第27話人界女帝パンドラ

 アオイ:宝石鉱山地下から発見された人界宇宙創造主パンドラ様所縁の遺跡発見に伴い詳しい話を聞くべく、アリスさんに親書を送り先日返事が送られてきました。その内容は会って話をしましょうというものでした。


 魔界時間10:00 帝都ジュエルロード


『宮殿女帝執務室』


 エリ:陛下、アリス様から親書が届きました。


 アリスからの親書を読むイザベラ


『パンドラ様の事を妲己様に話したら、丁度お忍びで旅していたサタン様が会いに来てたから話しておいたよ。その場で連絡とってくれて会って話をしましょうだって。詳しい場所は別紙の地図の印んトコね』


 カグヤ:随分と早かったな。


 イザベラ:ええ、おそらく妲己様がこうなる事を予見してあらかじめ呼んでおいたのだと思うわ。


 カグヤ:偶然ではないと?


 イザベラ:アリスさんが言うには妲己様は度々アリスさんから近況を聞いていたそうだからそこに私の国の話が出たんだと思う。


 カグヤ:お前の話から考えると妲己様はその星の事を知ってるようだな。


 イザベラ:そうね。


 カグヤ:人界宇宙を創造したお方か。


 イザベラ:天界大帝、魔界帝王、冥界女王、人界女帝。この4人の宇宙創造主様達は4つの宇宙がまだ1つだった頃に起こった宇宙の大爆発『ビッグバン』の生き残りという説があるわ。


 カグヤ:そうでなければ4000億年以上も生きてはいないしな。


 エリ:それで、如何なされますか?会いにいかれますか?


 イザベラ:ええ、手配してちょうだい。


 エリ:承知いたしました。


 6時間後『???』


 アオイ:この場所はヘルベルト帝国から2万光年離れた某所です。人界の技術で普通に行くと気の遠くなる程の年数を要しますが、魔界の次元航行技術があれば6時間で行けるのです。


 イザベラ:お待たせしました。私がヘルベルト帝国魔王、イザベラ・ヘルベルトです。貴女が人界宇宙創造主パンドラ様ですね?


 パンドラ:そうよ〜♪貴女が聞きたいのは『地下倉庫』の事かしら〜?


 アオイ:このお方が人界宇宙の創造主パンドラ様。『パンドラの箱』で有名なお方ですね。パンドラの箱といえば、人間の負の感情が封じられていてそれを開けた事で人間に悪意が芽生えたとあります。ですが実際は恐竜が絶滅した後の荒れた地球を自然豊かにする時に開けたとも言われていますが、その真相は本人のみぞ知るです。


 イザベラ:あの地下遺跡は倉庫だったのですか?


 パンドラ:そうよ〜、殆どが私物だけどね〜♪


 イザベラ:全5階層の内4階層までは何も無かったですが。


 パンドラ:そうね〜・・・・あれ?何でだったかしら〜?


 イザベラ:最下層には何があったか覚えていますか?


 パンドラ:えっと〜・・・・・・あ!思い出した〜!ガラの悪い龍神族を最近見かけて危ないから妲己ちゃんのアドバイスで別の場所に移したんだった〜♪


 イザベラ:龍神族?


 パンドラ:黒縄・・・漸次って子分っぽいのがそう呼んでたわね〜。


 イザベラ:(黒縄漸次こくじょうぜんじ、黒峰組の相談役。元組長だったわね。何でそんな所に?)


 パンドラ:最下層にはね〜、私が書いた『ヴァルキリー真機しんき』の設計図とか色んな発明品とかがあるの〜。


 イザベラ:ヴァルキリー真機⁉︎


 パンドラ:ヴァルキリーを元に考えたものでね〜、結局造らずに終わったのよ〜♪


 イザベラ:ヴァルキリーの開発者はゲルマルク・うぐいす博士の筈では?


 パンドラ:鶯ちゃんは私の弟子よ〜ん♪天界に帰るって言うから見送った後帰ったらプロトタイプの設計図が無くなっててね〜、何処にあったかなぁ〜って。


 イザベラ:(という事はパンドラ様から盗んで造ったって事ね)どうしてヴァルキリーを造ろうと思ったのですか?


 パンドラ:知的生命体が生まれれば当然文明も生まれる。戦争にならないように均衡を保つための『調停者』が欲しかったのよ〜。


 イザベラ:そうでしたか(結果、天魔大戦の兵器に利用されたなんて皮肉なものね)


 パンドラ:じゃあ、コレ渡しとくね。こんな所まで来てくれてお話に付き合ってくれたお礼に中の物は全部あげちゃう♡


 イザベラ:これは最下層の結界を解くパスワードですね?


 パンドラ:せ〜いか〜い♪じゃ、私帰るね。


 イザベラ:色々とありがとうございました。あ、もう一つお願いがあるのですが。


 パンドラに耳打ちするイザベラ


 パンドラ:うんうん、その『裁判』に出て証言すれば良いのね?イザベラちゃんのお願いなら良いよ〜ん♡


 イザベラ:ありがとうございます♪

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る