第4話 新しい地へ
昔首塚だったその真上に、自分たちが住んでいる。そんなことがあるのか・・と愕然とした静子だったが、嘆いてばかりもいられない。
松雄が仕事から帰宅すると、すぐさま地主に借りてきた地図を見せた。
引っ越しを決めたのは、それから間もなくのことだった。
「小学校が近くて、富士山が綺麗に見えるところに家を建てて住もう。」
すぐに借家から離れることはできず、しばらくは我慢する日々が続いたが、静子の父親に話をし、父親が中心となり家を建てた。
そこは、借家から3kmほど離れた、これから新興住宅地となる、山を少しばかり切り開いた、しかし、江戸時代の墓があちこちに建つ古い土地だった。
ちょうどその頃、地主の家にも異変が起きていた。その現象が鎮まることを願い、慰霊碑を建てた。しかし、それを静子たちが知ったのは、この時から40年以上経ってからのことだった。
神社が目の前に見えるその土地から移り住み、何事もなく4年の時が過ぎていく。
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