異次元?
「‼︎」
さてここはどこなんだろうと思う前に答えが目の前に書いてあった。頭の中はポカーンとしていた。
「さてさてお休みの空間と書かれていることだし、休むとするか。」
するとさっき会ったアーノンの声がした。
「龍喜さんもいろいろな世界に行って疲れたことでしょう。」
「確かに疲れた。精神的にも肉体的にも。」
「だと思いましたのでお休みの空間を用意させていただきました。この世界は今あなたが本当にいる現世を再現したものです。いつもあなた方が生活している世界とほぼ同じなので心が和むかと思いまして。」
確かにアーノンは的をついている。だがしかし、いくらいつも生活している世界だと言っても、自分がもう一人存在するわけだし、那美も僕も病院にいる時間なんてちっとも楽しくない。ましてはさっきいた世界となんの変わりもないのだ。そんな空間と時間だなんて休めるはずがない。
「ああっ。早く現世に戻りたいな。」
私はそう思った。だけど逆にとらえたら今私たちが現世でどんな風になっているかわかるっていうわけか。ということで病院の病室に行ってみた。やはり私たちは同じ病室にいたが、私たちの家族が来ていてとてつもなく悲しんでいた。
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