第16話霧深き森の軍配

 アオイ:真珠というのは本来海にあるものですよね。でもこの国には珠霧の森という霧深い森があり、そこには多くの池が点在し。その中には世にも珍しい淡水の真珠があるのです。


 魔界時間10:00 帝都ジュエルロード 宮殿女帝執務室


 イザベラ:珠霧の森に?


 マーサ:ええ、『輝石の軍配』というのがあるらしいの。


 イザベラ:成る程ねぇ・・・調べてみたいし、いずれは手に入れておかないととは思っていたけど。


 マーサ:貴女が懸念してるのは『あの森の特性』と『あの森を縄張りにしている巨獣』でしょ?


 イザベラ:そうなの。霧を操る巨獣『ミストファルコン』がいるからなの。私が国を興す事で目を覚ましたみたいなのよ。


 太郎:眠っている間も寝息で霧を発生させ続けてはいたものの、その濃度が薄い。しかし眠りから目覚めた直後急速に霧の濃度が高くなったと観測所からの報告があった。


 デバイスで検索するアサギ


 アサギ:ミストファルコン・・・ミストファルコン・・・あ、あった!ガルーダ科ガルーダ目ファルコン亜種。体長7800万㎢、体重4兆3000万トン。磁力線を含んだ霧を発生させ視覚と方向感覚を狂わせ獲物を獲るとあります。魔王具で契約するとステルスクロウ同様に国防の面で活躍するそうで、この2体はコンビを組んで活躍していたようです。


 太郎:イザベラからの指示で珠霧の森を調べたところ、あの森は元々霧が発生し易い所だったようだ。霧深い地を好む習性のあるミストファルコンはそこを住処として気に入っているらしい。


 カグヤ:それで?どうするのだ?


 イザベラ:行きたいけど、行ったとしても言葉が通じない事にはね。


 カグヤ:そうだな。


 アサギ:あ、それなら1人心当たりがあります。ムネミツ皇国に真乃宮まのみやさんという方が巨獣の言葉がわかるそうで、この国にお呼びしましょうか?


 イザベラ:そうね、それでお願い。


 カグヤ:では個々に準備もあるだろうから森の調査は後日という事で良いな?


 イザベラ:ええ、それで良いわ♪

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