第10話 猫耳?



朝の日課の稽古を終えて 進む方角を決めるためにゴランダの羅針盤でマーラの街を確認すると北東の方を向いていた かなり寄り道をしたけど……何日くらい掛かるのかなぁ う~ん どうしよう 既に魔物から出たエンだけでも千2百エン万以上手に入ったし 魔物を売って 更に討伐報酬も貰える お金に困ることないか…… 最短ルートで……う~ん


悩んだ結果 結局 俺は羅針盤が指す方向に真っ直ぐ最短ルートで進むことにした


魔物を見つければ倒しているが……羅針盤の指す方向に真っ直ぐに進んでいるが…… あれから8日目 まだ森も抜けられない 今日も1人寂しく森の中を進んでいる 特に何もなく進み 10日目の夕方にようやく森を抜けることが出来た かなりキツかった 余裕で倒せる魔物ばかりだったけど 寝ている時にいつ魔物に襲われるか分からないので不安でいっぱいだった それ以上に寂しかった 森を出て3日進んだ時 ようやく人に会えた 畑を耕していたおじいさんとおばさんだったけど……何となく嬉しかった マーラの街を聞くと ここからだと2日くらい掛かるそうだ ちょうど休憩していたようなので俺がアイテムボックスから出したサンドイッチとミカンの果汁を3人で食べた 何となく心がほっこりした 早く仲間が欲しい 家なら1人でもいいが森の中で1人は寂しすぎた おじいさんとおばさんと1時間くらい話して マーラの街の方に進んだ もっと話していたかったが仕事の邪魔をするのも悪いだろう 家に泊まってもいいと言ってくれたけど さすがに遠慮した


おじいさんとおばさんが言ってた通り2日目に街が見えてきた 入街税を払って街の情報を聞いてからマーラの街に入った この街は獣族狩りに来ている冒険者と魔物退治に来ている冒険者 そして国境を守る兵士がいるだけの街で住民は少く 働いている人のほとんどがギルドの従業員だそうだ 元々西側のゴランダの森と国境の先から出てくる魔物退治を目的として作られた街で 魔物が多く危険なため 冒険者ギルドが国からの援助を受けて街のほとんどの運営を任されている


街の中はガラの悪そうな人が多かった 獣族狩りに来ている冒険者なんだろう 獣族狩りは死亡率が高いが一攫千金目当ての冒険者がこの街に集まっているようだ この街はギルドが指定した魔物をある程度 討伐して持ち込めば宿代も食事も無料になる 冒険者を街の防衛のために集めているのだろう


俺は目的の獣族狩りについて聞くためにギルドに向かった ギルドのおじさんに話を聞くと 3日後に出発するそうだ 参加人数に上限はなく 既に100人以上の参加者がいる この街の国境の先には猫族が住んでいて 100人前後の村が無数に存在するそうだ 俺も参加登録をして貰った


ついでに魔物の買取りをお願いした 物凄い数で狒狒の魔物まで出したので驚いていたが 俺の高級そうな紺色のローブとマント レベル21だと分かると なるほど と勝手に納得していた やはり強い護衛が倒したのだろうと思っているようだ


俺のアイテムボックスに沢山入ることが分かったギルドのおじさんが獣族狩りに参加するなら荷物を預かって欲しいと頼まれた その代わりに夜営の時の見張り番も 魔物が出た時の戦闘も参加しなくていいという好条件だったので すぐに受けた


鉄の槍20本 鉄の鎧2個 鉄の盾5個 鉄の兜5個 鋼の槍20本 鋼の鎧2個 鋼の盾5個 鋼の兜5個 5人用のテント3つ 3人用のテント5つ 食料1500食 B級ポーション5個 C級ポーション5個 D級ポーション5個 C級魔力ポーション2個


俺の役割は荷物運び もちろん獣族が出れば捕まえていい 荷物運びはあくまでも 夜営の見張りの番や魔物退治の代わりだ


夜営をする際にテントと鉄の槍10本と鋼の槍10本を出して寝ていればいいそうだ 他のアイテムや装備は予備なので指示があるまで出さなくていい 俺が預かっている荷物の権利はB級の冒険者ジュールにあるので 使用で揉めた時はジュールに従えばいいそうだ


俺は討伐依頼のある魔物を持ち込んだので宿代は無料に それも沢山持ち込んだので この街で2番目にいいランクの宿で この街にいる間はずっと泊まることが出来 食事も宿のランクと同じで豪華だそうだ


宿の中に入ると受付の子が……


「猫耳 しかも か 可愛い」


更に綺麗な緑色の髪と瞳 エメラルドグリーンって言うのかな 神秘的だ


「にゃ はじめましてにゃあ」


キタッ~ ついに 異世界に来て良かった~


「にゃんにゃん言葉まで 好きです」


「臭いにゃ すぐに風呂にはいるにゃあ」


そう言えば そうだよな


「今すぐに では御一緒に」


「ダメにゃあ 1人でいくにゃあ」


俺はすぐに風呂場に向かうが……あれっ そう言えば……猫耳とは別に普通に耳が付いていたような……まあいい風呂だ


風呂から上がりウキウキしながら受付に行く


女の子を鑑定すると アリーチャ 23歳 レベル32


可愛いだけじゃなく強いのかな


「お風呂から上がりました」


「よろしいにゃあ 食事にゃあ それとも わたしにゃあ」


「わたしでお願いします」


「わたしでいいにゃあ」


「はい もちろんです」


「にゃはは 食事はしっかり食べないとダメにゃあ わ た し は あとにゃあ」


「はい 今すぐに食べて来ます ご一緒には」


「いいにゃあ 部屋に持っていくにゃあ」


神様 魅力値を上げてくれてありがとうございます いつもお祈りしなくてスミマセン 


猫耳の子をついに 異世界に転生出来て良かった~


すぐにアリーチャが部屋まで料理を運んできた


「おじゃまするにゃあ」


アリーチャが料理を置いた瞬間 俺はアリーチャを抱き締めてしまった


「おおっ 手がはやくないかぁ」


あれっ 言葉が……言葉なんて関係ない


「アリーチャが可愛くて 思わず」


「ふっふっふっ いいよ」


「耳を触ってもいいですか」


「やさしくね」


「はいっ」


はじめての猫耳……猫耳……猫耳?


「あれっ」


「あまり触ると壊れるよ」


あれっ 壊れるって


「この耳は」


「もちろん カチューシャだよ」


「えっ 猫の亜人じゃ」


「ふっふっふっ 猫が喋れるはずないでしょ からかわないの そうね 猫人にゃん」


どういうことだ これはプレイなのか 猫族って言葉が……あれっ


「にゃあ わたしじゃダメにゃ」



それを聞いた瞬間 俺はアリーチャを抱き締め押し倒していた

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