げればいいし」
メリナがはぁとため息をついて
「言うと思いましたわ たぶん勝てないですよ アリア どうする」
アリアは覚悟を決めた顔になり
「やってみましょ 私達なら」
皆が頷き メリナが俺に
「私達は6人で戦うから 他の魔物が出たら 私達に聞こえるように叫ぶか 炎の魔法で合図してね 戦場が移動するかも知れないから 一定の距離を保つのよ」
そう言って前に進んだ リリが俺の横にきて小声で
「勝てないんだけどね 私は逃げるのが得意だから安心して見ていていいよ 私が皆を逃がすからね」
真剣な顔でいい 更に小さな声で「それとも倒してくれる」と笑いながら言って前に進んでいった
6人でキマイラを囲むように移動している
攻撃はレアの槍の突きから始まった 他の5人は刀を……リリは何かを投げてキマイラを挑発しているのか キマイラがリリの方を向いた時 他の5人が一斉に攻撃を始めた しかしキマイラがその攻撃を素早くかわしている 見た感じでは ほとんど当たっていない リリを狙っていたキマイラがいきなり アリアとナタリのほうに振り返り口から炎をはいた アリアとナタリは避けることが出来ずに まともに食らってしまったようだ
う~ん 人前で戦いたくないけど……アリア達の可愛い顔に傷が残るほうが嫌だな……仕方ないよね
俺は離れた この場所から投石紐を使って石を放つ 念のために幻影の指輪を使って 幻影で作った半径1メートルくらいの光の玉を纏い 石を投げている動きを見えないようにした 次々に石を放ちアリア達の援護をする アリアとナタリは後ろに下がりポーションを使っていた キマイラは俺の投石を警戒しながらも アリア達の攻撃のほとんどをかわしている
「撤退」
アリアが大きな声で叫び 6人がこちらに走ってくる リリが遅れている……いや 殿なのか リリが一番素早いし
俺は投石をして退却を援護する
仕方ない ここはアリア達にちゃちゃを守って貰って 俺が倒すしかないよな なるべく離れた場所まで誘導すれば大丈夫だろう
アリア達が近付いて来たので 魔法を止めた
「逃げますよ~」
リリが俺の手を引っ張って笑いながら言ってきた
えっ 倒さないの 東に進むためには……それに経験値もお金も多そうなのに
「倒さないんですか」
俺が走りながら聞くと レアが
「あれはA級のキマイラだ それも指名手配魔物だ 私達では無理だった」
残念そうな顔で言ってきた
念のために2時間くらい西に戻り今日は早めに休むことになった 休むと言っても まだお昼 遅めの昼食をとり 俺とちゃちゃは稽古を始めた
皆 興味深そうに見ていたが リリだけは一緒に稽古にまざってきた ちゃちゃと剣の素振り そして木の剣でチャンバラをしていた
夕食を食べて 会話を楽しむ アリア達の冒険の話は面白くて聞き入ってしまった
テントに入るとレアが隣においでと言ってくれたので喜んで隣にで寝ることにしたが……スペースはかなり空いているのにレアが密着してきた……え~と どういう状況だ いいのか……いいんだよな レアの方を見ると目が合い レアがにっこりと微笑んだ 俺はレアの背中に手を回してキスをした しばらく抱きしめあい……
いきなりレアが立ち上がる
えっ どうした 何かダメだったのか……
考えていたら 俺はレアに手を引かれ外に テントから離れた場所まで行き キスをしてきた
レアの身長はそれほど高くないが それでも俺より20㎝くらい高い レアの胸に埋もれるには丁度いい高さ 鎧を脱いだレアは細くて 背中に手を回すことが出来た
2時間くらいして2人でテントに戻ろうとした時 木の陰に隠れていたエイリーと目が合った
覗きかぁ レアは見なかったことにしてテントに入って行った……
う~ん よし
俺はエイリーの手を引いてテントを離れた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます