影狼

 特別な目を持つ者は闇の中に狼を見る。


 影狼と呼ばれる狼は呪いを統べる。


 影狼を飼う影人は日陰で暮らし日照を嫌う。




 日照に恵まれた大地ある国のは先代から続く呪いに苦しんでいる。


 王の呪いを解くべく臣下が王国の支配する地で暮らす影人を脅して、先代から続く呪いの解呪を要求した。


 脅しに屈した影人の少女は臣下に連れられて王城へ向かう場所に乗った。


 少女は日照を受ける時、全身を覆う黒い装束を纏う。


 日照を好んで取り入れる王城で装束は欠かせない陰人は特別に用意された窓などを塞がれている部屋を除いて装束に身を包んでいる。


 面会したから「呪術を用いる陰人、加えて素肌を晒さぬ者など信用できない」などと拒絶されてやる気を失ったが呪いを解けば考えは変わると臣下から説得されて、脅されて逆らい難い少女は解呪は行おうと決めた。


 王国で素肌を晒さぬ事は異常であり「素肌を隠す=何かを隠す」などと邪推する者がいる。


 少女は闇の中で呪いを視認できる陰人が生まれ持つ特異な目での身体を見たかったが拒絶されてから面会は叶わなかった。


 暗闇で効力を持つ呪いの効果が日照に囲まれた王国で発揮される時は夜だと考えた少女は寝ているを調べようと考えての寝室へ忍び込んだ。


 少女が危険(の寝込みを調べる)を冒したのは人々を呪いの苦しみから解放する為に解呪師(解呪を生業にする)をしている事が動機。


 寝室の証明(火)を消した少女は気配を察知したの抵抗を防ぐ為に押し倒して馬乗りになった。


 暗闇の生活に慣れて夜目がきく少女は、照明が消えた暗闇の中で体格や力で勝るを抑えられた。


 臣下を呼ぶを無視して暗闇の中で呪いの在りかを探した少女は王が肌身離さず着けている首飾りに呪いを見つけた。


 駆けつけた臣下の持つ照明(松明)に照らされて影狼の力を使えない少女は、明かりを消せと臣下へ主張したが、へ馬乗りするの言う事を聞く臣下は居なかった。


 臣下によってから引き離される少女は呪われた首飾りを握りしめて暗闇を作り影狼に首飾りを解呪させた。


 解呪を終えた少女は抵抗を辞めて王を襲った罪で投獄された。


 少女を脅して連れてきた家臣から誤られたが、臣下の全てが影人や影狼に好意的では無いと認識している少女は危険を冒した自分の責任だと主張した。




 声を聞きつけた臣下が持つ照明(松明)に照らされた少女の素顔に一目ぼれしたは固まっていた。


 翌日、体調は変わらず不調だが、呪いの苦しみ無くなり、少女の主張を否定できなくなったは、影人は害を成すと主張して投獄した臣下の主張を間違いと指摘して牢屋から少女を解放した。


 侮辱した自分を助けた理由を少女へ尋ねたは「苦しみを知りながら無視は出来ない」などと返答されて、欲しいと思い「今回の件で解呪師が必要だと思った」などと引き留めたが断られた。




 要求を叶えて取引(脅されて結んだ)を終えた少女は脅された臣下から再び脅されて「王城に滞在しろ」などと強要された。


 の望みを叶える為に行われた臣下の脅しに屈した少女は不満を抱きながら帰りたいと度々主張している。




 は一目惚れした少女を側に置くために、陰人否定派から陰人肯定派に転身した。



 終わり

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