第38話笑いで紡ぐ想い
アオイ:国土争奪戦争獲得領土の交渉へ向かうべく出国の準備が進む中、対戦国のゴブリアス帝国内では次期皇帝の座を巡ってちょっとした揉め事があるようです。今回はその渦中にある第1皇太子殿下のお話・・・
魔界時間17:00 魔界宇宙中枢 帝王都サタンヘイルダム商業エリア
『
???:お、俺があの番組の前座でですか⁉︎
社長:ああ、今をときめくイケメン芸人で売り出し中のお前が更なる脚光を浴びる大チャンスだ♪そうは思わないか?『アキラ』
アキラ:・・・・・・
アオイ:この長身のイケメン君の名前はトミー・G・アキラさん。この名前、いわゆる世を忍ぶ仮の姿というもので。実はこの方こそ、ゴブリアス帝国の第1皇太子アキラ・ゴブリアス殿下なのです。彼の正体を知ってるのはマネージャーさんだけなんですよ。
社長:ゴブリン族とダークエルフ族のハーフでゴブリン族特有の鋭い眼差しにダークエルフ族特有のルックスで女性ファンが多いではないか♪
アキラ:でも社長・・・俺。
社長:お前はどっちかっていうと芸人なんかよりモデル向きなのに、ファッション業界からのオファーを全て蹴っているそうじゃないか。何故芸人にこだわるんだ?
マネージャー:社長、それは・・・
社長:まあ良い、ならこうしよう。もしも今度の前座でウケが良かったら芸人としてとやかく言わない。だがスベった時は大人しくモデルに転身するんだ。いいな?
アキラ:はい。
マネージャー:殿下、大丈夫ですか?
アキラ:何も俺について来なくても良かったんだぞ?
マネージャー:いえ、私も皇后様に再びあの笑顔を取り戻してほしいですし。それを皇后様が好きなお笑いで取り戻そうという殿下のご意思に共感したのです。ですから一緒に頑張りましょう!
アキラ:・・・・・ああ!
2人の側に来る黄緑色の和装の老人
???:母親に笑顔を取り戻すためにったぁ、泣かせる話じゃあないか♪
アキラ:アンタ誰だ?
歌丸:俺ぁ、桂歌丸ってぇしがない噺家よ♪
マネージャー:か、桂歌丸⁉︎
アキラ:誰?
マネージャー:知らないんですか⁉︎近年亡くなられた後に地獄界の転生裁判で天国行きの話を蹴って温泉超大国ビバロン王国の国土争奪戦争参戦偉人として所属するも、シルフィード王国戦でシルフィード王国側に移籍。その後先に亡くなられてシルフィード王国の所属偉人となった円楽さんと共にこのOHNテレビで『笑天』を始めて大ヒットを続けている凄い人ですよ!
アキラ:え⁉︎
歌丸:ハッハッハ!そう大層なモンじゃねぇよ。この魔界と天界の事情が俺達人間の知るのとあべこべだったと知ってりゃ天国行きの判決を受けたんだがね〜。まさか魔界がこれほど心の暖けぇモンだとは思わなかったよ♪
アキラ:・・・・
歌丸:アンタさえ良ければの話だが事情を話ちゃあくれねえか?
アキラ:・・・・・実は。
アオイ:アキラさんは天界宇宙をご両親が表敬訪問した際に今は裁判で処刑された
歌丸:酷い話だ、俺の人界で聞いてた神様とはまるで違うな。神も驕りゃあ迷惑千万ってな。それじゃあ1つ聞いても良いかい?
アキラ:何でしょう?
歌丸:大勢の人を笑わせるのと、1人を笑わせるのとどっちが難しいか分かるかい?
アキラ:・・・1人。
歌丸:その心は?
アキラ:1人が笑えば周囲の人もつられて笑う、だから大勢の人を笑わすのは容易。でもその1人を笑わせる方が1番難しい。
歌丸:なぁんでぇ、笑いの秘訣をちゃあんと分かってるじゃねぇか♪おっかさん笑わせたきゃ、1人に集中してわらわせてみな。そうすりゃみ〜んな笑顔になるってモンだ。そこんトコは噺家の俺等とアンタら芸人もなんら変わりはしねぇさ♪そうは思わねぇかい?
アキラ:はい!
AD:間も無く本番で〜す!
歌丸:はいはい。そんじゃ行こうかい♪
アキラ:はい♪
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