選択肢
とりあえず覚えとくだけはしておいた。だけどこの数字があんな悲惨なことになるとはこのころはまだ思っていなかった。とりあえず休むことにした。今まで散々いろんな世界に飛ばしてきた何者かがここで振り回すことを辞めるはずがないと思ったからだ。いつも通りテレビを見て、ゲームをして、寝て。だけどやっぱ自分が現世に戻れるのか不安で仕方がなかった。そうするうちにアーノンが出てきた。
「あなたの心は今孤独ですか?寂しいですか?悔しいですか?」
「はい。僕はとても悔しいです。何も悪いことをした覚えがないのに、こうやって神のおもちゃになるだなんて。」
「はい。」
「しかも親戚が泣いて悔やんでいる世界なんて寂しいです。幼馴染の那美にも会えないのは、とても孤独です。どうか一緒にさせてください。お願いします。」
するとアーノンは少し考えてから言った。
「わかりました。それでは龍喜さんに二つの選択肢をあげましょう。よろしいですか。」
僕は小さな声で、
「はい。」
と答えた。するとアーノンが喋り始めた。
「選択肢一。このまま今まで通り平凡な世界を回り続ける。
選択肢二。残酷なことはあるものの那美と同じ世界に行く。さてどっちがいいでしょう。今こに場で考えてください。少しの時間は与えますよ。」
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