第84話 琴里の職場見学

 サリー:皆さんおはようございます、ナレーターのサリーです。皆さんは79話に登場した琴里さんを覚えていますか?お医者さんを目指す事になった彼女はこの日魔界の医療現場を知るべく見学に行く様ですよ。


 魔界時間9:01 惑星ナイフク星都チョウシン クランケア城内


 荷造りする琴里


 琴里:歯ブラシと歯磨き粉、3日分の着替えと・・・


 ミュゼット:準備出来たかい? 

 

 琴里:あ、もうちょっとで出来るよ♪


 ミュゼット:自家用機で行くから別に急ぐ必要はないからね。


 琴里:は〜い♪


 30分後 次元国際空港 国際線出発ゲート前


 ミュゼット:航宙機こうちゅうきでの移動は初めてかい?


 琴里:うん、飛行機とか船とか新幹線はあるけど宇宙はまだないなぁ。


 ミュゼット:そうか、君の居た地球の文明ではまだ気軽に宇宙旅行出来るレベルにまでは至ってないからねぇ。


 琴里:だから楽しみ♪


 機長:伯爵様、フライトの準備整いましてございます。

 

 ミュゼット:分かった。

 

『レントゲア伯爵家専用機内』


 琴里:ほわ〜!ひろ〜い!  


 メイド:琴里様のお部屋はこちらになります。


 琴里:は〜い♪


 ミュゼット:帝王都サタンヘイルダムまでは星間空間転移でも3日はかかる距離だ。ゆっくりするといい♪


 琴里:じゃあお勉強教えてくれる?


 ミュゼット:勿論だ♪


 メイドA:伯爵様ってホント、イケメンよねぇ♡


 メイドB:伯爵様が男性だったら良かったんだけどねぇ。


 メイドA:同性でも求婚申し込むのもいるらしいよ。  


 メイドB:まぁ、あの容姿ならねぇ。


『3日後 帝王都サタンヘイルダム次元国際空港 国際線到着ロビー』


 辺りを見渡す琴里


 琴里:すご〜い!人が沢山いる〜!


 ミュゼット:帝王都サタンヘイルダムの次元国際空港の規模は魔界宇宙最大だからね。さ、お目当ての医療特区行きのトランスゲートはこっちだよ。


 琴里:は〜い♪


『医療特区 瑠空総合病院るあそうごうびょういん前』


 琴里:ほあ〜っ!おっきな病院だねぇ!


 ミュゼット:魔界宇宙最高峰の医学大学、リバイアス国際医科大学学長のウォルター・リバイアス公爵様が建てたとされるだけあって立派なものだねぇ。  


 琴里:来月から通う大学だよね?


 ミュゼット:そうだよ、ついでにご挨拶でもと思ったんだけどね。


 琴里:居ないの?


 ミュゼット:ああ、大事な会議で留守にしてるらしい。 


 琴里:そうなんだ。リバイアス公爵様って、この前お話しした時の優しそうなお爺ちゃんだよね?


 ミュゼット:そうだよ♪さ、そろそろ行こうか。


 琴里:は〜い♪


『病院内』


 入り口から奥へ向かって長い行列ができている


 琴里:すっご〜い!


 ミュゼット:こ、これは何の行列だい?


 看護師:あ、あの!もしかして就職希望のお医者様ですか?


 ミュゼット:え?あ、いや、違くて。 


 琴里:見学に来たよ〜♪


 看護師:ああ、見学に来られた浮羽琴里うきばことりさんと付き添いのミュゼット・レントゲア伯爵様でしたか。院長は面接の最中でして、もう間も無く休憩に入るのでもう暫くお待ちいただけますか? 


 ミュゼット:勿論構わないよ♪


 琴里:私も〜♪


 看護師:ありがとうございます、それでは院長の準備が整いましたらお知らせしますのでもう暫くお待ちください。


 一礼して奥へ向かう看護師


 ???:まったく!急に来るんだもん。ま、医者が来てくれるのは有り難いけどね。


 ミュゼット:満じゃないか!


 満:およ?ミュゼット!久しぶり〜♪


 サリー:彼女はこの瑠空総合病院の看護師長で花咲満はなさきみちるさん。彼女に関する詳しい事は救命英雄伝をご一読くださいね♪


 満:どしたの?遊びに来たの?


 ミュゼット:いや、今日はこの子の見学の付き添いだ♪


 琴里を見る満


 満:成る程ねぇ、お医者さんの卵ってトコかな♪


 琴里:そだよ〜♪


 看護師:お待たせしました、院長がお会いになるそうです。それと・・・


 満を見る看護師


 満:ん?


 看護師:まだ休憩の時間じゃないですよね?


 満:やっべ!バレた!


 襟を掴んで引きる看護師


 看護師:あと500人分のお医者様の履歴書まとめなきゃいけないんですから早く来てくださいね♡


 満:ねぇ、アンタだんだんあの秘書に似てきてない?ねぇってば。


 看護師:あ、今手が足りなくてご案内出来ませんからそこのトランスゲートで院長室へ向かってください。  


『院長室』


 ???:ふぃ〜、やっとひと段落ねぇ。


 秘書:ご苦労様です瑠空院長。  


 瑠空:あと半分だっけ?  


 サリー:彼女が人界で勇者一行と魔王討伐を果たした元魔法使いの瑠空さん。この方も救命英雄伝に登場していますのでご一読くださいね♪


 秘書:もう少しの辛抱です。   


 瑠空:うん、そうだね。

 

 院長室に入る2人


 琴里:こんちわ〜!  


 瑠空:あら、可愛いお客さんね♪


 ミュゼット:瑠空総合病院の瑠空院長だね? 


 瑠空:はい、あっ!今日来る予定の見学の方ですね?

 

 ミュゼット:なんだか忙しそうだね。


 瑠空:ええ。開業したは良いのですが、まだお医者さんが1人しかいなくて。募集かけたら大勢来てくれて。

 

 ミュゼット:見たよ、凄い行列だったね。


 瑠空:あれでまだ半分終わったくらいでして。


 ミュゼット:見学の件だけど、大丈夫かい?


 瑠空:私は面接の応対で無理ですけど、秘書さんが代わりに対応しますので。


 秘書:では早速ご案内致します。


 5時間後・・・


 琴里:凄かったなぁ♪


 ミュゼット:流石は最新設備の揃った病院だ、これで優秀な医師が集って実績をあげれば間違いなく魔界宇宙一の大病院となるだろうね♪


 秘書:ありがとうございます。


 ミュゼット:じゃ、帰ろうか♪


 琴里:は〜い♪










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