第80話 惑星シカイシの巨獣

 サリー:人間の皆さんこんにちは、ナレーターのサリーです。皆さんはちゃんと毎日歯磨きしてますか?魔王少女物語本編13章で登場した自然界の歯医者さんのデンタルコブラ。もう一体自然界の歯医者さんである巨獣がいるのをご存知でしたか?


 魔界時間13:00 帝国領惑星シカイシ キシリトーレ湖


 イザベラ:ここにその巨獣がいるのね?


 アサギ:はい、その巨獣の名はデンチャーヒポポです。このキシリトーレ湖に生息していると地元住民は申しております。


 イザベラ:ナレーターさん、デンチャーヒポポというのはどの様な巨獣なの?


 サリー:デンチャーヒポポのデンチャーは入れ歯でヒポポはカバ、つまりは入れ歯カバです。ベヒモス科ベヒモス目ヒポポ亜種、体長7800万㎢、体重65兆3000万トン。背中のこけには虫歯菌を死滅させ虫歯菌によって空いた穴を修復する薬効成分が含まれているためその苔は別名歯医者要らずと呼ばれています。


 アサギ:補足するとデンチャーヒポポには歯の欠片かけらからでもどういう生物のものかを鑑定する能力がある事から、この国の警察機関は殺人事件で身元不明の遺体の鑑定を依頼する事があるそうです。


 湖底より浮上するデンチャーヒポポ


 ヒポポ:ん〜?誰じゃお主等は。製薬会社の者か?それとも警察の者か?


 イザベラ:私はこの国に国土争奪戦争を挑むヘルベルト帝国の女帝イザベラ。貴方は歯さえあればたとえ一粒の欠片でも誰のものかを鑑定出来る能力があると聞いたわ。それに間違いない?


 ヒポポ:んあ?そりゃあ、砂粒くらいの小さな欠片でも分かるがのぉ。


 ケースから歯を取り出すイザベラ


 イザベラ:じゃあこれが誰のものか分かるかしら?


 ヒポポ:お安いご用じゃよ♪どれ、その歯をこちらに向けて掲げてみよ。


 デンチャーヒポポの前に向けて歯を掲げるイザベラ


 ヒポポ:フムフム・・・成る程・・・ほお!分かったぞい♪ただのぉ、歯の持ち主の名前は知らんから映像を送る。端末か何か持っとるかのぉ?


 デバイスの液晶画面を出して掲げてるイザベラ


 イザベラ:これで良いかしら?


 ヒポポ:良いぞ、では送るぞい。


 目を閉じてデバイスの液晶画面に向けて念じるとある神物じんぶつの顔が浮かび上がる


 アサギ:こ、これって⁉︎


 イザベラ:やっぱりね、思った通りだわ。


 アサギ:では今天界にいるのは・・・


 イザベラ:誰かがなりすましている真っ赤な偽者よ。


 ヒポポ:何じゃ、何じゃ?何やら事件の匂いがするのぉ。


 アサギ:しかし何故わざわざデンチャーヒポポに鑑定依頼を?神族の歯の持ち主を特定するのでしたら・・・あっ!そうか、なのですね?


 イザベラ:そう、敵は天界の警察機関にもいる。だからこの魔界宇宙で唯一神族の歯を鑑定出来るデンチャーヒポポに頼んだのよ♪


 ヒポポ:お役に立てたかのぉ?


 イザベラ:ええ、物凄く助かったわ♪


 ヒポポ:それは何よりじゃ♪さてさて、儂はもう一眠りするかのぉ。


 湖底へ潜行せんこうするデンチャーヒポポ


 イザベラ:さ、に移りますか♪






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