第6話財宝の森のカイザーミミック

 アオイ:皆さんは国土争奪戦争で滅亡した国の巨獣ってどうなるか知ってます?それは新たな魔王が現れるまで眠りにつき、国を興したと同時に目覚めるのです。おやおや?どうやら2体目が目覚めたようですね。


 魔界時間12:55 帝都ジュエルロード 宮殿


 イザベラ:2体目が目覚めた?


 エリ:はい、帝国南東部に広がる『パンドラ樹海』を縄張りとする巨獣『カイザーミミック』です。


 アサギ:ミミックってあの宝箱の魔物でしょ?その巨獣となるととんでもなく大きいんだろうなぁ。


 エリ:元々大人しい性格のためこちらから手出ししなければ問題ないのですが、過去に噂が一人歩きした時その噂を聞きつけたトレジャーハンターが痛い目にあったという事例が何件もあったそうです。


 イザベラ:巨獣って平均体長5000万㎢あるんでしょ?そんな超巨大な宝箱を開けようとしてたなんて。


 エリ:いえ、それがそのトレジャーハンターが開けようとしたのは宝箱に扮したカイザーミミックではなくその真下にある遺跡に入ろうとして襲われたとか。


 イザベラ:遺跡?


 タブレットで調べるアサギ


 アサギ:・・・・・あ、あった!『パンドラ遺跡』この地に人界宇宙の創世者『パンドラ様』にまつわる宝物が眠ってるそうです。


 イザベラ:パンドラ樹海にパンドラ遺跡、パンドラって何処かで聞いたワードだと思ったらそのまんまパンドラ様の名前からきてるのが由来だったのね。


 エリ:天界宇宙の創世者『天界大帝ヘブンドラクーン様』この魔界宇宙の創世者サタン様と妲己様のご子息『魔界帝王ヘイルフォックス様』冥界宇宙の『冥界女帝サンドラ様』そして人界宇宙の『人界教皇パンドラ様』ですね。


 アサギ:それこそ私達にとって文字通り雲の上以上の方々なのにそのお1人にまつわる財宝がこの国にあったなんて。


 イザベラ:その真相は今のところ保留にするとして、私が契約するまでは立ち入り禁止区域に指定しておかないといけないわね。


 アサギ:あ、検索したらカイザーミミックの情報がありました!カイザーミミック、ミミック科ミミック目純血種。体長1億㎢、体重50兆2000万トン。縄張りから滅多に動く事はなく極めて大人しい性格。ただし、彼が守る『宝物』に手を出そうとすると襲いかかってくるので要注意だそうです。


 エリ:先輩、もう少し詳しくありませんか?


 アサギ:ん?ちょっと待ってね・・・・あった!彼が宝物とするのは物的なものの他に『後継者』も宝物の対象になるだって。


 エリ:・・・・・・・


 イザベラ:貴女が考えてる事当ててあげましょうか?『全ての生命は我が子を守るために危害を加える者に容赦しないもの、となれば遺跡内に後継者となる眷属がいる』ってトコかしら♪


 エリ:流石は女帝陛下、その通りでございます♪


 イザベラ:じゃ、尚更立ち入りを規制する必要があるわね。


 静かに瞑想し、パンドラ樹海全体に結界を張るイザベラ


 イザベラ:これで良しっと♪念のため魔王具使用可能になるまでの間は憲兵隊を巡回させるように指示して。


 エリ:承知致しました。

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