第4話 撃てば響くよ!


「せいっ!!」


おもいっきり木に蹴りをれてみた。

若干揺れた。


「何をする!」


木の上から声がした。

多分同い年位の少女が木上でくつろいでいた。


「おー、やはり人が居たか!貴様何者だ!」


「何だそのテンション!お前本当にこの学園の生徒か?」


木の上の少女はい疑いの目で春菜を見る。


「ったりめぇだろ!じゃなきゃ不法侵入者だぞ?」


「まぁな!所でお前な!木を蹴ってはいけないんだぞ!木が痛いと言っている!」


「登るのは良いのかよ!木が重いと言っている!」


「木が喋るわけねぇだろ?……あっ、いや、お姉さんはあれだうん、木は喋る!」


何かはっ!っとして元気に言い直す木の上の少女。


「は?意味わかんねぇぞ?木が喋らねぇのは当たり前だぞ!」


「何だ夢のない子供だな!」


「おめぇーも子供だろ?」


「はぁ?お姉さんに向かってその口の聞き方は何だ!てめぇ何年何組だ?先生に暴言吐いてたってチクったる!」


「1年A組だよ!てめぇこそ何組だ?木に登ってたってチクったる!」


「お前1年の割にデカイな?」


「おい、お前!ワイは高校等学部の1年A組だぞ?」


「マジか!ちぃせぇな!小学生料金使えるだろ!」


「おう、時々小学生料金で色々通してるぜ!」


「犯罪じゃねぇのか?」


「向こうが勝手に小学生料金と判断した。私は店員がミスで怒られないよう、店員が気にしないようにそのままで金を払う!それだけだ!」


春菜は得意げに言う。


「越後屋、お主も悪よのぉ〜」


「ふっふふ、お代官様程では……」


時代劇風に打ち合わせなくやり取りする2人。

ノリがすこぶる合う。

打てば響けよ。


「我が名は神咲春菜!1年A組だ!」


シュバッ!!っと(厨二病的には)カッコ良くポーズをキメ、声高らかに名乗る。


「儂の名は入野夏菜いりのかな、1年C組じゃ!ふぉっふぉっふぉ!」


同じくポーズをキメて名乗る夏菜。


「あっ、タメか!なーなんで気に登ってるん?」


「かんちゃく、それはな、木がそこにあるから……」


「なるほど……」


「ツッコ不足感が否めない。」


「それな!」


「かんちゃくはこんな所で何してんだ?」


サラリと普通にあだ名で呼ぶ夏菜。


「かんちゃくは初等部の子供らに紛れて鬼ごっこしようとおもってな!」


「お前あれやな!入のと同じ途中から入学組だな?」


ビシッと春菜を指さす夏菜。


「おう?」


「やはりな、おいかんちゃく、衝撃の巨人だぞ?ここのガキ共は鬼ごっこしないんだ。なんか高貴な遊びしてる……。」


「なっ、なに!そしたらかんちゃくは誰に遊んでもらえば良いのだ?はっ!この出会いは運命!」


「ふっふっふー!かんちゃくはこの入のさんと遊びたいのだな!遊ぼう!とりあえず木に登ろうぜ!スナ〇キンの気分が味わえる!」


「ふっ、木に登っただけでス〇フキンだと?」


春菜は屈んで何かを取り夏菜に見せる。


「なに!そっ!それは!!」


「そう!くわえるためのいい感じの草!」


「えー!入のもやるー!」


夏菜は木から飛び降り着地する。


「えーねーこの草がいいかんじじゃね?」


「こっちのもええんやい?」


「なんかあれだな緑の服と帽子とハーモニカも揃えたいな……。」


「かんちゃくが衣装を作ろう!」


「マジか!かんちゃく作れんの!」


「任せろ!うち小さいけど服作る工場やってんねん!だからそういうの得意!」


「まじかぁ!ハーモニカどうする?」


「音楽室行けばあんるじゃないか?」


「高等部にあるかな?てか、口つけるもんやし個人で持ってるだろ?持ってるとしたら初等部の奴か!」


「つまり初等部の子供から金で買い取ろう!」


「ショタコン!」


「ちげーわ!」


「ロリコン!」


「……ハーモニカは諦めよう、犯罪者にはなりたくねぇ。」


「せやな!」


キーンコーンカーンコーン


「あっ、予鈴やん!」

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