第20話 カヤハの森04


朝食を食べた後 東に行けないので どうするのか話し合われた

俺が倒すと言うと スルー

キマイラは森の南のエリアを縄張りにしているので しばらくすればいなくまるのでは と意見が纏まった 俺がそれならダンジョンに行ってみたいと言うと 連れて行ってもらえることになった


ここからダンジョンまでは西に1日の距離だそうだ

移動中にアリアがダンジョンについて教えてくれた


ダンジョンとは地下に広がる迷宮で誰が作ったのか解っていないそうだ


5階毎に出てくる魔物の種類は1種類だけで 下に行くほど強い魔物が出てくるそうだ


10階毎に脱出の魔法陣があり 1階には下の階まで転移出来る魔法陣があるそうだ 

進んだ先の階で石でも何でもいいので その階の物を持っていると その階に1階の魔法陣から転移して行くことが出来るそうだ

アリアが箱を取り出し見せてくれた 箱の中は仕切られていて 番号が書かれていた そこに小さな石が入っている 行きたい階の石を取り出し1階の魔法陣に乗ればいい 皆で転移する場合は手を握る等 体に触れていれば一緒に転移出来るそうだ


各階の階段の前にはボス部屋があり ボス部屋の中央に宝箱がある ボスを倒すと2~30日後に復活し 宝箱は1ヶ月~数年で復活するので 人の多く入っているダンジョンでは宝が無いことが多いらしい 1階を進むには約1日かかる 各階のボスが復活するのは最低でも2日後なので ボスを倒し ボス部屋で野宿するのがいいそうだ ボスと言っても その階にいる魔物で数が多いだけ しかし10階毎にある脱出の魔法陣の前のボスだけは違う種類の魔物が出るので注意してと教えてくれた


これから行くダンジョンは人気がないので宝箱が期待出来ると教えてくれた 

なぜ 人気がないのか聞くと

1つ目は単純に街から遠く 1番近いエカリテの街からでも5日かかるので不便だからだそうだ

2つ目は群れの魔物ばかり出るからだそうだ 魔物退治の基本は1匹を6人で倒す 群れで行動する魔物の場合は実力差がないと厳しいのだ 

そしてダンジョンにはモンスターハウスと呼ばれる20~100匹の魔物がいる大きな部屋があり 群れの魔物だと逃げるのが難しいそうだ

魔物が沢山いる部屋には入らなければいいんじゃ って聞くと

ダンジョンは歩いて進むだけじゃなくて転移しないと進めない時があるそうだ 転移は一方通行で戻ることが出来ない 転移先がモンスターハウスの部屋のまん中ということがあるそうだ

