第9話 小山町竹之下へ

高校入試の年齢となった。

私は沼津市にある進学校と、三島市にある大学付属高校を受験すると決めた。

ところが願書提出1週間前になり、悩み抜いて決めたはずのものを白紙に戻すことになった。


私は小学生高学年~中学生の時には、陸上競技をやっていて、その辺りではちょっとばかり名が知られている記録保持者だった。


放送で呼ばれ、職員室へ向かった。

職員室に入るなり「お茶を校長室にいるお客さんに持っていってね。」と、小さな丸いお盆を渡された。


コンコン・・・


ノックをして校長室に入ると、面長で眼鏡をかけた背の高い、知らないおじさんが座っていた。

校長先生が紹介してくれた。

高体連の会長だと言う。

新設校ができるから、推薦入学はないけど来てほしい。という有難いお話だった。


その話を持ち帰り、母に話した。

呆気なく、御殿場市の山を越えた向こうにある高校に願書提出が決まった。


そして、入試。合格。

その高校は、古墳の上に建てられていた。歴史のある場所での工事だったからなのか、進み具合が悪く、入学式ギリギリに学校が完成した。

私は歴史が苦手だったので、当時はそのようなことは全く気にしなかった。



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