第6話
この街は空気が汚い。
決してあの町の空気がきれいだったというわけではないが、人工物質の汚れと土埃の汚れではどっちがよいものだろう。
ぼくはまだ、この街で天の川を確認していない。
あの町は昼に雨が降って夜に晴れたような日は、空から落っこちてくるのではないかと言うくらい天球に張り付いた星を眺めることができたのに、この街はいつもと同じ天を支えるに留まっていた。
何故同じ星の上に立っているのにこうも違うのだろう。
友人たちにとっての理想郷はぼくにはいらない場所だった。
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