なので転移の魔法陣があれば 進むのか引き返すのか慎重に見極めるようにと強く言われた


たとえば13階を進んでいて転移の魔法陣があるとするでしょ

その時は20階のボスを確実に倒す自信が無ければ 10階の魔法陣でダンジョンを出るのよ

転移の魔法陣で進めば上の階に引き返すことが出来ないんだからね 大事なことらしくアリアは真剣に教えてくれた



今日はダンジョンの入り口の近くで野宿して明日の朝からダンジョンに入る 皆が寝た後で ちゃちゃと一緒に外で2時間ほど2人の時間を過ごした






テントに戻ろうとすると今日もエイリーが覗いていた 仕方ないので ちゃちゃに先に戻って寝るように言った……




朝食を食べて何階に転移するのか話し合われた

俺とちゃちゃのレベルを考えて6階のE級の猿の魔物がいる階がいいんじゃないと言われたので俺は強いのでアリア達が進んでいる階がいいと言ったが呆れられた顔をされた 


アリア達は28階まで進んでいて スケルトンという厄介な魔物が出るそうだ 剣を使うやつ 魔法を使うやつ等がいてしかも群れで襲ってくるそうだ


レアとエイリーとリリが俺の意見に賛成してくれたがアリアが頑なに拒否してきた

俺の強さをわかってもらうために 勝負だって言ったらアリアは呆れながらも受けてくれた

勝負は腕相撲をすることになった


「アリア 負けたほうが勝ったほうの言うことを聞くということでいいんだね」


「いいよ 私に勝ったら 28階に連れて行ってあげるよ」


レベルが上がれば力も上がる 俺に負けるはずがないと思っていたらしいが……結果はもちろん俺が勝った


「そんな でも本当に危険なのよ」


「約束したよね 負けたほうは勝ったほうの言うことを聞くって」


「でも」


「じゃあ 言うよ 今日の夜はアリアと2人でね」


「えっ 何を 28階に行くのかをかけてたんだよね」


「違うよ 負けたほうは勝ったほうの言うことを聞くと賭けたんだよ 皆も聞いてたよね」


全員から呆れた顔をされたけど アリアが可愛いから仕方ないのだ



俺達は1階の魔法陣から6階に転移した ダンジョンの中が明るいので理由を聞くと ダンジョンだからって

何それ この世界の常識なのか…… まあ 暗闇の中を松明を持って進まなくていいのは助かるけど どんな仕組みなんだ


猿の魔物が出たので ちゃちゃに鉄の剣を渡し戦っていいよ と言うと喜んで向かって行った すぐ後ろにレアが槍を構えて付いてくれているので問題ないだろう

ちゃちゃは問題なくサクサクと倒して行った 初めての戦闘なのでちょっとだけ心配してたけど 2階級 下の魔物なので楽勝だった

E級のちゃちゃがE級の猿の魔物を それも複数と戦い あっさりと倒したので 皆 何かを言いたそうな顔で俺を見てきた

仕方ないので教えてあげた ちゃちゃが可愛いからだと

そんなはずないでしょ と言って呆れた顔をしていた

アリアが何で君は戦わないのって聞いてきたので 俺は強いからって言ったら はぁ~とため息をつき また呆れた顔をされた

俺が戦えば ちゃちゃの貰える経験値が減るし 実戦の稽古にならないからね

ちゃちゃには常に誰か付いてくれている ちゃちゃは素早いリリの戦いかたに興味をもったのか真似したり そして教えてもらったりしていた

ちゃちゃの言葉は通じないが リリは丁寧に教えてくれているようだ まるで妹に教えている姉のように……微笑ましい……何よりも2人とも可愛い


ダンジョンは明るさが変わらなかった

夕方くらいに俺達はボス部屋にたどり着くことが出来た

部屋の中には猿の魔物が20匹いて 部屋のまん中には宝箱があった

ちゃちゃが走って猿の魔物に向かって行き サクサクと倒して行った リリのように魔物の左に走り横切りで斬り付け 止まらずに走り回っている 全て1人で倒し俺のところに来たので 頑張ったねと言って ちゃちゃの頭を撫でた ちゃちゃは嬉しそうな顔をして抱きついてきた

ちゃちゃを抱っこして 部屋のまん中にある宝箱のところに行き 宝箱を開けると中には1本の剣が……鑑定するとF級の剣となっていたけど 見た目はシンプルな剣だが……

アリアに聞くとダンジョンだけで手に入れることの出来る ランク付きの武器だそうだ F級の剣は銅の剣と同じくらいの攻撃力で E級だと青銅の剣 D級だと鉄の剣 C級だと鋼の剣 B級だとミスリルの剣くらいの攻撃力があるそうだ

ということは外れってアリアに聞くと それはわからないよって言われた

ランク付きの剣は ランクを上げられることが出来るかもしれないと教えてくれた

専門の上級の職人は鑑定でどのランクまで上げられるのかわかる

まったくランクが上がらない物やS級まで上げられる物があるそうだ

ランクを上げるには専門の職人がエンのエネルギーを使うそうだ 上位のランクに上げるには腕のいいベテランの専門の職人にしか上げることが出来ないらしい そして上位のランクに上げるには大量のエンのエネルギーが必要になるそうだ


今日はこのボス部屋で休むことにした



「アリア 約束覚えているよね」


「えっ でも あっ」


俺はアリアの手を引いてその場から離れた

俺がアリアを抱き締めると受け入れてくれた

そしてキスをした……





「ねぇ 君って その……英雄なの?」


「そうだよ 気づいてたんだ でも2人だけの秘密だよ」


「うん やっぱりそうだったんだね たった2人で普通の人が危険な森の奥までたどり着けるはずないもんね キマイラを倒しに来たんでしょ 噂の4番目の英雄か 5番目の英雄が君なの?」


「何それ 4番目の英雄? 5番目の英雄?って」


「噂だけどね 4番目の英雄は魔法で空を飛んだり 竜の魔法を使えるそうよ 5番目の英雄は強い仲間と共にA級の指名手配魔物のひひの魔物を倒したらしいけど 調子にのって 1人で獣族狩りに参加して死亡したって噂」


「へぇ~ 死んじゃたんだ」


「君は戦闘経験のないちゃちゃちゃんを連れているので5番目の英雄でしょ もしくは4番目の英雄も君かな?」


「どうして」


「4番目の英雄は魔法使いで高級な紺色のローブとマントって噂だからね」


うわぁ~たまには違う色に変えないとダメかぁ~ デザインも変える必要があるかな……


「なるほどね 2人だけの秘密だよ」


「もちろんよ 誰にも言わないよ」


2人だけの秘密……いい響きだね レアとエイリーにも英雄だってバレてたから同じことを言ったけどね


アリアとまたキスをして……


更に2時間くらい 一緒に過ごした

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