不登校の僕にラブコメ展開を期待されても困ります

最終章

不登校児とクラス代表の組み合わせに創造性はない

第1話 突然だが、おっぱいが揉みたい

 突然だが、おっぱいが揉みたい。


 さて、こういう脈絡のないことを言い出す場合、何かしらやんごとなき理由があるものだ。たとえばライトノベルだったならば、おっぱいを揉まないと死ぬとか、おっぱいを揉まないと世界が終わるとか、そういう類の救いようのない理由。そうでなければ、いきなり冒頭でおっぱいを揉みたいなどと述べるはずもない。


 だが、そうではない。

 僕はただ単純にのだ。


 簡単な話である。これは、高校二年生の男子が有する性的欲求にただただ純粋に従っているに過ぎない。世の16歳の童貞男子は、総じておっぱいを揉みたがっている。いくら取り繕おうとも、これは単なる事実であり、あらがいようのない真実なのである。


 僕も、その例に漏れない。

 ただそれだけだ。


 できれば、同世代のおっぱいがいい。張りと艶があり、まだ未来への余白を残しているような発展途上中、ただし後期のおっぱいを思う存分揉みしだけたならば、どれほど素晴らしいことだろう。


 もちろん完成されたおっぱいもいい。セクシー女優などが有する傑作。形も大きさも色も、緻密に練り上げられたその造形は、もはや尊い。


 しかしながら、その傑作を望むのは、僕にはいささか高望みが過ぎる。手の届く範囲にないというか、到達するためのハードルが高すぎるとか、そういう消極的な理由だ。その努力をするよりも、手の届く範囲、つまるところ、同世代の女子のおっぱいに手を伸ばした方が手っ取り早い。


 ここまでの話の流れから、僕がおっぱいを揉みたい理由を理解していただけただろう。察しがよければ、この後、学校の同輩、あるいは先輩、あるいは後輩、あるいは教師の女子勢のおっぱいを揉むために、僕が尽力するのだと予想されるに違いない。ただ、残念ながらその推察は外れだ。


 なぜなら、僕は


 いわゆる不登校というやつだ。

 昨年度の10月くらいから、現時点、高校二年の4月に至るまでの間、学校とは縁の遠い生活を送っている。そんな僕が同年代の女子を口説くなんてむりがある。そもそも接点がない。不登校なのだから、当然であるが。


 だからといって、そのためだけに学校に行こうなんて、さらさら思わないのだから、考えることは一つである。


 学校に行かずに、同世代の女子のおっぱいが揉めないかなぁ。


 まぁ、当然ながら世の中にそんな都合のよい話はない。と、僕は、ほぼほぼ諦めていた。


 しかしながら、現実というのは、ときおり常識の斜め上をゆくものである。ちょうど、僕の目の前に、その斜め上の現象が、現在進行形で展開している。


 不登校の僕が、不登校のまま同世代の女子のおっぱいを揉めるような展開。たとえば、同世代の女の子が僕の部屋にやってきて、そのをこちらに向けつつ、正座しているような、そんな展開が、まさに今、展じて、開かれている。


「あのぉ、私の話聞いていますか?」


 おっぱいの上に乗っかる不機嫌そうな顔が、不機嫌さを隠そうともせずに言葉を発していた。


 しかし、そんなことはどうでもいい。僕は、ただひたすら思考に耽っていた。いかにすれば、目の前のおっぱいをかを、僕は真剣に考えていた。

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