第8話 王道イベント
2日目
朝の稽古をしてから朝食を食べ 北に進む
この森に出てくる魔物程度なら余裕かな
今日倒した魔物は大狼1匹 狼13匹 大猿5匹 猿28匹 オーク11匹 スライム2匹 大蜘蛛1匹
3日目 大狼5匹 狼62匹 大猿24匹 猿1匹 オーク2匹 大蟷螂1匹
4日目 大狼1匹 狼28匹 大猿29匹 猿31匹 スライム4匹
5日目 大狼32匹 狼3匹 大猿37匹 猿5匹 蝙蝠23匹 スライム1匹
6日目 大狼5匹 狼21匹
……
昼食を食べて進んでいると 前方に蟻の魔物が見えた う~ん どうしよう 蟻は近くに巣があると面倒くさいって ギルドのおじさんが言ってたけど……師匠からも蜂や蟻の魔物は面倒なのでなるべく関わるなって言われてるんだよな~ 逃げるのもな~ それに興味がある 結局 俺は好奇心に負けて離れた場所から投石紐を使って石を放って倒してみた
すると 何匹 いや 何十匹もの蟻の魔物が集まってきた 倒れた蟻の魔物の周りをうろちょろしながら何かを たぶん俺を探している 俺は離れた場所の木の陰から隠れて様子を見ることにした しばらくすると蟻の魔物の死体と共に蟻の魔物がいなくなっていった う~ん 死体はなくても あそこには500エン落ちていると思うけど……奮発して500エンも蟻の魔物に上げよう 俺は蟻の魔物に見つからないように迂回して進むことにした しかし進んでいるとまた蟻の魔物が……面倒くさいなぁ~ よし 俺は走って蟻の魔物のエリアを抜けることにした
日が落ちるまで走ったがまだ蟻のエリアを抜けられないでいた 夜の暗闇の中を走るのも面倒なので今日は木の上で寝ることにする 木の下 木の真ん中辺りに鈴付きの紐を付けて 俺はハンモックで眠りについた
7日目 今日も蟻の魔物のエリアを抜けるために走って北に進んだ 大猿や大蟷螂等の魔物を見つけたが無視して北へ走った 休みながら夜まで走ったが……まだ蟻のエリアを抜けることが出来なかった
8日目 今日も朝から走っているが蟻の魔物を見かけなくなってきた 昼食を食べてどうするのか考えてみたが とにかく走ることにした 師匠の修行の時もよく1日中走らされていたので 休みながら走れば問題ないのだ
9日目 昨日の昼前から蟻の魔物を見かけてないので歩いて北に進むことにした 大狼8匹 オーク3匹を倒し 進んでいると……あれは 前方に人影?が……魔物ではないと思うが……もしかすると 獣族? 俺は気付かれないように ゆっくりと隠れながら近付く そこには小屋があり 人が何人かいるようだ 人の話し声が聞こえてくるので人に間違いないようだ しかし 話の内容がどうもあやしいが……こっそり小屋の中を覗くと縛られている金髪の女性が……どう見ても仲間ではないが……誘拐なのかな?もしかして男達は盗賊なのかな?……盗賊と冒険者ってどうやって見分けるのか……う~ん 見分けかたを習っていないぞ
男達を鑑定してみたが……名前 年齢 レベルだけ……盗賊ですって出てくれたらいいのに……縛られている女性が悪者の可能性は……どうしよう……
俺は男達が離れた隙に もう一度近付き女性の顔を……胸を見ると……金髪で可愛くて巨乳
これは助けないと 間違っていても問題ない 可愛い女の子を助けるのは 異世界の冒険のメインイベントなのだから
俺は小屋の中に入り女の子を抱えて走って北に逃げた 後ろを見るがまだ追っ手はいない
よし 今日も走る とにかく走る
俺は女の子を抱えたまま3時間も走った ここまでくれば
女の子を降ろすと 女の子は戸惑っているようだ 俺は女の子の猿轡を外し 首に巻かれていた首輪を外した
「あ あなたは誰ですか お父様から頼まれて助けにきてくれたの?」
やっぱり誘拐だったか よかった
「俺は通がかりの冒険者だよ 助けてよかったんだよね」
女の子はキョトンした表情になった
「えっ うん うん ありがとう 必ずお父様からお礼をしてもらうわ だから お願い私を家まで連れて帰って お願いします」
お父様って お金持ちなのかな?
