第79話 女伯爵と魔法少女

 サリー:人間の皆さんこんにちは、ナレーターのサリーです♪妖凱製薬グループ誘致に成功したイザベラさん。彼女達が次に向かったのは内科の星、惑星ナイフクでした。

 

 魔界時間13:09 ヴェルナース帝国領 惑星ナイフク星都チョウシン


 ???:おんや?ここは何処なんだろう?


 サリー:この子は浮羽琴里うきばことりちゃん。種族は人間で、格好からすると魔法少女の様ですが、彼女は何故魔界にいるのでしょうね?


 警官:君、ちょっと良いかな?


 琴里:うおっ!悪魔のお巡りさんだ!えっと、パスポートとかは無いです。


 警官:ああ、それは大丈夫。この魔界では神様や天使族とかじゃなきゃ身分証になるからね。取り敢えず交番へ行こうか、君を元の世界に送り届けるにしても身元を確認しておかないといけないからね。


 琴里:は〜い♪


『星都トランスポートステーション前派出所』


 警官:はい、それじゃあこのパネルに手を乗せてくださ〜い。 


 琴里:は〜い。


 スキャンした生体データを元に閻魔帳で検索する警官


 琴里:おんや〜?なんだか目が回るぅ〜。


 警官:それじゃ、身元が判明したから・・・


 突然倒れる琴里


 警官:君、しっかり!  


『星都国立病院内』


 ???:君もヴェルナース帝国民なら医師免許持ってるだろう。


 警官:申し訳ございません、レントゲア伯爵閣下。なにぶん魔導内科は専門外でして。


 ミュゼット:ま、こういうのはイレギュラーだから無理もない。


 サリー:この方こそ惑星ナイフクの領主、ミュゼット・レントゲア伯爵様です。種族はバンパイア族です。


 琴里:およ?ここは・・・病院?


 ミュゼット:お目覚めかい?


 琴里:女神様?そっか、これが噂の異世界転生ってやつかぁ。  


 ミュゼット:生憎私は女神様でもなければ君のは異世界転生でもないよ。大体、この黒髪で紅い目と牙を見て女神様はないだろうに。


 警官:君は身元を調べてる途中で目眩めまいを起こして倒れたんだよ。それで、伯爵閣下、彼女の目眩の原因は?


 ミュゼット:異なる質の魔力による一種の魔力酔いだよ。魔界の魔力に馴染めば今みたいに自然と症状は治まるんだよ。


 警官:それでは私はこれで。  


 琴里:ご苦労様〜♪


 看護師:伯爵様、ヘルベルト帝国のイザベラ・ヘルベルト女帝陛下がお見えになられております。


 ミュゼット:通してくれ。


 看護師:承知致しました。


 病室に入るイザベラ


 琴里:わぁ〜、モフモフ尻尾〜♡


 イザベラの尻尾をモフる琴里


 琴里:9本の尻尾って事はお姉さん九尾の狐なの〜?  


 イザベラ:そうよ♪


 琴里:ふかふかモフモフ♡


 イザベラ:貴女は魔法少女と言っていたそうだけど、どういう経緯で魔法少女になったか教えてくれるかしら?


 琴里:い〜よ〜♪


 琴里が魔法少女となった経緯を話す


 イザベラ:成る程、深夜の廃教会にお爺さんの神様が現れて魔法少女になって闘技場で勝ち進めば願いが叶うって言われて魔法少女の力を授かったと、そういう事ね。


 琴里:うん、でも天界に行こうとしたら私の居た世界で嵐があって気が付いたらこの星の町外れに居たの。 


 イザベラ:そうだったの。


 元就:イザベラ殿、少し良いか?  


 イザベラ:ええ。レントゲア伯、少しの間この子をお願いします。


 ミュゼット:承知致しました。


 病室を出る2人


 元就:あの子の言う老人の神とはもしや先日の御前裁判で有罪判決を受けたエンゼリウス社の元会長ダストン・エンゼリウス被告の事だな。


 イザベラ:そうね、闘技場というのも間違いなく魔法少女賭博の闘技場の事ね。


 元就:これは酷な事だが、あのわらしに話した方が良いかと。


 イザベラ:そうね。


 再び病室に入る2人


 ミュゼット:お話は終わりましたかな?


 イザベラ:終わったわ。琴里ちゃんにはどうしても話しておかないといけない事があるの。


 琴里:私に? 

 

 ダストン・エンゼリウス被告の事を話すイザベラ


 琴里:・・・・


 イザベラ:だから貴女の願い事は・・・ 


 琴里:良かった♪


 イザベラ:え?  


 琴里:だって私あのまま言う通りにしてたら悪者の仲間になって悪い事するところたったんだよね?


 イザベラ:そ、そうね。  


 琴里:だったら願い事はもう良いの、その代わり将来なりたいものが決まったから♪


 イザベラ:なりたいもの?  


 琴里:ミュゼットさんと相談して決めたんだけどね、私お医者さんになるの♪


 ミュゼット:聞けば聞くほどこの子は魔導内科医としての才能があります。この子は人界でも孤児らしいので私からリバイアス国際医科大学附属学校へ推薦状を出して通わせようかと。


 イザベラ:そう。琴里ちゃんはそれで良いの?

 

 琴里:うん、お医者さんになって病気を沢山治して皆んなを笑顔にするんだ♪


 琴里の頭を優しく撫でるイザベラ


 イザベラ:それは楽しみだわ♪


 ミュゼット:それはそうと、ヘルベルト女帝陛下はこちらへはどういったご用件で?


 イザベラ:へ?


 元就:そういえば何か大事な事を忘れてるような・・・


 病室に入る信玄


 信玄:お、お主等!わ、儂の腹痛の事忘れたわけでは・・・ふぐぉ!


 慌てて走り去る信玄


 信玄:かわやは何処だーーーっ!


 元就:やれやれ、腹を壊すから薬膳餅は食い過ぎるなとあれほど言っていたのに。


 イザベラ:食感が信玄餅に似てるって50個も食べるんだもの、そりゃお腹壊すわよね。


 ミュゼット:住む所は私の城に部屋が空いてるからそこに住むと良い。


 琴里:ありがとうお姉さん♡


















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