第7話教室で
……
「どうした?廉」
「嫌、これ」
俺は持っていたプログラム表のこのページを舞に見せる。
このページには現在能力者育成機関東京本部に居るチームが載っていた。
チームは全部で四チームだ。
最も居るだろう。たぶん成績の良いチームを抜粋したのだろう。
一番大きく載っているチームは[雷帝軍らいていぐん]
「[雷帝軍]って聞いた事がある」
どうやら舞は知っているらしい。
俺はどのチームも知らん。
どのチームも最低四人は居る。
俺と舞が作るチームも二人じゃ色々と困るだろう。
後二人位欲しいな。知り合いは居ないし、心当たりもない。
そう言えば玲奈さんは特別教員だし強い人間を知っているかもなぁ。
後で聞いてみよ。
「はぁ~建物も多いが人も多いな」
「多すぎるよ」
人とぶつからない程度ではあるが人が多い。
俺は人混みが嫌いだ。俺みたいな人混み酔いするタイプにこの人混みロードを歩かせるとは……不登校になるぞ……マジで
「辛そうだね」
「そう思うか?」
「うん」
「ニヤニヤと言うな」
舞の奴、俺が人混みが苦手なのを知ってるだろう。
「はぁ~疲れた」
「入り口から20分かかったね」
「遠すぎるだろう……どう考えても」
「えっと新入生は……一旦教室に向かうみたい」
「人混みは?」
「えっ……無いと思うけど」
舞は不思議そうな顔をすると少し考え、答えた。
舞、お前は分かってない。人混みがある場所に行こうなんて正気な沙汰じゃ無い。
どうやらこの日、やたら人が多いのは国のトップとそのボディーガードと警備員が居る為らしい。
何故入学式に来るんだ?俺はただただ疑問だ。
聞くに絶えない話が増えるだけだろう。全く。
「人が少ない」
「嬉しそうだね」
「あぁ快適だ」
俺はこれぐらいで良い、クラスの人数は30弱。
これで良い。快適だ。
「廉、机に名前が貼ってあるから自分の名前の所に行って」
「あぁ、分かった」
まぁ、この教室の中に居れば襲われることも無いだろう。
「俺の席は……」
ここは……主人公席。
一番後ろで窓側……良いね。
「宜しく」
話かけられた。
俺の前の席、水色の髪に白い肌……女か?嫌、男の制服だ。詰まりは男か。
「あぁ、宜しく俺は木山廉だ」
「僕は佐倉紫音、宜しく」
佐倉紫音は俺に手を差し出した。
俺はそれに答える。
「えっと……」
「紫音で良いよ」
「あぁ、紫音。俺も廉で良いぞ」
「うん。宜しく廉」
性格の良いイケメンだ。
舞は……女子に囲まれている。
凄い人気だ。まぁあいつは可愛いし、性格も良いからなぁ。
誰とも仲良くなれるだろう。とりあえずは安心だ。
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