第78話 薬膳社長と元就さん

 サリー:妖凱製薬グループ誘致の成功したイザベラさん。どうやら誘致を快く受けた背景には薬膳社長にも目的があった様です。果たしてその目的とは?


 魔界時間19:59 『薬膳邸大浴場』


 メイド:ヘルベルト陛下、湯加減如何ですか?


 イザベラ:はぁ〜、きっくぅ〜♡


 信玄:厳選された薬草の薬効が染み渡るのぉ♡


『薬膳邸書斎』


 元就:これは凄い、古今東西の薬学書が揃っている♪


 護:宜しければあちらの本棚でしたら何冊かお持ち下って良いですよ♪


 元就:それは嬉しい♡

 

 護:私は毛利元就様の大ファンでしてね、本物の元就様に喜んでいただければ本望にございます♪


 元就:おおっ!では早速・・・


 薬学書を読みながら話す元就


 元就:それはそうと薬膳殿、貴殿は何故イザベラ殿の誘致を快く受けたのですかな?貴殿の様な大商人おおあきんどであればもっと慎重になる筈。さては、イザベラ殿にがおありなのではありませんかな?


 護:ハハ、流石は稀代の謀将ぼうしょう、毛利元就様♪その通り、実は魔界宇宙で1番の切れ者と名高いヘルベルト女帝陛下のお知恵をお借りしたく。誘致承諾はといったところです。


 元就:して、その内容は?


 護:ヘルベルト女帝陛下が先手を打つために我が社の誘致の理由であるドラット製薬グループの事を話していましたでしょう?実はそこのについてです。


 元就:黒い噂とな?


 護:元就様は時の黙示録をご存知ですかな?


 元就:魔界宇宙の歴史を調べる時にチラホラ出てましたな。確か・・・時を操り時渡りの出来て尚且つ自在に歴史を変える力を持った書物だったか。


 護:左様にございます。本物よりは相当能力は劣りますが、時空管理局職員のみに配布されてるレプリカ、元就様に分かり易く言えば紛い物が何者かに奪われるという事件が150年前に発生し、犯人。あ、下手人げしゅにんと言った方が良いですかな?


 元就:いや、大丈夫ですぞ。


 護:流石は元就様♪その犯人が天族というだけあって警察が手を焼いていて今も尚捜索中なのです。


 元就:それがドラット製薬グループの黒い噂とどういう・・・ふむ、ドラット製薬グループのくわだてもしや、この前ニュースで報じられていた感染型精神汚染物質カオスの抗生ワクチンと特効薬が関わっていますかな?


 護:なんと、これは恐れ入りました!まさにその通りです。お恥ずかしながら、その抗生ワクチンと特効薬が開発される前の対カオス医療は天界宇宙が先進的でその事業をドラット製薬グループが独占しておりました。


 元就:そこへきてあの報道は彼奴等きゃつらにとっては魔界宇宙という金蔓かねづるをゴッソリ失う事になり、一気に経営不振に陥る。そこで、その奪った時の黙示録のレプリカとやらでしようとしているっと。まっこと、呆れる程の悪党よ。


 護:そのレプリカにはそこまでの能力ちからは無いというのに。


 元就:そうなのですか?


 護:ええ、レプリカが使えるのはせいぜい時流れを一時的に止めたり遅くしたり、最大1000年の時間を行き来するくらい。歴史改変する程の能力は全くありませんよ。


 元就:それにしても薬膳殿は如何にしてその情報を?


 護:そうですな、強いて言えばイザベラ殿の幼馴染みである莉音・ムネミツ皇王陛下のという信頼できる筋からの情報とでも言っておきましょう♪


 元就:その者は?


 護:今頃はそのムネミツ皇王陛下を頼ってムネミツ皇国に行ってる頃でしょうな。


 元就:貴殿も策士だねぇ♪


 護:いえいえ、ヘルベルト女帝陛下や元就様には遠く及びませんよ♪





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