第2章 地底帝国ゴブリアス

第41話温泉地のイザベラさんinゴブリアス帝国

 アオイ:いよいよゴブリアス帝国に入国するイザベラさん。おやおや?どこかで見た方達が居るようですね〜。


 魔界時間10:00 ゴブリアス帝国帝都テッコウ 次元国際空港


『国際線到着ロビー』


 イザベラ:やっと着いたわね〜♪


 やたらとそわそわするイザベラ


 エリ:陛下。分かってると思いますが、先ずはゴブリアス皇帝陛下へのご挨拶が先ですよ。


 イザベラ:わ、分かってるわよ・・・あら?あれって。


 上機嫌な桜


 桜:やって来ましたゴブリアス帝国♪ ビバロン王国は温泉マニアの聖地だけど、ゴブリアス帝国も結構秘湯が多いんだよね〜。


 隣の到着ゲートから出るマチルダ


 マチルダ:ゴブリアス帝国の巨獣クレバスマグナの甲羅に自生する薬草の研究のため陛下に許可が下りて良かった。ついでに温泉も楽しんで来いとは流石は陛下だ、粋な事を仰る♪


 アオイ:このお話から読んでる方は馴染みのない方ですよね。この方は魔王少女物語本編の主人公アリスさんの国、シルフィード王国の医療大臣のマチルダ・グロッタさん。種族はブラックオーク族です。ブラックオーク族の女性は美の女神も羨む程の美人が多く。更に逞しい筋肉の鎧で覆われている事から同性にモテる事が多いのです。


 イザベラ:桜にマチルダさん?


 桜:おや?ヘルベルト帝国の女帝さんじゃないか♪


 マチルダ:あ、貴女はイザベラ様!一目お会いしたかったのでお会いできて光栄です!


 桜:ああ、私達温泉マニアの間じゃカリスマ的存在だもんね♪


 マチルダ:や、やはりお目当はですねよね!


 イザベラ:当然じやない♪


 桜:条件が揃えばクレバスマグナの入浴が見れるんだよね〜♪


 アオイ:人間の皆さんにはピンときませんよね。そうですね・・・例えるなら温泉に入りながら間近でホエールウォッチングをするようなものですね。クレバスマグナは大人しい性格の上に岩塩しか食べないので襲われる心配はないんですよ。


 イザベラ:そうそう!夜行性だから夜になると浮上して甲羅が発光してインスタ映えするって有名なのよね〜♪


 桜:あ、忘れるトコだった。ナレーターさんクレバスマグナの説明お願い♪


 アオイ:ハイハ〜イ♪クレバスマグナ。アダマンタイマイ科アダマンタイマイ目象亀亜種。体長7500万㎢、体重120兆5000万トン。温厚な性格で地中を掘って地下に眠る良質な岩塩を食べる。食後に自身が掘り当てた温泉に入る習性があるようですが、その行動理由は未だ謎とされています。


 エリ:陛下、そろそろ行かないと!


 イザベラ:ゴブリアス皇帝への挨拶が終わったら早速行くんだけど、皆んなで行かない?


 マチルダ:ご、ご一緒して良いのですか⁉︎


 イザベラ:温泉の基本は湯船に入れば身分の垣根なんて野暮よ♪


 桜:そうそう、だから一緒に行こう♪


 マチルダ:は、はい!


 10分後 クッサク宮殿内


 ヴィクター:よくぞ参ったゴブ!貴国との戦、楽しみにしてるでゴブよ♪


 イザベラ:ええ、私も楽しみです♪


 ヴィクター:ときにイザベラ殿、聞けば其方は大の温泉マニアだそうでゴブね。


 イザベラ:はい!今から楽しみです♪


 ヴィクター:今・・・ふむ、挨拶はこれで良い故今直ぐにでも行った方が良いでゴブ。


 イザベラ:それは何故です?


 ヴィクター:クレバスドーム温泉郷名物のクレバス温泉湖に入るには領主ジーク・クレバス伯爵の認可証がないと入れんでゴブ。1日に入れる人数が決まっててな、たとえ魔界宇宙中央政府4宰相といえど例外は認められないでゴブよ。


 イザベラ:その理由は?


 ヴィクター:クレバスマグナは賑やかなのが苦手でな、あまり大勢で入るとストレスになるらしい。それが甲羅の薬草の質に関わってくるでゴブよ。


 イザベラ:成る程、ではお言葉に甘えてこれにて失礼致します!


 足早に宮殿を出るイザベラ


 ヴィクター:さて、マチルダはもう向かってるであろうか?


 ドリルード宰相:既に認可証を受け取って入浴待ちとの事。


 ヴィクター:でゴブか。


 20分後 クレバスドーム温泉郷 ドーム城内


 息を切らしながら受付に着くイザベラ


 イザベラ:ハア・・・ハア・・・ハア!に、入浴の認可証はまだう・・・受付やってますか?


 受付嬢:はい、お客様で定員は最後です。


 イザベラ:よ、良かったー!


 認可証申請書に記入するイザベラ


 受付嬢:・・・確かに、では発行致しますのでもう暫くお待ちください。


 15分後・・・


 受付嬢:お待たせしました、こちらが認可証でございます。ご入浴の際は門番にご提示ください。


 イザベラ:はい、ありがとうございます♪


 その夜・・・


 門番:認可証を。


 認可証を見せるイザベラ


 門番:・・・確かに、それではごゆっくりどうぞ♪


 桜:無事入れたようだね♪


 マチルダ:お待ちしておりました♪


 湖に浸かるイザベラ


 イザベラ:この地底湖全部が温泉だから凄いわよね〜・・・あ〜、いい湯加減♡


 水面が盛り上がり浮上するクレバスマグナ


 アオイ:音声さんの出番ですね。音声さ〜ん、翻訳フィールド展開お願いしま〜す!


 マグナ:う〜ん!良い湯ズラ〜♪


 甲羅の薬草が発光する


 マチルダ:これは・・・そうか、そういう事か!


 桜:急にどうしたんだい?


 マチルダ:クレバスマグナの甲羅の薬草の収穫は何故昼にやらず早朝なのか、その理由が分かったんだ!


 イザベラ:クレバスマグナは岩塩を主食としている。そして食後の夜にこの温泉に入る、この一連の行動は岩塩に含まれてる成分とこの温泉の薬効成分を体内で合わさりそれを甲羅の薬草が吸収してはじめて超高級薬草が出来るといったところかしら?


 マチルダ:まさにその通りです!これは医学界における歴史的大発見ですよ!


 暫く湯に浸かると移動して近くにあるもう1つの湖の水を飲み始めるクレバスマグナ


 マグナ:ぷっはー!五臓六腑ごぞうろっぷに染み渡るズラ〜♡


 一通り飲み終えると再び湖底に潜り帰っていく


 桜:あっちの湖は?


 マチルダ:あれは浸命湖しんめいこといって、この国の飲み水としても使われる湖だ。透明度が非常に高くミネラルが豊富で魔界宇宙で最も澄んだ水100選にも選ばれるほど美味い水なんだ。そうか、あれを飲むのが薬草を育てる最終工程というわけか。


 イザベラ:そのようね。さ、もう少し浸かったらあがりましょう。




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