「え~と 俺は今マーラの街に向かっているんだけど 近くかな?」
「マーラの街とは方向が違う 私はエリフスの街に住んでるの」
え~と 聞いたことあるようなないような……
「エ エリフスってどこ? 聞いたことが……そうか」
俺はゴランダの羅針盤でエリフスの街の方角を見てみた
「ここから 真っ直ぐに西に向かえば着くみたいだね」
「お願い 送って お礼は何でもするから ねっ お願いします 見捨てないで」
可愛い女の子を見捨てることはないけど……さて
「どうして拐われたの?拐ったのは盗賊に間違いないの?俺は盗賊なのか見分ける方法がわからないんだよ」
「私を拐ったのは盗賊よ 間違えるはずなんてないわ 私はお兄様に狩りに連れてきてもらったの お兄様は……」
女の子は悲しそうな顔をして目に涙を溜めている 必死に泣くのを我慢している
「無理に話さなくていいよ 安心して こう見えても俺は強いからね でも敵と味方がわからないけどね」
「鑑定魔法を使えないの?魔力がなくても誰でも出来るのに?」
「えっ 鑑定魔法って 名前 歳 レベルだけじゃ」
「本当に知らないのね 鑑定魔法を同じ人に連続して使えば特殊履歴が見えるのよ」
「特殊履歴って」
「あっ そうね 普通の人は何もないんだけど 犯罪を犯した人でギルドや国の兵士に登録された人は犯罪履歴が残るの それと奴隷の持ち主と奴隷も特殊履歴に表示されるのよ」
「そうなんだ ありがとう でも それだと犯罪がバレていない人は表示されないんだね」
「そうだけど」
う~ん なるべく人とは戦いたくない 盗賊じゃなくて冒険者でしたとか嫌だし この子は可愛くて巨乳で お金持ち 俺が盗賊なら逃がさない 待ち伏せ……
「このまま 西に進むと待ち伏せされているかも知れないから 北に迂回して進むけどいい」
「助けてくれるなら あなたの指示に従います お願いします お礼は必ず」
「お礼なんていらないよ 可愛い女の子を助けるのは義務だからね」
女の子を鑑定すると ソフィア 17歳 レベル1
俺達は手を繋いで西北西の方角に進んでいく
「ねぇ お昼休憩にするけど 何か食べたいものはある?」
「えっ 食べ物があるの?飲み物は?」
「ごめん 喉が乾いてたの 水がいい それとも果汁かな?ミードとかかな」
「リンゴとかあるの?」
「リンゴね はい どうぞ 食べ物は何がいい」
「パンとかあるの?」
「じゃあ サンドイッチでいいよね」
「うん ありがとう」
「食事はしっかりと取らないと かなり歩くからね 喉が渇いたらすぐに言って 沢山あるからね」
昼食を食べて進んでいると……
「ソフィア 黙ったまま 止まって じっとしててね」
前方に大猿を複数いたのだ どうしよう 守りながらかぁ~ そうだ よし
「ここに黙って入っててね」
「うん」
ソフィアが鉄で出来た犬小屋みたいなテントに入った後で 岩をアイテムボックスから沢山取り出し埋めた 小さな隙間が沢山あるので窒息することはない 俺が負けたら……ごめん
よし 行くか
ここに来られると不味いので 移動してから投石紐で攻撃を開始した 6匹目を倒した時 こちらの場所がバレて向かってきた いつものように幻影の指輪で幻影の分身を5体作り出して 俺は幻影の炎に紛れ杖と投石紐を使って次々に倒していった かなり倒したのに……まだ数が多い 何匹の群れなんだよ まったく んっ あれは 大猿よりも一回り大きいような 鑑定して見ると 狒狒という魔物 まあ あまり変わらない 先手必勝 投石紐を使って石を放った 更にもう1回 2発命中したが倒れない 俺の場所がわかったのか こちらに向かってくるが まだ距離がある 俺はもう一度投石紐を使って石を放ったが……まだ倒れない 仕方ないので幻影の大きな炎を上空に向かって放ち それに紛れて狒狒の魔物の真上にジャンプして 上空から狒狒の魔物に向かって幻影炎の龍を放ち 同時に巨大な岩を落とした 命中して潰れたと思ったが巨大な岩が動き狒狒の魔物が出てきた
うわぁ~ しぶといねぇ~
