ただの書き殴り。
悪運
狙撃手
『ザー…よっ妖怪!元気かぁ?』
特徴的なノイズが響いた後、喧しく彼の名を呼ぶ男の声がインカムから流れる。
「しぃーっ!!毎度毎度あんたは喧しいんだよ!!!」
彼は 妖怪 と呼ばれている狙撃手。
『わりぃわりぃ、今仕事中だったか。そういやあいつが夕飯何がいいって聞いてたぞ、お前はなにがいい?』
「あー…なんでもいい。」
『おう、スパッと終わらしてさっさと帰って来いよな!』
「はいはい。わかってますって。」
ぶつり
通話を一方的に切り、彼は集中した。
彼は背負っていたバッグからスナイパーライフルを取り出し、ビルの屋上から狙う。
「はー…こういうのは気付かない距離から一発で仕留めるのが一番得策だろぉ?」
彼が狙っていたのはとあるグループのリーダー。
俗に言う、893だ。
リーダー格と思わしき男が椅子に座る。
その瞬間を彼は逃さなかった。
スパッ。サイレンサーが付いているので、銃の音はとても静かになっている。
もう一度スコープを覗き込む。
「…よし。ヘッドショット。」
綺麗に脳を打ち抜き、殺った相手の辺りは血の海になっていた。
[標的殺しましたよ~]
彼は付けていたインカムから全員にそう言った。
[ナイス]と、特徴的な金色の兜をかぶった女性が
[おー!!]と、初めの喧しい通話の主の男性が
「やっとこれで5人目かな」と、パンダのお面をかぶった男性が
「お疲れ様っス」と、特徴的な帽子をかぶった男性が
「おつかれー」と、猫のマスクをかぶった長髪の男性が
[次は俺らがやるんだなぁ]と、骸骨のマスクをかぶった男性が
「お疲れ様。」と、見た目は真逆の声をした男性が
皆、ほとんど一斉に返事をした。
[鼓膜破けそうになるんで一人一人言ってくれませんかねぇ]
「「「「wwwwwww」」」」
そう皆で笑うと彼はスナイパーライフルを片付け、射止めた標的のアジトとなっていた場所の周りに群がる野次馬にまぎれて消えた。
「今日はあともう少しやれるかと思ったんですがねぇ。」
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