悪魔の企て

 冤罪で一族が皆殺しにされる中、中年の女性侍女と共に追ってから逃れていた。


 冤罪を晴らし、主人を生かしたい侍女は悪魔を呼び出して冤罪の証明を求めたが、万能ではないと断られた。


 「主人の命を……」と懇願する侍女へ「其方と入れ替われば彼女は生きながらえる」と悪魔は魂の交換を提案した。


 悪魔の提案を受け入れた侍女は、悪魔に従い黒魔術で、主人と自分の魂を入れ替えた。


 侍女を安全な場所へ移した主人から、安らかな死を求められた悪魔は苦しみなき死を与えた。



 数年後……。



 冤罪を証明した少女は、身代わりで死んだ彼女が生前に望んでいた事を一つ叶えた。


 自分ではない彼女に恋する男性と出会い、彼女は生きるべきで自分は死ぬべきだったと考え続けていた少女は、自分彼女の望みを叶えて満足したからか、悪魔を呼び出した。


 少女は、彼女をあるべき身体へ帰してほしいと悪魔に懇願した。


 懇願された悪魔から「代わりに其方が我が物になるか?」と問われた少女彼女が帰ってくるなら……と受け入れた。



 悪魔は、誘惑しても自分になびかない女性の魂が欲しくて、冤罪を利用して侍女を利用して、魂を手に入れた。



 魂が元の身体に帰ってきた少女は自分為に主人が身代わりになったと考えて悪魔を呼んだが応えはなく、悪魔の世界で聞かされた通りになり、悪魔に惑わされず自分を貫いた主人を、裏切った自分が許せなかった。


 主人から自分宛てに書かれた手紙を少女は見つけた。


 悪魔に囚われようとも屈しなければ問題ない事や冤罪を晴らす時間を与えてくれた感謝が書かれた手紙に、貴女の人生を大切に生きて……と求められた少女主人から与えられた最期の願いを叶えようと思った。

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