俺は石をアイテムボックスから取り出し狒狒に向かって次々に投げつける が倒れずに向かってくる 幻影の炎の中にいるので見えないはずなのに 頭がいいのか……仕方ない 大きな岩を投げて避けた時 おもいっきり朱殷の杖で殴り付けた しかし次の瞬間 俺は狒狒の魔物に殴られ飛ばされてしまった
「ぐっ 舐めやがって 猿の分際で」
俺に追撃しようと向かってくる狒狒の魔物にアイテムボックスから取り出した鉄球を投げつけた かなり効いたのか狒狒の魔物がよろける よし 俺は更に鉄球を取り出し投げつけた 更に 更に 更に
20発目の鉄球を投げようとしたが 狒狒の魔物は倒れてお金が出てきた 残りの大猿達は狒狒の魔物が倒れると一斉に逃げていった
うわぁ 久しぶりにダメージを食らったよ すぐに回復したけど もったいない
俺はどんなに小さなダメージを受けても自動に回復する のだが……もっと安いポーションにしてくれていたら……一瞬で回復するから痛みを我慢すれば ダメージを受けていないように見えるけど……
師匠のオリジナルの指輪 自動回復の指輪 B級ポーションを100個収納出来 少しでもダメージを受けると自動に使ってくれる指輪 1度指輪に収納すると取り出し出来ない
B級ポーションとは傷や体力を回復してくれる上級ポーション 価格は1つ50万エン
師匠からは常に100個のB級ポーションを入れて置くようにとキツく言われている
傷が一瞬で治り 俺のローブとマントは幻影で作り出しているので 汚れることも もちろん破れたりすることはない 攻撃を食らっても痛みを我慢して声に出さなければ無敵に見えるのだ 吹き飛ばされたりは仕方ないが……俺を無敵風にするために師匠が作り出した3つの指輪なのだ
狒狒の魔物に近付きお金を回収って えっ 1匹で……1匹で1千万エンって 強い魔物だと思ったけど……まあ こんなに貰えるなら50万エンのポーションの使用は痛くなかったか……狒狒の魔物1匹 大猿74匹を収納してソフィアのところに移動した 鉄のテントを埋めていた岩を持ち上げ収納していく
「もう声出していいですか」
「いいよ 出るのはもう少し待ってね」
「はい」
全ての岩を収納した
「ソフィア もう出てきていいよ」
「はい 何かあったのですか」
「うん ちょっと この先に 狒狒って猿の魔物がいたからね ちょちょっとね」
「えっ ひひって」
「どうかした」
「もしかして あなたは 英雄様ですか 噂の英雄様達の年齢も11歳だとか」
「えっ 違うけど いきなり どうして」
「ひひの魔物はA級の魔物です 街の北東に昔から住んでいて 絶対に誰も近付かない ひひの魔物の住むエリアには……たぶん ここが」
「えっ A級だったのか う~ん それじゃあ 俺の見間違いってことだね きっと大猿だったんだよ 大猿が沢山いたから 混乱していたのかな」
「大猿はD級の魔物ですよ あなたのレベルは19です 普通は1匹でも無理ですよ」
「え~と」
「ふっふっふっ 大丈夫ですよ 私は英雄様の秘密は絶対にバラシません」
「う~ん とりあえず 秘密で」
「はい ちなみに 勇者様ですか 賢者様?それとも聖騎士様ですか?」
「どれだと思う」
「見た目は賢者様見たいですが 私を抱えたまま ずっと走ってくれていたので勇者様では?」
「外れ 俺はバーサク王だよ」
「えっ バーサク王ですか?」
「聞いたことがなかったかい」
「はい」
「まあ 秘密だから これからも知られることはないと思うよ ソフィアと俺だけの秘密だよ」
「はい 必ず 秘密は守ります」
うん 秘密で結ばれた二人は…… 悪くないな
西に進んで行くが魔物が一切出てこない
ソフィアの予想では 人も魔物も狒狒の魔物がいたからこのエリアには入ってこないのだろうと
それなら今日は安心して……
日が沈んだので夕食にした 食事が終わってからアイテムボックスからベットを1つ出した
「1つしかないから一緒でいいよね」
「えっ 私は木に寄りかかって寝ます」
「ダメだよ 危ないから おいで」
「えっ はぃ」
夜の静かな森で 少女の声が……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます