第52話 惑星コバルト

 アオイ:イザベラさんがお風呂でのぼせて眠っている間にゴブリアス皇帝より寄せられた惑星コバルトにあるという魔皇石の情報をアサギさんから聞いたイザベラさん。どうやらイザベラさんには気になる事がある様です。


 前回の翌日 魔界時間10:00 惑星コバルト


 着いて早々ソワソワするイザベラ


 イザベラ:ねぇ、アサギさん・・・


 アサギ:ダメですよ〜♡


 イザベラ:まだ何も言ってないんだけど。


 アサギ:惑星コバルトの名湯、鉄火温泉てっかおんせんに行きたいと言おうとしたんですよね?ダメですよ〜♪


 イザベラ:クッ!読まれてたか。


 アサギ:お見通しですよ〜。先ずは陛下が気になってる事を調べてからですね。

  

 イザベラ:ブーブー!


 イザベラを引き摺りながら連れて行くアサギ


 アサギ:は〜い、キリキリ歩きましょうね〜♪


 イザベラ:あ〜ん!鉄火温泉が〜!


 エリ:(陛下って温泉の事になるとキャラ変わるなぁ。それにしてもアサギさんは凄い。これも年の功なのかなって言ったら殺されそうだから黙っとこ)


『惑星コバルト トランスポートステーション』


 アナウンス:トランスポートステーションをご利用頂き誠に有難うございます。未開拓エリア方面をご利用のお客様にお知らせします。現在未開拓エリアはヘルベルト帝国女帝陛下ご視察のため、一般のお客様のご利用が出来ません。ご理解、ご協力のほどお願いいたします。繰り返し・・・


 アサギ:いいのですか?


 端っこで凹んでるイザベラ


 アサギ:いい加減機嫌直してください陛下。これが終わったら心ゆくまで入浴して良いですから。


 イザベラ:・・・ホント?


 アサギ:温泉絡みで私が嘘ついた事ありましたか?


 機嫌を直すイザベラ


 イザベラ:これでが解決出来るから。後はが上手くやってくれればね♪


 アサギ:・・・!成る程、そういう事ですか♪


 研究員に化けるイザベラ


 アサギ:流石は九尾族ですね。軍師としてだけでなく、変身魔法のスペシャリストでもあるだけの事はあります。


 イザベラ:さ、行きましょうか。


 アサギ:私はこのままで良いのですか?


 イザベラ:ええ、彼のフォローをするためにの方が都合が良いわ♪さ、行きましょう。貴女が先に行きなさい、私は5分後に行くわ。


 アサギ:承知しました。


『5分後 未開拓エリア』


 イザベラ?:この先がそうなのですね?


 コバルト伯爵:はい、この先にある鉱脈がそうです。


 アサギ:陛下、遅くなりました。


 イザベラ?:予定通りよアサギさん♪


 イザベラ?達を包囲する覆面のテロリスト


 テロリスト:全員動くな!ヘルベルト帝国のイザベラ・ヘルベルトだな?


 イザベラ?:さあ?どうかしら♪


 テロリスト:惚けても無駄だ、お前がここに来るという情報は既に掴んでいるのだ♪


 イザベラ?:人違いですよ。


 テロリスト:まだ言うか!


 変身魔法を解くイザベラ?


 テロリスト:なっ⁉︎


 アキラ:だから違うって言っただろ?


 アキラに驚いた瞬間周囲の気配に気付くテロリスト、次の瞬間黒衣の妖狐族に囲まれる


 テロリスト:い、いつの間に⁉︎


 イザベラ:ご協力感謝します、アキラ殿下にコバルト伯♪


 アキラ達の周囲にも黒衣の妖狐族達が護るように囲み、それを見届けた後変身魔法を解くイザベラ


 イザベラ:さて、これで形勢逆転ねテロリストさん♪


 テロリスト:なっ!あっちが本物だと⁉︎


 イザベラ:これが九尾族の変身魔法よ。さて、私をどうするつもりだったのかしら?言いたくなければ私が言いましょうか?テロリストさん・・・いえ、天界宇宙の超大国


 テロリスト:な、何故それを!


 イザベラ:軍師は情報が命、2手3手先を読むためには情報は多くて困る事はないわ。貴方達の事は事前に調べさせてもらったわ♪


 テロリスト:ここまでか!


 イザベラ:あ、自害しようとしてたようだけど無駄よ。足下見てみて♪


 テロリスト達の足下に巨大な魔法陣が張られている


 テロリスト:これは、あらゆる自害を封じる結界!い、いつの間に⁉︎


 イザベラ:じゃ、全員自殺防止の拘束具で捕らえてね♡


 黒衣の妖狐達:はっ!


 連行されるテロリスト達


 アキラ:それにしても驚きました。この国に来る前から既に魔皇石の情報を掴んでいたなんて。父上は知らなかったのでしょう?


 イザベラ:ええ、敵を欺くためには先ず味方からというわ。この惑星コバルトに魔皇石の鉱脈があるかもという情報を予め掴んでてね。未開拓エリア調査隊のスケジュールからそろそろ発見の報告がゴブリアス皇帝へ報告されてる頃だと思ったからよ。


 アキラ:俺の芸が声真似というのも知ってたのですか?


 イザベラ:ええ。ただ、貴方のとんでもないクオリティの高さに関しては全くの想定外。嬉しい誤算だったわ。優れた軍師は運も味方につけるものよ♪


 コバルト伯爵:イザベラ陛下の仰せの通りさせておきました。


 エリ:鉱脈の移動⁉︎えっ?それってどういう・・・え?


 アサギ:魔皇石の鉱脈はの。その正体はこの星の巨獣ダンソウリザード。


 エリ:ダンソウリザード?


 イザベラ:それではアオイさん。ダンソウリザードの紹介よろしくお願いしますね♡


 アオイ:ハ〜イ♪ダンソウリザード、バジリスク科バジリスク目コモドドラゴン亜種。体長6500万㎢、体重59兆7000万トン。全身が硬い断層で覆われていて希少種ともなると魔皇石の鉱脈を宿している巨獣です。かつては魔界宇宙に多く生息していたのですが、現在ではこの星にいる1匹しかいないのです。


 イザベラ:有難うございます♪


 コバルト伯爵:ダンソウリザードの主食は土や岩盤で、秋になると冬眠に備えて寝床となる巣穴を作るために食べながら進んでいきます。そうして冬眠中の栄養を蓄えていくのです。


 エリ:もしかして陛下はそれを知ってて時間稼ぎのためにあのテロリストを誘き寄せたのですか? 


 イザベラ:正解よ♪丁度今日が寝床を求めて動き出す日でね、その前に採掘されたら私の策は成らないの。上手くいって良かったわ♡さ、そろそろにかかりますか♪








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