第二章 ならどうして存在するの?
『生体子孫』がかい?
意外にそれは簡単なんだよ
家庭が機能していないところで育った子はそうなっちゃうんだ
家庭が機能していないの意味がわからない?
んー、難しいなぁ
そうだなぁ、例えば家庭ってどんな所?
君にとってだよ!
明るくて自分の帰るところが君の答えなんだ
ならそれの逆だと思って欲しい
帰っても誰もいなくて寂しいところが多分君に渡す答えの中で一番合ってるとボクは思う
きっとそういう所で育つのは悪い例をあげるなら育児放棄や虐待、ひとり親で育てる場合が多いとは思わないかい?
そんな子達はどうなると思う?
いろんな悲しい想いが心に積もっていって
けれどそれは貯め込むしかなくて子供だからこそ大人のことを理解できなくて我慢しなくっちゃいけないと思ってしまうんだ
この子達はそんな悲しい想いを心の中に秘めて生きてかないといけないんだよ
夏休み他の子はみんな遊んでるけれど
遊びに行っても帰る場所は一人で悲しいから
楽しい思い出が心でリピート再生されるだけになるんだ
それをきみは理解できるかい?
小学生ぐらいの子が親が帰ってこないからコンビニとかでご飯買ったり冷蔵庫にあるものをチンして食べるだけの生活を送って、親が帰ってきたら「疲れてるからもう寝かせてくれ」だなんて言われるのがどれだけ辛くて心を抉るか
こんな経験はなくたって寂しいとは思わないかい?
親も誰もいない家で一人いつかえるかわからない親を待ち続ける気分はいいとは言えないだろうね
それで冷たくされたら
ごめんなさいとしか言えなくなる
その日から子供が機嫌をとるようになるんだよ
それは本当に家族なのかい?
そうとは思えるのかい?
僕はそうとは思わない
それじゃただのルームメイトと一緒だと感じないかい?
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