第24話アメジストドラゴン

 アオイ:ヘルベルト帝国には宝石の名を冠するドラゴン種の巨獣が7体存在します。幽霊船より発見されたヴァルキリーの核と関係あるようなのですが、今回はその内の一体が目覚めたとの報告があったようです。


 魔界時間16:00 帝都ジュエルロード


『宮殿内』


 イザベラ:核の解析が終わったようね。


 太郎:ああ、途中までだけどね。


 イザベラ:それで、成果は?


 宙に浮いたモニターに映す太郎


 太郎:上々♪どうやらこの核の外殻は『7体の巨獣』の身体の一部と『3体の巨獣の角』から出来てるところまではわかった。


 イザベラ:計10体ね。


 太郎:文献と照らし合わせた結果、7体の巨獣はこの国にいる。


 イザベラ:宝石の名を冠するドラゴン種の巨獣ね。


 太郎:観測所からその内の一体が目を覚ましたとの報告を受けた。


 イザベラ:その巨獣の名前は?


 太郎:『アメジストドラゴン』、『紫流渓谷しりゅうけいこく』一帯を縄張りにしている。闇属性のドラゴン種巨獣だ。シャンデルギドラを師と仰いでいるそうだからこの小さく加工した鱗を持って行ったら話を聞いてくれるそうだよ。


『1時間後 紫流渓谷』


 アオイ:ここからは翻訳モードに入ります


 アメジスト:誰ぞな〜?ワシの住処に来るのは。


 太郎:彼がアメジストドラゴン・・・想像以上にデカイね。僕は憂鬱太郎、君にはシャンデルギドラの紹介で来た。君に聞きたい事があるんだ。


 加工されたシャンデルギドラの鱗を見せる太郎


 アメジスト:確かにお師さんの鱗だね。光ってるという事は嘘は言ってないようぞなもし。で?ワシに聞きたい事とは何ぞな?


 多次元バッグから保管ケースに入った核を見せる太郎


 太郎:これについて聞きたいんだけど、この核の外殻は君達7体の巨獣というのはわかった。残り3体の巨獣の角の持ち主がわからないでいてね。心当たりはないかい?


 アメジスト:ふ〜む・・・一体だけ心当たりがあるぞい。


 太郎:本当かい⁉︎で、その巨獣の名は?


 アメジスト:ゴブリアス帝国に生息する『シャベルマジロ』の角だぞなもし。


 太郎:間違いないかい?


 アメジスト:勿論断言できるぞい♪奴の角はとてつもなく硬いから核本体を守る外殻の表面をコーティングするのにうってつけだからな。それにその核から奴の匂いがするぞい。


 太郎:ありがとう、やっぱり残り2体はわからないかい?


 アメジスト:ワシは分からんが、他の6体なら何か分かる筈だぞい。おぼろげだが大昔そんな話をしてた記憶があるからぞなもし。


 太郎:誰との会話だったかは・・・流石に覚えてないよね?


 アメジスト:すまんのぉ〜、なんせ5000万年前の事じゃからのぉ〜。


 太郎:それは無理言って悪かったね。


 アメジスト:なんのなんの、お役に立てたかの?


 太郎:勿論だよ♪


 アメジスト:ならばここから遥か西にある『トパーズ海岸』に行ってみるといい。そのにワシの同胞のトパーズドラゴンがおるでのぉ♪時期的にそろそろ休眠期が終わる頃じゃて。


 太郎:ありがとう♪

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