不登校児と巨乳の交差路は夢の中だけに留めておく方が無難である

第27話 巨乳こそが、男のロマンである

 おっぱいは大きいに越したことはない。

 

 異論は認めない。


 大きさは気にしないとか、手に収まるサイズがいいなどと、そんなキレイ事は聞くに値しない。彼らは、総じて偽っている。


 おっぱいは大きい方がいい。


 一部のロリコンを除いて、おっぱいの大きさを気にしないと言っている連中は、小さくてもいい、としているに過ぎず、本能的には大きいおっぱいを求めているに違いない。このおっぱいを揉みたいという欲求は、けがれたものではなく、生まれたときから備わっている生存本能である。決して汚らわしいものではない。


 あの二つの乳房の中には、革命的なのエロスと、我々を包み込む神聖なる母性が、みつに詰まっている。女性にしか持ちえない二つの神秘に、男は恋焦がれ、魅せられ、惹かれるのだ。

 

 大きいおっぱい、巨乳。


 巨乳こそが、男のロマンである。


 巨乳で張ったシャツの陰影を鑑賞したい。巨乳とショルダーバッグでしたい。巨乳の谷間に手を突っ込みたい。揺れる巨乳に叩かれたい。後ろから巨乳に抱きしめられたい。思う存分に巨乳を揉みしだきたい。


 巨乳とは男をすべてのストレスから解放してくれるまさに神にも等しい存在なのである。


 転じて、顔を埋められないおっぱいなど、壁に等しい。誰が好き好んで、壁に顔を押し付けるだろうか。そこにリラクゼーションはなく、おっぱいという名ばかりの脂肪がそこにあるだけだ。まぁ、それでも揉ませてくれるというのならば、1も2もなく揉ませていただくが。


 つまるところ、巨乳っていいよね。


 さて、巨乳賛美の言葉をひたすら並べ立てたところで、巨乳が舞い降りてくるわけもない。たとえばこんな話を誰かから聞かされたならば、そんなに巨乳とたわむれたければ、不自然に巨乳ばかりが登場するライトノベルでも読んでいろと切って捨てるだろう。


 現実には、巨乳など滅多にいないし、ましてや、知人や友達にいる確率など極めて低い。


 しかしながら、その天文学的確率の奇跡が、今、僕の部屋に舞い降りていた。


 僕の部屋に巨乳がいる。


 やけに派手な夏用の制服から見るに、僕と同じ高校の生徒である。薄青色のシャツは、その豊満な胸に耐え切れず、はち切れそうで、今にも外れそうなボタンがまるで悲鳴をあげているようだ。薄いシャツから透けて見える桃色のブラは、広大といって過言ではなく、もう夏だというのに、一面の桜吹雪のような桃源郷とうげんきょうで、思わず拝みたくなる。


 そして揉みたくなる。


 いや、揉む。決めた、絶対に揉む。がんばる。今回こそは、絶対に揉んでやる!

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