第9話 イベント01クリア



朝 目を覚ますとソフィアが俺を見て微笑んでいた


「おはよう 眠れた」


「はい」


「じゃあ 朝食にしようか 俺は食後に日課の稽古を1時間くらいするから その間はゆっくりしててね」



俺達は今日も西に進む


「そう言えば ソフィアは奴隷の首輪をされてたけど 奴隷にはならなかったの」


「奴隷の首輪は付けてから24時間後に効果が出ます 私は付けられたばかりだったので」


「へぇ~ じゃあ この奴隷の首輪はまだ使えるの」


「使えると思いますよ 付けて24時間経った奴隷の首輪は奴隷の体の一部になるみたいです 普通では外すことが出来ないですよ」


「普通では?普通じゃない外し方があるの?」


「2つあります 1つは奴隷が死亡した時 もう1つは神の泉に24時間浸かると外れるそうですよ 1度発動した奴隷の首輪は外しても使えないそうですが」


「神の泉? 神の泉って」


「神山にある泉のことです この国にはありませんが7ヵ所にあるそうですよ」


「へぇ~ そうなんだ ありがとう ソフィアは何でも知ってるね」


「いえ 神の泉は誰でも知ってる話なんですよ」


「そうなんだ」


「ふっふっふっ」


「英雄じゃないからね」


「はい わかってますよ」



魔物が一切出てこないので順調に進むことができた



次の日も魔物が出てこなかったが


「大丈夫?」


「はい 大丈夫です」


大丈夫には見えない ソフィアはお金持ちのお嬢様育ちみたいだし 森の中を歩き続けているので足が限界のように見える こういう時のためにポーションを買っておかないとダメか 次の街で忘れずに買わないとなぁ 今は


「ほらぁ」


「えっ 大丈夫です がんばります」


俺はソフィアをお姫様抱っこした


「いいから それとも おんぶがいい」


「えっ でも」


「じゃあ このままで」


うむ ソフィア君は夜のために体力を温存してくれたまえ



次の日もオークが2匹出ただけで問題なく進めた



その次の日 朝からオークが8匹 スライムが3匹出てきた 狒狒の魔物の支配していたエリアを抜けたのか…… もうすぐ昼食にしようかと思っていたら森が途切れた 森を出て ゴランダの羅針盤でエリフルの街を確認すると南を指していた 南にしばらく進むと


「もう 大丈夫です 自分で歩けます この景色は見覚えがあるので街まですぐだと思います」


「無理しなくていいよ」


「いえ ずっと おぶっていただいていたので」


俺の幸せな背中が……


「無理しないでね 無理そうなら言ってね」


「はい」


背中の感触を諦め 手を繋いで進む


日が沈みかけたころ 街が見えてきた


ソフィアは涙を流していたが その顔は笑顔だった


街の門に近づくと3人の兵士達がこちらに走ってきた


「ソフィア様 御無事で そちらのお子様は」


「こちらの冒険者様に助けて頂きました 丁重にもてなすように」


「はっ リアム伯爵もこちらに向かっていると思います」


「そう お父様が」


「じゃあ 俺はこれで」


「えっ お礼をさせてください」


「いらないよ そうだ 今度 エリフルの街に来たときにでも 街を案内してくれればいいよ じゃあね」


「えっ あっ ありがとうございました」


俺は手を振りながら北へ進んだ


食事だけでもご馳走になっても良かったけど……なんだか物凄く金持ちぽいので面倒くさいことに巻き込まれそうだ ここはさっさと離れたほうがいいだろう 俺は誰も入って来そうもない狒狒の支配していたエリアで野宿することにした


……何だかとても寂しい 昨日までしあわせな夜だったのに……はぁ~ 仲間が欲しい 可愛い仲間が 何としても猫耳の仲間を手に入れなければ


俺は新に誓い 寂しく眠りについた

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