爆弾魔の兄弟

「にひひひっ」

特徴的な笑みを浮かべている黒い弟。

「お前なんでそんなに元気なんだよ…」

呆れたように笑う白い兄。

「まぁまぁ。これ終わったらコンビニ寄って酒買ってこうと思ってるんス。」

「酒!!」

「ひははっwよっぽど酒好きなんスねw」

こんな呑気な会話をしているが、やっていることはえげつない。

的確に急所を狙っては殺している。

「ひははははっ、気づかれないとでも思ったんスかぁ?」

邪悪な笑いを浮かべる弟。

『よっ、さん。そっちの調子はどうだい?』

は弟に話しかける。

弟、と言っているがこの「弟」は「兄」の弟だ。

弟と言う名前だからと言ってこの組織の8人(時々9か10人)全員が血が繋がっている訳ではない。血が繋がっているのは「兄」と「弟」くらいであろう。

「へへっ、そろそろクライマックスぽいっスよー?」

「さっさと終わらして酒飲もうぜ、酒」

「そうっスねぇ。もうちょっとで終わるんで、それまで待っててほしいっス」

ぶちっ

通話は切れ、クライマックスだ。

「「爆ぜろ」」

ドォオオオオオオオオオオッン

辺りに物凄い音が鳴り響く。

鼓膜が震えて破けそうになる。

「…ふぃー。終わったー。」

「終わった終わった。さっさとコンビニ行って酒買おうぜ」

「わーい!」

似たようで真逆の二人は笑い合う。

「ひひっ、俺は爆弾を使うことが何よりの楽しみなんスよぉ♪」

「俺はさっさと終わらせて寝たい。もしくは酒。」

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