第4話昔話
四月一日
俺は起きると共に大きな欠伸をした。
今日から俺も能力者育成機関東京本部の学生となるわけだが一つだけ問題がある。昨日調子よく舞とチームを組む約束をしたが実際どこまでやれるかは俺も分からない。依頼の内容はピンからキリ簡単なものは落とし物から迷子の捜索等、難しいものなら殺人者、犯罪者等の相手をしなければならない。
舞は戦う事を恐れている。俺一人でもこなせる依頼は限られている。
何故舞が戦いを恐れているのかと言えば……あれは約一年前の事だ。
舞の異能……妖魔剣創造(ゴースト・バース)が全ての始まりだった。
妖魔剣創造(ゴースト・バース)は簡単に言ってしまえば妖刀、魔剣、妖魔剣を創造出来る異能力だ。舞は昔よく剣を作りだし、俺と手合わせを何度もした。
しかし、妖魔剣創造(ゴースト・バース)の恐ろしさはこんなものじゃ無かった。
舞の妖魔剣創造(ゴースト・バース)はこの世に無い剣、物質まで作ってしまう異能力だ。まさに実態の無いゴーストそのものだ。
一年前、舞は妖魔剣創造(ゴースト・バース)で妖魔剣を作り、意識を乗っ取られた事があった。
意識を乗っ取られた舞は表情は無く暴れ回った。
その場に居た俺と玲奈さんで止めに入ったが、俺は炎神の魔武器(レヴァンティン)の炎神の魔剣(レヴァンティンソード)で応戦したが禍々しい黒…ピンク…赤と色々と色を変える剣を一度受けただけで吹き飛ばされ気絶をした。
その後、玲奈さんが一人で止めた。
その後、玲奈さんは3ヶ月入院する事になった。これが原因で舞は異能力を使わなくなった。嫌、使わないと言うよりも使えないと言ったほうが正しいだろう。医者の話ではトラウマになったらしい。
舞にとってはそれで良いのかもしれない。
入院していた玲奈さんの話では……
「廉、舞の事頼んでも良いかしら」
「えぇ、玲奈さんが退院するまでは」
「……」
どうしたんだ?
玲奈さんはうつ向きながら声を出すことも無く泣いている。
本当にどうしたんだ?
そもそも舞は無事で、玲奈さんが怪我をするなんて……
玲奈さんは日本最強の女剣士だぞ。
……詰まりはあの時の舞は玲奈さんを越えたのか?
そもそも舞の使ったあの剣……
俺が分からない事が起きている。
一つ一つ聞くにも時間がかかる。
玲奈さんも休みたいだろうし、少しだけ聞いて見るか
「玲奈さんはあの舞が使った剣……知ってますか?」
俺の知らない剣は沢山あるだろうがあの剣は異常だった。
……玲奈さんは少し考えると俺を見て、胸ぐらを掴む。
俺は質問を間違えたのか?
玲奈さんにぶん殴られる。
玲奈さんはグッと俺を引き寄せる。
……玲奈さん、顔が近い。
俺が戸惑っていると玲奈さんは口を開く。
「誰が聞いているか分からないからね。廉は知らないでしょ……教えておくわ舞の妖魔剣創造(ゴースト・バース)の本当の能力を」
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